骨にできる腫瘍ってどんなものなの?
骨はただカルシウムでできているわけではなく、多くの細胞からできています。
骨を常に綺麗にして丈夫にしている細胞と、かさぶたのように骨を囲ってウイルスなどから守っている細胞があります。
骨肉腫というものは、このかさぶたのように囲む細胞が癌になってしまう病気です。
この細胞が癌になると余分に骨を形成してしまったり、逆に必要な部分の骨を溶かしてしまったりします。
移動するときに軸となる骨に腫瘍ができるとあって骨肉腫は犬にとてつもない激痛を与えます。
また、骨肉腫は犬のがんのうち特に進行度と他の臓器に転移をすることの多い病気で、発見された場合、抗がん剤治療をするか足を切ってしまうしか治療方法がありません。
そんな怖い骨肉腫に見られる初期の3つの行動についてこれから紹介していきます。
1:肢を気にする
先ほども述べましたように骨肉腫は犬にとてつもない激痛を与えます。
初期のころはただの違和感とあって、成長痛のようにキシキシと痛みます。
そのため、少しの運動で犬は肢を執拗に舐めたりかじったりします。
大学の講義で、犬は軽い痛みを感じると舐めたりかじったりすることで、痛みを和らげようとする行動を起こすと習いました。
あなたの愛犬が最近、少し遊んだだけで常に肢を執拗に舐めたりしたり、かじっていたりしたらその行動はもしかしたら痛みを和らげようと頑張っている行動かもしれませんので、特に注意して観察をしましょう。
2:動きたがらない
「最近、必要なとき以外、愛犬が動かないな」
と思ったらそれはあなたの想像以上に愛犬が痛みに耐えている可能性があります!
犬は、言葉を話しません。
そのため、飼い主であるあなたに痛みを伝えるためにアピールをするしかありません。
あなたの愛犬が最近動かないのはあなたに足が痛いことをアピールしています。
ただ遊びつかれて動く気が起きないのではなく、あなたに肢を心配してもらいたいことをわかってあげてください。
骨肉腫は9割が肢の関節にできてしまう病気です。
愛犬が動かないことは、足の関節に痛みを覚えている何よりの証拠になります。
3:肢を引きずって移動する
あなたの愛犬が散歩を嫌がったり、少しの移動でも肢を引きずっていたりしていたら、今すぐに大きな動物病院にいってください!
もしかしたら、骨肉腫や骨折が起きている場合があります!
ここであなたが注意しなければならないことが1つあります。
それは、あなたが愛犬の肢をむやみに触らないことです。
ただでさえ肢に痛みを感じているということは、それほどまでに強い痛みを愛犬は感じているということです。
もし、かわいそうだからと感じさすってあげようと愛犬の肢を触ったら自分を痛みから守ろうと愛犬はあなたに噛み付く恐れがあります。
そのため、むやみに触らずに急いでお近くの動物病院に行って下さい!
私の愛犬を襲った骨肉腫
私は10年前、ジャーマンシェパードの「ハチ」を飼っていました。
生まれつき、股関節が弱く遊ぶときは柔らかい土の上やハチの寝る場所は必ず柔らかい素材を使って常日頃から肢に不必要な痛みを与えないよう努力をしてきました。
5歳を迎えようとしていたある日のことでした。
ハチは肢に違和感を覚えたのか執拗に肢を舐めてたり、少しの運動で悲鳴を上げるほどに痛みを訴えていました。
最初は股関節も悪いことがあったので関節炎になったのかなと思い、近くの動物病院にいったところただの炎症だといわれ、痛み止めをもらっただけでした。
しかし、日を重ねるごとに痛みは悪化し、しまいにはトイレに行くにも一苦労といったようなそぶりを見せていました。
もう一度動物病院にいったところ、ヘルニアの疑いがあると診断されましたが、詳しい検査が可能な別の動物病院で精密検査をしたところ、骨肉腫があると診断され私の家族は絶望の淵に立たされた気分でした。
今にして考えると、最初のころあれだけ肢を舐めていたりしたのは、私たち家族にアピールするためだったのではないかなと感じるところがあります。
まとめ
今回は、骨肉腫の初期に起こる犬の3つの行動について紹介しました。
1:肢を気にする
2:動きたがらない
3:肢を引きずる
犬は言葉を話しません。
しかし、行動で示します。
愛犬があなたに示しているアピールを無駄にしないためにも日頃から注意深く観察することが大切です。
素人判断で特定の病気と判断せず、まず迷ったらお近くの動物病院に行きましょう。