子犬のお腹がパンパンなので正常?異常?
思わず、「可愛い」と口にしてしまいたくなるほど、お腹がパンパンに膨らんだ子犬を見かけることがあります。
ほとんどの場合、ミルクを飲んだりごはんを食べたりして、お腹いっぱいになっている姿です。私たち人間もお腹いっぱいに食べたとき、お腹がぽっこりと出てしまうことがありますよね。子犬にも同じことが言えます。しばらくすると元に戻るので様子をみてあげましょう。
しかし、中には体の異常や病気などで、常のお腹がパンパンに膨らんだ状態になっている場合もあります。どのような問題を抱えているのか、どのように対処したら良いのかなど、ご紹介します。
遺伝による腹部異常・奇形【幽門狭窄など】
心臓や食道や内臓などに奇形がある場合など、生まれつき抱えている問題によって、お腹がパンパンに膨らんでいる子犬がいます。
たとえば、「幽門狭窄(ゆうもんきょうさく)」という、胃の異常があります。胃には幽門部と呼ばれる部位があるのですが、その部位が狭くなってしまっていることで食べたものが通過しにくくなってしまう状態のことを言います。
幽門分とは胃の出口なので、狭くなってしまっている状態では、食べたものが胃から出て行ってくれなくなってしまうこともあるんです。これが生まれつきである場合は、幽門部の粘膜や筋肉が分厚くなってしまっていることが原因である可能性があります。
幽門狭窄になりやすい犬種
幽門狭窄になりやすい犬種は、フレンチブルドッグなどの、短頭種(マズルの短い犬種)が該当します。遺伝的に、生まれつき幽門部の筋肉が分厚くなりやすいため、特に注意してあげる必要があるでしょう。
対処法
幽門狭窄であると診断された場合、幽門部が狭くなってしまっている状態なので、胃の出口である幽門部を広げるための手術が用いられることがあります。
幽門部を切開することで広がるようにします。粘膜が分厚くなってしまっている場合には、粘膜も除去されます。
寄生虫による感染症【回虫症など】
犬の小腸に寄生する内部寄生虫の中に回虫という線虫類がいます。母犬から、胎盤感染や経乳感染します。長さが10cmくらいの寄生虫ですが、小腸内に大量に寄生すると便に混じって排泄されるか吐くこともあります。寄生している数によっては腹部が膨れてしまったり、腸が固くロープのようになってしまうこともあります。回虫は子犬が食べたものの栄養を小腸内で横取りしてしまいますので、毛艶が悪くなったり、やせてしまったりします。駆虫薬で駆除できますので、糞便検査を行いしっかり駆虫しましょう。
回虫以外の寄生虫に要注意!
寄生虫によって子犬のお腹がパンパンに膨らむ原因は回虫症だけではありません。他にも、鞭虫や鉤虫など注意する寄生虫はいます。下痢や血便などの原因になり、貧血や栄養失調を起こしますので寄生しているものにあった駆虫薬で駆除してください。
寄生虫が原因である場合、お腹がパンパンに膨らむこと以外にも、お腹に熱を持つことで子犬のお腹を触ると妙に熱かったり、寄生虫によって腸閉塞になり排便が上手くできなくなったりするなどの症状がみられる可能性もあります。
対処法
このような寄生虫に対する対処法は以下です。
- 糞便検査を行い寄生虫の種類を特定する
- 特定した寄生虫を駆除できる駆虫薬を投与する
- いなくなるまで繰り返し駆虫し、その後は定期駆虫を行う
寄生虫は大量に寄生していると、嘔吐や下痢、成長不良などの原因になります。 しっかり駆除しましょう。
まとめ
ミルクをたくさん飲んで、ごはんをたくさん食べて、お腹いっぱいになってお腹がパンパンに膨らんでいる子犬の姿はとても可愛いですよね。
でも、常に膨らんでいる状態であったり、あまりにも大きく膨らんでいるようであったりする場合は、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
何事もなければそれで「良かった」と安心できるので、不安に思ったらまずは電話でも良いので獣医さんに相談してみましょう。