犬に噛まれたことでかかる破傷風について 症状と予防法

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犬に噛まれたことでかかる破傷風について 症状と予防法

突然に犬に噛まれた経験をもつ方は多くいると思いますが、犬に噛まれたことでかかる破傷風について、お聞きになったことがあるでしょうか?破傷風とは、傷口に感染した破傷風菌がつくる毒素によって、口が開けにくくなり、排尿障害、けいれんなどを起こす病気です。日本での症例は激減しているようですが、今日はその症状や、かかる確率、治療と予防法についてお話したいと思います。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

犬に噛まれたことでかかる破傷風の症状

手が犬に噛まれそうになる

犬に噛まれた経験がある人の中で、大きな傷なら迷わず病院にいくけれど、小さい傷だったのでそのままにしていた。という方も多いのではないでしょうか?ですが、破傷風菌は土壌や動物の糞便などに常に存在している、目に見えない細菌です。

目立たない傷や、軽い怪我によって破傷風菌に感染してしまうことを考えると、犬に噛まれた小さな傷だからとあなどれないことが分かります。

犬に噛まれたことでかかる破傷風の症状は、細菌そのものが引き起こすのではなく、破傷風菌がつくる毒素が原因になります。破傷風菌が作り出す毒素には、神経毒(破傷風毒素、別名テタノスパスミン)と、溶血毒(テタノリジン)の2種類があります。

犬に噛まれた傷口から、感染した破傷風菌は、この神経毒を作りだし、末梢神経に吸収され、脳や脊髄にまで影響を及ぼしていくので、全身の筋肉にけいれんが生じる症状を表します。破傷風の症状はこのような経過をたどります。

破傷風の症状段階

第1期

破傷風の初期、口が開けにくくなる「開口障害」がみられます。首筋の張り、寝汗、歯ぎしりなどの症状が見られます。

第2期

破傷風の症状、開口障害は徐々にひどくなっていきます。顔の表情がいつも痙攣して、皮肉笑いをしているような特徴の顔になります。「破傷風顔貌」と呼ばれています。

第3期

顔の筋肉だけでなく首から背中、全身に破傷風の毒素が回り、身体全体が固くなっていって、全身が後ろに反り返ってしまいます。「後弓反張」という症状です。発作的に痙攣をおこすようになります。手足が強く固まり、全身の筋肉が固くなって身動きが取れないような発作がおきます。

第4期

これまでの破傷風の症状が徐々に回復していきます。第1期~第3期までの時間経過が短い(48時間以内)ほど経過が悪く、死に至る可能性が高いと言われています。

犬に噛まれたことで破傷風になる確率

破傷風菌

破傷風は、1968年に予防接種が導入されて以来、日本国内で犬に噛まれても症例は激減していますが、それでも毎年100例ほどの破傷風の報告があるようです。

発症した方の年齢は、予防接種を受けていない、45歳以上の成人の方が多いようです。犬に噛まれたことで破傷風になる確率は1%以下と言われ、比較的低いといえますが、完全に防ぐには予防接種が重要となってきます。

犬に噛まれたことでかかる破傷風の治療と予防法

注射器とワクチン

破傷風の症状が表れたら、治療法は対症療法しかないそうです。刺激で発作が出ないよう、静かな部屋で安静にさせ、呼吸を助けるために、症状が重い場合は人工呼吸器を使います。

痙攣のときには痙攣を止める薬を使いますが、発作を止める薬はないようで、発症から1週間以内の死亡率が高いと言われています。

しかし、破傷風のワクチン接種をすることで、ほぼ確実に破傷風は予防できます。日本では、国が受けることを強く勧めている「定期接種」の1つです。

接種してから10年経過すると、次第に免疫が低下するので、もし犬に噛まれて大きな怪我をしたら、必ず病院を受診し、追加で破傷風予防接種をする必要があるか病院に相談してください。

日常での破傷風の予防としては、犬に噛まれて小さい傷ができたら、破傷風菌が体内に入らないよう、すぐに流水で十分に洗いましょう。

犬に噛まれて大きい傷の場合は迷わず病院で受診してください。破傷風の予防接種を受けていない、または接種から10年以上経過している場合は、追加接種で破傷風の毒素に対する薬を注射できます。

まとめ

犬と手を合わせる人

犬に噛まれることでおきる破傷風は、破傷風ワクチン接種により、日本では激減しています。ですが、今でも年間100例は破傷風の報告がされているので、最近ワクチン接種をしていない人や、ワクチン接種をしていない年代、45歳以上の人は特に注意が必要です。

破傷風の治療が遅れると、死に至る恐ろしい感染症なので、ちょっと犬に噛まれたくらい大丈夫だと思わずに、破傷風のワクチン接種を受けていない方は必ず病院で受診しましょう。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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  • 30代 女性 びー

    今からちょうど10年前に犬に咬まれて、破傷風のワクチンを接種しました。
    咬まれた場所が顔だったので、そのときは傷のことで頭がいっぱいで、破傷風については考えてもみなかったです。破傷風という名前はその時に病院で聞いていたのですが、どんな病気かまでは気にもしていませんでした。かかった病院では、すぐワクチンを打ってくれたのですが、傷がどうなるのかばかり考えていました。
    記事を読んでみると、あの時すぐに対応してくれたお医者さんに感謝しなければいけないなと思いました。咬まれてから10年で、やっと破傷風がどんな病気か理解できました。ちょうど免疫が落ちるという10年が経っているので、次のワクチンも検討したいと思います。
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