静岡県動物保護協会が作成した「ペットと避難するためのパンフレット」とは
一般社団法人静岡県動物保護協会による、災害時にペットと一緒に避難するための準備やしつけをまとめたパンフレットが、3月末に完成しました。
8~12ページから成る犬編と猫編の2種類があり、それぞれ一千部作成し、静岡県内の各市町にある役所や保健所、動物病院などに置かれています。
パンフレット作成のきっかけとなったのは、東日本大震災で多くのペットが避難所へ行けず自宅へ取り残されたしまった事。
ほとんどの飼い主がペットのを鳴き声や臭いなどによるトラブルで、避難所へ連れていくことができませんでした。
そんな東日本大震災での教訓をパンフレット内に記載し、ケージに慣れさせ、飼い主以外でも怖がらないようにするなど、災害時に同行避難できるようにするためのしつけの仕方が、わかりやすい図式で紹介されています。
また、ペットと同行避難する際に必要な防災グッズや、古いジーンズを利用した猫を入れる袋の作り方なども記載されています。
災害時に必要な備えと災害時の行動
ペットと同行避難できるかどうかは各自治体や災害時の避難所によって異なります。
自分の地域では避難時にペットはどのように避難させるべきなのか、あらかじめ確認をしておくことが大切です。
先述したパンフレットやHP上で公開している自治体もあるので、いざというときに慌てないためにも確認しておきましょう。
犬や猫は自分たちで身を守ることはできません。
ペットとの同行避難に備えることは、家族を守ることにつながります。
いざというときのために備えるべきものは、あらかじめ準備しておきましょう。
《いざという時の備え》
- ペットフード
- 水
- トイレシート、おむつ
- リード、首輪
- ケージ
ペットフードは、常にストックがある状態にしておくことが望ましいです。
いざ避難するときのストックがペットたちのライフラインになるからです。
量の多すぎるフードは持ち運びがしにくいので、1~2kgぐらいのものをストックするようにするとよいでしょう。
水は、人間用に備えている場合はそれをペット用としても使用すればいいですね。
そして、トイレ用品は必ず準備しておくべき物です。
避難した人が全員がペットを飼っているわけではありません。
そして全員がペットへ理解があるわけではありません。
そんな状況下であるからこそ、トイレシートやおむつは必要になります。
場所が変わるとトイレを失敗してしまう子って多いですよね?
慣れるまではおむつになるので多めに備えておくとよいでしょう。
リードと首輪は、できればいつも散歩で使用しているものとは別に、予備を準備しておくといいかもしれません。
いざ避難するときは慌てて何かしら忘れてしまうはずです。
いつも使用しているリードと首輪だからこそ忘れてしまうこともあるでしょう。
避難時の備えとしてフードや水などと一緒に、リードと首輪も1つの場所にまとめておくことで、いざというとき探す手間がはぶけてすぐに避難することができます。
首輪には迷子札を必ず付けておきましょう。
これはペットがもし逃げ出してしまったときのための大切な備えになります。
ケージは避難所でペットたちの家となるものです。
避難時のストレスを減らすためにも、普段からケージに慣れさせることは大切なことです。
そして、災害時に飼い主である私たちは家に戻れる可能性があったとしても、必ずペットと同行避難しましょう。環境省からもペットの同行避難は推奨されています。
1人で置き去りにされたペットたちはどれだけ心細い思いをするでしょうか。
どれだけ不便な思いをしたとしても、一緒にいることで余計なストレスを抱えることなく安心して過ごすことができます。
しかし、いざ災害が起きたとき必ずペットと一緒に避難所に入れるかは、避難所によって異なります。
もし断られてしまったとしても、ペット用にスペースを用意できないか、どうにかして一緒に避難できないかを粘り強く相談し続けましょう。
ペットを飼っている人と協力して説得を行うことも大切です。
決して家に置き去りにすることはせず、共に避難する道を見つけてください。
災害時に現地で活動する動物愛護団体
災害時に現地で活動する保護団体がいくつかあるのでご紹介します。
一般社団法人民間災害時動物救済本部(CDCA)
東日本大震災をきっかけに発足した団体です。実際に現地へ行き動物たちの救護を行います。災害後すぐに現地へ行き、その場で聞いた情報をタイムリーにHP上で公開しているため、避難所でのペットに対しての対応などをすぐに把握することができます。
現地での迷子ペット探しや健康管理など行います。
一般財団法人ペット災害対策推進協会
主な活動内容は、被災したペットを救護するための予防対策と支援です。同行避難についての普及活動や災害時の救護物資の提供、被災したペットの保護収容施設リストの提供などを行っています。
災害時には現地の行政や獣医師会などと連携を取り、預かり可能な宿泊施設などをリストアップや速やかな支援物資送付など、迅速な支援を行っている団体です。
まとめ
災害への備えは飼い主の義務です。大切な家族の一員であるペットをどんなときでも守ってあげられるように、普段から備えることはとても大切なことです。
環境省はHP上で災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを公開しています。
そして各自治体でもパンフレットやHPなどで公開されています。
災害時に慌てない人はいません。
しかし、前もって備えてきたことは、いざというとき必ず役に立ちます。
大切な家族を守るために、そして自分自身を守るために、災害時に取るべき行動を考えておきましょう。