犬の胃潰瘍について 症状や原因、治療と予防法

犬の胃潰瘍について 症状や原因、治療と予防法【獣医師監修】

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胃潰瘍と聞くと、人間の場合はストレスが原因で発症するもの、というイメージがあるのではないでしょうか。犬の胃潰瘍はストレス以外にも様々な要因があり、胃の粘膜から傷つき、それによって激しい痛みや出血、悪化すると死に至るという怖い病気です。そうならないように飼い主さんが、胃潰瘍とはどんな病気なのかを知り、早期発見、早期治療ができるようにしてあげることが大切です。もし嘔吐物や便に出血が見られ、定常と異なると感じた場合は、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の胃潰瘍の症状

吐いた犬

犬の胃潰瘍の初期症状は、胃の壁が何らかの原因で、胃の粘膜が機能せずに傷ついたため、そこから痛みを感じて背中を丸め、食欲低下や元気がなくなる、嘔吐などの症状が見られます。

胃潰瘍の症状が重度になってしまうと、さらに犬の胃に穴が開き、腹膜炎を起こしたり、鮮血やコーヒーのような赤茶色、黒っぽい色の嘔吐物を頻繁に吐いたり、黒っぽい血便、腹痛、発熱などの症状があります。

犬の黒い色の嘔吐物は、古い出血で胃酸によって酸化して吐きだされているものですが、鮮血を吐いた場合は、肺から出血している場合がほとんどです。嘔吐を繰り返し、食欲不振が続くので犬の体重が減少するという症状も見られます。

犬の胃潰瘍の原因

伏せるゴールデンレトリバー

本来胃は、胃酸が分泌されても胃が傷つくことはありませんが、様々な要因で胃酸が傷をつけて、胃潰瘍となります。

薬でも胃潰瘍となる原因のものがあり、犬の治療薬のステロイド剤や、抗炎症剤などの薬には胃の粘膜を保護する力を抑制する作用が存在し、長期間服用することによって、犬の胃の粘膜を傷つけて胃潰瘍を引き起こすことがあります。

犬の胃潰瘍治療には、こういった薬の副作用を起こさないよう、通常は胃を守る胃薬と一緒に処方されます。そのほか肥満細胞腫や、腎不全などの基礎疾患、寄生虫、病気、熱中症、火傷などの身体的ストレスが犬の胃潰瘍を引き起こす原因となったりします。

犬の胃潰瘍の治療法

薬のまされる犬

犬の胃潰瘍の治療法として原因を突き止めるには、犬に全身麻酔を行い、胃カメラや内視鏡検査を使って、胃潰瘍の原因となる基礎疾患の有無、今までどんな薬を服用したかを飼い主さんから情報を得て、確定していきます。

必要に応じて犬の貧血症状や、血液中のタンパク質濃度などを調べるための血液検査、レントゲン検査も行ったりします。

犬の胃潰瘍の原因が、肥満細胞腫やその他の基礎疾患の場合は、内科的療法を行いますが、内科療法で状態の改善が認めない重度な出血があれば、手術によって潰瘍を切除します。

犬に処方する薬が原因の場合は、現在服用しているものを中断する、もしくは別の薬に変更して対処します。同時に犬の胃酸の分泌を抑える薬や、胃粘膜を保護する薬、胃酸を中和する薬などを併用して対処します。

嘔吐がひどく食事ができず、電解質のバランスが崩れている犬は、入院をして点滴を行い、栄養や水分補給、電解質の補正をして経過観察をします。犬の重度の胃潰瘍で、大量出血による、重度の貧血がある場合は、輸血等の処置も行います。

食べ物が摂取できる犬には、消化の良い胃に負担をかけない食べ物を与えてあげましょう。犬の胃潰瘍の原因によって、療法食を処方します。

犬の胃潰瘍の予防

ご飯とジャックラッセルテリア

犬の肉体的なストレスを軽減するため、飼育環境づくりや、消化の良い栄養バランスを考えた食べ物を犬に与え、休養、睡眠、適度な運動を行い、規則正しい健康的な生活をすることによって、犬の胃潰瘍を発症予防ができます。

そして定期的な犬の健康診断と、犬が基礎疾患となるような病気を患っている場合は、早めに治しましょう。一度胃潰瘍を発症してしまうと、再発する可能性は高いです。

犬の胃潰瘍完治後も、胃粘膜を保護してくれる胃薬を継続して投与するか、犬の食事管理、食事内容と健康診断の時期などをかかりつけ医と相談し、予防していくのが最も重要となります。

胃潰瘍だけでなく、様々な病気を引き起こしやすい老犬の予防法は、日頃から食事量や食事内容を一定にして、規則正しい生活をすることを心がけましょう。

犬の胃潰瘍に気付けるのは飼い主さん!

飼い主と走る犬

犬の胃潰瘍の原因は、人間とは違うので異変にも気付きにくく、気付けば犬の胃潰瘍の症状が悪化していたということもあるので、日頃、犬の様子を知っておくことがとても重要となります。

飼育環境や、規則正しい生活を送ることによって、犬をこの苦しい胃潰瘍の病気から予防することができます。犬に異変を感じたときは、すぐに獣医さんに診察してもらいましょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 A

    実際の胃潰瘍の症状についてよく分かりませんでしたが、記事を読むと、かなり厄
    介な病気ですね。これに犬がなってしまうなんて、驚きです。胃などをやられる
    と食欲も無くなって、免疫力も低下してしまうので怖いと思いました。
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