8月は1年で一番犬の迷子が多い?
楽しい夏のイベント!犬にとっては苦手?
恐怖の花火大会
夏といえば真っ先に思い浮かぶのは、花火やお祭りなどのイベントですね。
人間にとって楽しみな花火大会やお祭りなどのイベントは、犬にとっては決して楽しいものではありません。
我が家の歴代の犬たちも人混みや大きな音は苦手でした。
大型のトラックの走る音、サイレン、運動会のピストルの音、など、反応の大きさはまちまちですが暮らしている環境から、どうしても季節ごとに日常と違った音に驚いてストレスを感じているワンちゃんは多いのではないでしょうか?
なかでも花火大会は犬にとって恐怖以外のなにものでもありません。
私は河川敷の近くに住んでいたため、8月の花火大会の日には犬をストレスから守るのが大変でした。
結構大規模な区の催しで、花火の前にステージでコンサートも開催されます。
これがまた大音量なのです。
花火大会の日はまだ明るいうちから、ビニールシートや食料品を持って大勢の人々が集まってくるので、勿論散歩も河川敷へは行かれません。
交通規制もかかり、会場にほど近い我が家では往来の人々のハイテンションなはしゃぎ声も聞こえていました。
人間にとっても普段より数段騒がしいので、犬にとっては恐怖のイベントだったと思います。
いよいよ花火が始まると、1時間くらいの間打ち上げる音が鳴り響き、地面からも地響きのようなものを感じるので、犬たちは落ち着かず可哀そうでした。
花火の他にも盆踊りやお祭りなど、人混みや雑踏の中に犬を連れて行くのは絶対にやめましょう。
夏の天候にも原因が!
梅雨あけから次々に発生する台風や、最近問題になっているゲリラ豪雨。それらの暴風や雷も犬にとっては怖いことですね。
特にひとりぼっちで長時間留守番させられている環境では、不安から逃げだしてしまったり、庭に繋ぎ飼いをしていて首輪ぬけしていなくなっていたという報告もあるようです。
長時間留守にしないようにすることはもちろん、飛び出さないように安全対策も見直しておくことが大切です。
統計的に迷子が多い8月
ペット保険のアニコム損保の調べでは、犬の迷子の件数は8月がトップということです。
原因は〝雷や花火の音に驚いて逃げてしまった〟というものが一番です。
そして迷子になった場所も100%中67.1%が自宅という驚きの統計が出ています。
散歩中に首輪やリードが外れて逃げ出したのが21.5%。その他が11.4%という数字から、迷子のほとんどは自宅から何らかの原因で飛び出してしまったということがわかります。
自宅の飛び出し対策はそれほど重要だということですね。
犬の聴力や、臭覚を知れば理解できる?
今、犬は良い意味でも悪い意味でも擬人化され、可愛がられている反面、犬が喜んでいると考えている飼い主さんがカフェや旅行、イベントに同行させる事が多いようです。
それこそお祭りや花火の会場でも見かけたことがあります。
しかし、犬の感覚は人間とは比べものにならないほど鋭いので、自分にとって危険を察知するような音や匂いに興奮してしまいます。
そのことに飼い主が気づかずにいると、犬が酷いパニックを起こしてしまったり、それが逃げだしてしまう原因にもなります。
お出かけに犬を同行させるときは、犬にとって本当に心地良いことかどうか考えてみることが大切です。
犬は興奮が楽しいことではありません。
落ち着いた安心できる場所でのんびり過ごすのが幸せなのです。
では次に、犬の感覚の鋭さについて調べてみましょう。
犬の聴力は人の何倍?
犬の耳は人間よりはるかに感度が良く、人間には聞こえないような小さな音も聞き取ることができます。
また聞こえる音の範囲は低音域は人間とそれほど変わりがないものの、高音域は数字で表すと人間の16000ヘルツにたいして犬は38000ヘルツまでとなり、人間が聞き取れる高い音よりはるかに高い音まで聞き取れるのです。
これは人間が超音波と呼んでいる音域です。
それだけでなく犬は耳をいろいろな方向に向けることができますが、音の方向を見極める能力も人間よりはるかに優れているのだそうです。
そして犬にとって最適な周波数範囲では、実に人間の4倍の感度を持つといわれています。
とても小さい音を聞き取れるばかりでなく、その音の細かい情報までわかるんですね。
犬と暮らす人はこの能力を把握しておかないと、犬をストレス状態にしてしまうだけでなく、聴覚障害にしてしまう危険も知っておきましょう。
例えば不適切な頭数を檻に入れている繁殖業者など、あまりに賑やかな犬舎の騒音にさらされると、聴覚が損なわれる可能性があるということです。
金属製のものがぶつかる音やサイレンの音など、犬が不快感を感じていることに気が付かないでいることはないでしょうか?
犬の嗅覚は人間とは比較にならないほどずば抜けている!
嗅覚に関しては、人間が他の動物に比べて並外れて鈍いという方が正確な表現のようです。
犬は食肉目の他の動物とくらべれば平均的な嗅覚ですが、犬には学習や訓練によって情報が組み合わされて、嗅ぎ分けの能力は優れているようです。
数字に表すと匂いの一部を一兆分の一の単位の濃度で感知できる犬に対して、人間は百万分の一から一億分の一までの範囲までしか感知できないそうです。
犬の脳で匂いを分析している部分は人間の40倍、また、人間よりはるかに多様な嗅覚受容体遺伝子というものをもっていて、優れた嗅ぎ分けの能力があるのです。
近年では犬の嗅ぎ分ける力を利用して、特定の病気を嗅ぎ分けたり、糖尿病の患者の血糖値レベルを知らせたりと、様々な分野での活躍が期待されています。
先日ある愛犬家の方のブログで、夜中に犬が騒ぐのであここちしらべたら、古い扇風機の不具合でけむりが微量にでていたというものがありました。
きっとそのわんちゃんは、音にも匂いにもいつもと違うということに不安を感じたのでしょう。
つまり花火大会や祭りは、聴覚も嗅覚も鋭い犬にとっては不快で怖いものということがわかります。
また、気圧の変化に弱い犬種もいますので低気圧、雷などの季節は気を遣ってあげるべきだと思います。
愛犬が飛び出さないようにポイントをおさえよう
迷子の発生現場がほとんどの場合自宅だという結果をふまえて、愛犬の飛び出し防止対策を見直してみましょう。
庭の門やフェンスを確認
お庭のあるお家では門やフェンスを確認しましょう。
犬は興奮すると身体能力を限界まで使ってしまいますから、自分の愛犬がどれほどのジャンプ力を持っているか考えて、フェンスはしっかり確認しましょう。
また、あなたのお家には門には鍵がついていますか?
インターホンが門の中の玄関についているお家だと、宅配業者などは門を開けて入ってきますが、中には門を閉めないで玄関でチャイムを押す配達人もいますので、そのまま玄関をあけた時に犬が飛び出したら、門も開いていて外へ行ってしまう可能性があります。
門やフェンスがしっかりしまっていれば、もし玄関ですり抜けて飛び出しても安心です。
可能であれば、郵便受けやインターホンは門の外につけるようにしましょう
玄関ドアにゲートをつけましょう
玄関ドアには犬が飛びださないようにゲートをつけましょう。
自立式の伸縮性のあるものや突っ張り式のものなどいろいろありますが、簡単な100均の網をつなげてもゲートになります。
それぞれのご家庭に合わせて、犬がすぐに道路に出ることがないように家族で考えるのが良いと思います。
雷や花火の最中は?
犬によって落ち着こうとする行動はまちまちですが、まずは家の中を安全な状態にして、自由度を奪わないことです。
そして人間が大声をあげたり無理に抱き上げたりせず、落ち着いていることが大切です。
我が家の犬は以前、花火や雷の時に怖くて隅っこにお座りして戸棚の狭い空間に入ろうとしたり、洗面所の隅にうずくまってブルブル震えたりしていました。
そんな時はそっと横に座って静かにゆっくりと胸のあたりを撫でていると、心臓のドキドキが少しずつ収まってきました。
雷や花火の間は家事も一旦手を止めて、一緒に横に並んで座っていることにしています。
その場所は、犬が選んだ場所で、です。
そうしているうちに何か怖いことがあった時、地震も含めてびっくりしたら私のところに飛んでくるようになりました。
そして、その場で一緒にうずくまっていると安心していられるようです。
パニックになったり逃げだそうとする様子はありません。
まとめ
8月は犬の迷子が多いという情報に基づいてネット検索すると、怖い音に慣れさせる対策として犬が落ち着いている時に、小さな音からだんだんに苦手な音を聞かせて順応させるとか、落ち着いていたらご褒美を上げるなどというものがいくつも出ていました。
花火の音がしても安全なんだということを理解させる為に、花火の映像などをビデオで小さな音からながして徐々になれさせるのも良いというものもありました。
また、飼い主が毅然としたリーダーでいることが大事というlことで、飼い主が怖がったり驚いたりしていると犬はますます不安になるということだそうです。
でも疑問に思ったのは、そうして不安を訴えているときに優しくなだめるというのが逆効果だという説です。
なぜそれが逆効果なのかというと、怖がれば優しくしてもらえると理解してしまうそうで、突き放すといっているわけではなく、堂々としていれば信頼できるリーダーと思われて、そのリーダーの指示に従っていれば安心と犬は受け取り、気持ちを落ち着かせてゆくのだそうです。
しかし、はたしてそれだけが正しい接し方でしょうか?
犬に関してはいまだに『リーダー論』、『祖先のオオカミの習性が残っている説』、『しつけによる苦手の克服が必要』という事がついて回るのが寂しい気がします。
犬は人間との間にも、犬同士の間にも必ずしも上下関係を築かないこと、オオカミとは異なる習性も多数あるということ、そして人間の細かい感情をくみ取る能力に最も長けた動物であることが、いろいろな分野の研究からわかってきています。
優しく接してあげれば、怖いことがあったら傍に来るようになります。
せっかく気持ちよくのんびりしているときに、もしもの時のための訓練だからと、毎日不快な音を聞かせるなんて良いこととは思えません。
雷も花火も毎日あるわけではありません。
特定の音で訓練しても地震の時の地響きや、暴風の音にも反応しなくなるのでしょうか?
そんなことよりも、普段の生活を落ち着いたのんびりした心地よいものにすることの方が、犬の性格は安定すると思います。
そして物理的にできること、窓や雨戸を閉める、人間が落ち着く、脱走対策をしっかり見直すということを家族みんなで意識して、犬を愛することが一番大切ではないでしょうか?
怖いものになれさせる努力の前に、怖いものに近づけない努力をしたいものです。