「犬に咬まれないために」YouTubeを使った犬の咬傷事故の研究結果

「犬に咬まれないために」YouTubeを使った犬の咬傷事故の研究結果

犬が人間を咬んでしまった事例を研究するために、YouTubeにアップされた動画を分析した結果が発表されました。犬の咬傷事故を防ぐためにどんなことに気をつけるべきか、ご紹介します。

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YouTubeの動画で犬の咬傷事故を分析

歯をむいて警告している柴犬

犬の咬傷事故の防止は、犬と人間両方の安全や福祉のために重要ですが、たいへん残念なことに世界中で犬が人間を咬んでしまう事故は後を絶ちません。

なぜそのような事故が起きるのか、何が引き金になるのかなどを多くの研究者が調査していますが、他の犬の研究実験のようにその現場を直接観察するということが不可能なのがこの研究の難しいところです。

このたびイギリスのリバプール大学の研究チームが、実験の代替の方法としてYouTubeにアップされている犬の咬傷事故の動画を検証分析して事故の原因やきっかけを調査し、その結果を発表しました。

動画の分析と調査の結果は?

骨を守ろうとしているジャックラッセル

「dog bite」「dog attack」(英語、フランス語、ポーランド語の3種)の検索ワードで動画をピックアップして、襲撃訓練の動画などを除いた143の動画が調査の対象となりました。

もちろんYouTubeの世界は一般社会をそのまま映すものではありません。人間の目に「おもしろい」とか「かわいい」と見えるものが多くアップされている傾向があるため、小型犬が人を咬んでいる本当は深刻なケースなのに「おもしろ動画」と分類されていたりします。

しかしそのようなことを差し引いても、咬傷事故と行動との関連の統計を取るためにこの調査は有効だったそうです。

分析に当たって、研究チームは「犬が咬む」ということの定義を「犬が人間の身体の一部を口に咥えて圧力をかける」としました。

アップされた動画から分析された被害者の年齢や性別、怪我の概要は、今まで発表されている多くの咬傷事故のデータと一致していました。

最も多く咬まれているのは子供、被害者の約7割が男性、大人が咬まれた場合の怪我は腕や脚が多く、子供が咬まれた場合には顔や首が多いなどです。

何が犬が咬む引き金になったのか?

防御のため警告するミニピン

最も重要なのは人間のどんな行動が犬が咬む引き金となったのか、またそれは予測することができたのかということです。

研究チームが発見した重要なキーは「咬む前の20秒間」でした。実際に犬が咬むという行動を起こす前の20秒の間に、犬は身体の筋肉の硬直、唸り声を出す、緊張した様子を示す、歯を軽く当てるなどのボディランゲージを示していました。

犬は「これ以上しつこくすると咬みますよ」という警告を発していたわけで、この時点で人間が犬から離れていれば咬傷事故は防ぐことができたのです。

さらに、咬みつきの30秒前の犬の行動を見ると、耳をペッタリと倒したり、低く伏せたりして不快であるという表現もしていました。

一方この20秒間の人間の行動を観察しました。犬の嫌いな医療行為、虐待や焦らし行為、食べ物やおもちゃを取り上げるなどの行為は当然ながら犬の反発を生みました。

しかし人間としては全く悪意のない思いがけないことが引き金になっていたことも見て取れました。
例えば犬の上に屈みこんで犬を撫でる、犬のそばで笑ったり大声で叫ぶ、犬の目をじっと凝視するなどの行動が、犬の警告〜攻撃へとつながった例が観察されました。

犬に咬まれないための注意事項は?

目線を外してあくびする犬

「犬の上に屈み込んで撫でる」「大きな声を出す」「犬の目を凝視する」などは、従来から多くの動物行動学者やドッグトレーナーがしないようにと呼びかけていることです。

これらの人間の行動が実際に咬む行動に結びついた映像や、犬がどのくらいの長さの警告時間を与えているかの統計が取れたことは大きな収穫です。

上で挙げたような行動は悪意がなくても犬にとっては不快だったり、時には恐怖を感じたりするので避けなくてはなりません。

飼い主と愛犬の関係であれば、犬の許容量は少し大きくなります。犬が自分の犬でない場合、特に知らない犬の場合には絶対にやめましょう。

上記の行動だけでなく、犬が発しているボディランゲージの意味を学び知っておくことは、犬と暮らす上で必要不可欠なことです。もちろん子供達にもしっかりと教えておかなくてはいけません。

まとめ

笑顔のコーギー

イギリスの研究者による、YouTubeの動画から犬の咬傷事故を分析調査した結果をご紹介しました。
犬は実際に咬む行動の前の20秒間に様々な警告を発していることが確認され、人間が予期していない悪意のない行動が咬む行動の引き金になっていたことが確認されました。

この事実をしっかりと認識して、犬と暮らしている人は書籍やセミナーなどで一度しっかりと犬のボディランゲージについて勉強する必要がありますね。「犬があくびをした時は相手に”落ち着いて”と伝えたい時」など断片的な情報でなく、総合的に学ぶことが大切です。

犬と人間が安全で幸せに暮らすために、多くの人に犬が発する信号を知っていただきたいと思います。

《参考》
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/05/180510133029.htm

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