犬の失神について 症状や対処法まで

【獣医師監修】犬の失神について 症状や対処法まで

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犬が突然倒れて意識を失う。そんな場面に遭遇したら、飼い主はあわててしまいますよね。まずは、犬も人間と同じように失神することがあると認識しておきましょう。この記事では、犬が失神する原因や対処法について説明します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の失神する原因と考えられる病気

倒れた犬とファーストエイド

失神とは、急に意識を失ってその後、回復する、「一時的な意識障害」のことです。人間と同じように犬も失神することがあります。

犬が失神する原因は大きく分けて2つあります。1つは犬の心臓に異常がある場合、もう1つは犬の神経系の障害です。失神の原因ごとに考えられる犬の病気を以下に記します。

犬の心臓疾患

犬の心臓疾患による失神は、不整脈や、心臓から送り出される血液量の減少が原因で起こります。また、肺を循環する血液量の低下により、低酸素状態になって犬が失神することもあります。

犬の失神で考えられる病気は不整脈心臓弁の障害です。このような心臓疾患を持つ犬は、運動した時に血液がうまく循環しなくなり失神することがあります。シニア犬に多く見られる症状です。

また、フィラリアや心臓の腫瘍により犬は失神することもあります。

犬の神経系の障害

神経系の障害が原因で犬が失神する場合、癲癇や水頭症、脳腫瘍などが可能性としてあります。癲癇は前兆はありますが突然起こることが多く、嘔吐や失禁、全身の痙攣が起きます。痙攣が起きているときには意識がなく失神のような状態になっていることが多いです。

水頭症は子犬のころから行動が遅い、ボーっとしているといった症状があり、癲癇と同様に突然痙攣をおこし失神します。脳腫瘍は高齢の犬に起こり、腫瘍が大きくなり脳を圧迫することで痙攣が起こり、症状が重くなると失神状態が継続します。

犬の失神の原因が、心臓によるものなのか、神経によるものなのか、判別が難しい場合も少なくありません。動物病院で検査を受けて、原因を特定してもらってください。

犬が失神したときの対処法

子犬を診察する獣医師

犬が失神したときの状況別に、対処法をご紹介します。

犬がすぐ失神から回復して元気がある

犬が突然失神して、数秒でケロリと回復することがあります。犬が完全に意識を失っているかどうかは、飼い主が判別するのは難しいので、めまいのような症状で犬の失神に見えることもあります。

すぐに元の元気な状態に戻ると、飼い主としてはほっとして様子を見ようということになると思いますが、この場合でもすぐに動物病院に連れて行った方がいいです。なぜなら、「飼い主が留守にしている間もひょっとしたら犬は、数秒間の失神を繰り返している可能性がある」からです。

犬は心臓に問題を抱えているかもしれません。飼い主の前で犬が頻繁に失神するようになるまで放っておくと、心臓疾患がかなり進行してしまう可能性があります。

犬が失神してすぐに元気になったからといって放置せず動物病院で診察を受けましょう。

犬が失神から回復したが、ぐったりしている

犬が失神して意識を取り戻したものの、その後ぐったりしている場合は要注意です。

犬に嘔吐が見られた場合は、できればその内容物を持って動物病院へ行きましょう。また、呼吸や脈拍の速さ、遅さも見てあげてください。犬は基本的に弱っているところを見せようとしません。敵から身を守るための本能で、体に故障があっても元気に振る舞うものです。だから、ぐったりしているということは、よほど具合が悪いと思ってください。

犬が失神のほかに嘔吐が見られる場合は、吐いたものが喉に詰まらないよう気をつけて、犬を動物病院へ連れて行ってください。

犬が失神したまま意識が戻らない

犬が失神したまま意識が戻らない場合、人間と同じくかなり危険な状態です。犬が失神したら、飼い主は誰でもパニックになるでしょうが、ここはぐっとこらえて犬の様子を観察しましょう。

数分間、犬の失神が続く場合、脈はあるか、呼吸はしているか確認しましょう。心肺停止になっていないか、落ち着いて確認してください。犬が呼吸しているかわからない場合、犬の鼻先に鏡を持ってくるといいです。鏡が曇れば、呼吸をしています。

脈がない場合は犬の心臓マッサージをしながら、家族がそばにいるなら動物病院に電話をしてもらってください。同居の家族がいない場合でも、片手で心臓マッサージをしながら、動物病院へ電話をしてください。

呼吸も脈もありながら、犬が失神したままの状態なら、至急動物病院へ連れて行って、適切な処置を受けましょう。

犬が失神したら確認しておきたいこと

走るポメラニアン

先述のとおり、犬が突然失神したら飼い主は誰でもパニックになってしまうと思います。でも、動物病院で適切な診断が受けられるように、落ち着いて犬の様子を確認しましょう。犬が失神をして獣医師に伝えたい情報は以下のとおりです。

  • 犬の失神する前の行動(運動していたか、安静にしていたか)
  • 犬が失神していた時間(数秒か、数分間か)
  • 犬にその他の症状はあるか(嘔吐など)

犬が失神する原因が何なのか、獣医師に判断してもらうために、最低でも上記の情報は伝えられるようにしましょう。犬の激しい運動や興奮による一時的な失神なのか、犬の何らかの疾患による失神なのか、獣医師が適切な検査をして、診断するために、飼い主からの情報はとても大切です。

犬が失神する直前の行動だけでなく、できれば普段の様子も思い出して獣医さんに伝えましょう。散歩を嫌がるようになってはいませんか?咳をして、ゼイゼイと苦しそうに呼吸することはありませんでしたか?それとも、全く何もなく、犬は突然パタリと倒れたのでしょうか?

犬は自分で症状を訴えることはできませんので、獣医さんにとっても飼い主からの情報は診断の助けになります。普段から犬の様子を観察して、変わったところがないかチェックしておくようにしましょう。

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