犬の尻尾がハゲてしまう原因とは
換毛期とは別に、犬の被毛が抜け落ちてしまい、ハゲてしまう病気はたくさんあります。
その中でも尻尾がハゲてしまう原因として、ホルモンが関係しているのではないかということが考えられます。どのような病気なのか、詳しく解説しましょう。
犬の尻尾がハゲてしまう原因①「ラットテイル」
犬の尻尾がハゲてしまうという特徴から、ラットテイルと呼ばれています。
ラット(ねずみ)のような被毛のない尻尾のようになってしまうことから、そう呼ばれているのですが、独特で特徴的な症状ですよね。
この症状の原因は、「甲状腺機能低下症」である可能性が高いです。
甲状腺機能低下症とは
犬が健康に生きていくために必要な、エネルギーの全ての代謝の調整を行っているのが、甲状腺ホルモンです。
その甲状腺ホルモンを分泌しているのが甲状腺です。
甲状腺の機能が低下してしまうと、ホルモンの分泌機能も低下してしまい、基礎代謝まで低下してしまいます。犬が健康に活動することができなくなってしまうということです。
甲状腺機能低下症を発症する可能性は、全ての年齢の犬にありますが、特に5歳を過ぎたことから発症する確率が上がり、高齢犬にも多く発症しています。
甲状腺機能低下症の症状
- 尻尾がハゲてしまう
- 体温を保つことができず、寒がる
- 皮膚が乾燥し、フケが出る
- お腹周りに色素沈着ができ、黒ずんでくる
- 顔にむくみがある
犬の尻尾がハゲてしまう原因②「皮膚炎」
尻尾以外にもハゲの症状があらわれやすいですが、アトピー性皮膚炎や、細菌感染によって皮膚に炎症が起きている可能性があります。
脱毛以外には、湿疹や皮膚の赤み、強いかゆみなどの症状があります。
皮膚が蒸れてしまわないよう、気温や湿度に注意しながら治療を行う必要があります。
犬の尻尾がハゲてしまう原因③「クッシング症候群」
副腎皮質ホルモンというホルモンの異常分泌によって、引き起こされる病気のことをクッシング症候群と言います。
脱毛以外には、水を飲む量が異常に増えたり、異常に食欲が増したりするなどの症状があります。可能性は低いですが、糖尿病を併発することが稀にありますので注意が必要です。
8歳から12歳の頃に発症したケースが多く、高齢犬に多く発症するとされています。
プードル・ダックスフンド・ボクサー・ヨークシャーテリアなどが好発犬種であるとされています。
犬の尻尾がハゲてしまう原因④「感染症」
尻尾にノミやダニが寄生したことが原因でハゲてしまっている可能性があります。
皮膚の赤みや強い痒みがあり、湿疹もみられます。
ノミが原因の皮膚炎をノミアレルギー性皮膚炎を言いますが、尻尾から肛門の周りがハゲてしまうことや、耳の後ろや、背中から腰にまでハゲが広がってしまうことがあります。
ノミやダニの寄生は飼い主さんでも気づきやすいものですが、病院で診察を受ければ確実に寄生や感染の有無がわかります。
ノミやダニは暖かい季節だけではなく、一年を通して予防してあげることが望ましいです。
犬の尻尾がハゲてしまう原因⑤「季節の変わり目だから」
病気とは関係なく、季節の変わり目(換毛期)であることから、一時的に尻尾がハゲてしまうことがあります。
実はうちのポメラニアンにもあります。
夏になると尻尾の被毛が冬の半分以下にまで減ってしまい、ハゲてしまったかのように見えるんです。
でも、また冬になると元通り、フサフサのボリューミーな尻尾になりますし、診察を受けましたが異常はありませんでした。
特に抜け毛の多い犬種は、換毛期になると驚くほど被毛が抜け落ちますよね。
このまま抜け続けたらハゲてしまうんじゃないかと不安になるほどです。
あまりにも不安に思うのであれば、病院で検査を受けてみても良いと思いますし、獣医さんに触診してもらうだけでも原因がわかると思います。
一時的なものなのか、病気が原因なのかを見極める必要があります。
まとめ
うちの二代目の柴犬は、尻尾の被毛が全てなくなり、本当にハゲてしまった状態でした。
真菌(カビ)が原因の皮膚病でした。
早期発見と早期治療である程度は症状を緩和させることができるのですが、完治には至りませんでした。
もし、みなさんの愛犬の尻尾や、カラダに少しでもハゲができてしまっていることがあれば、すぐに病院でみてもらってほしいです。
ハゲができる前から皮膚に何らかの異常があるはずです。
ふだんからこまめに皮膚のチェックしてあげましょう。