犬の体温計について
通常、犬の体温は直腸や後ろ足の内股で測るもの。しかし、最近は耳や眼で測る形に体温計も変化しています。私たち人間は、体温を測る場合は通常脇の下や舌の下などで測りますが、犬の場合、従来は直腸で測るのがメインです。
犬の体温を直腸で測る場合
体温計を入れる場所は、肛門です。体温計の先が汚れないように、先端にラップを巻き、すべりを良くするためにベビーオイルやオリーブオイル等を塗ります。
そして、犬の尻尾をつかんで、肛門を開き、肛門を傷つけないようにゆっくり体温計を挿入して測ります。体温計の挿入は3~5センチ程度、測定時間は10〜30秒程度です。
体温計を直腸に挿入する方法だと、怖がって犬が暴れてしまったり、毎回使用後の消毒が必要だったりします。また、排泄物に触れる可能性があるため、細菌感染の心配もあり、慣れないと自宅での検温は容易ではありません。
体温計は人間用の電子体温計でも測る事は可能ですが、なるべく犬専用の体温計をおすすめします。犬専用のものは、先端が曲がるようになっているなど、測定しやすくなっている製品があります。
犬の体温を後ろ足で測る場合
犬をリラックスした状態にし、後ろ足の内股に体温計をはさみます。この時に、皮膚と皮膚との間に体温計がしっかりと密着するようにしてください。この状態で4~5分測ります。
後ろ足で体温を測る方法は、時間を要します。約5分犬がおとなしくしていれば良いのですが、犬が動いたり、緊張したりするだけでも、測る熱に差が出てしまいます。
人間用の電子体温計の使用も可能ですが、犬専用の体温計をおすすめします。
犬の体温を耳で測る場合
耳の穴に体温計を挿入して測ります。所要時間は、1秒程度となります。(製品により多少の差があります)耳で測る体温計は、人間用では犬の体温を正確には測れませんので、ご注意ください。これは、人間と犬の耳の構造が違うためです。
犬の体温計おすすめ5選
iShow-Med 犬用体温計
犬の体温を直腸で測るのが難し過ぎるという方へ、おすすめの体温計です。非接触の赤外線温度計で、外耳道に体温計を向けて測定します。測定時間は、1秒程度で、正確に体温を測定することができます。
価格は6,500円前後、バッテリーが電池式のため、消耗したら交換することができます。測定可能温度が0度〜60度までであり、赤ちゃんや牛乳などの温度も測定することが出来ます。
ペット用デジタル体温計DIGIFLASH
犬の体温はやっぱり直腸で測りたい方、エコノミーなものをお探しの方へおすすめの体温計です。細身で長い先端は、直腸にさし込みやすいようにフレキシブルに動きます。防水加工されているため、水洗いが出来ます。価格が3,000円前後で、10秒程度で測定が可能です。
サーモペット 非接触式 動物用体温計
直腸のみならず、耳に綿棒さえも入れるのを嫌がるワンコをお持ちの飼い主様へおすすめの体温計です。犬を少しおさえて頂き、眼に赤い光を当てるだけで、わずか1秒程度で体温が測定出来ます。
犬への負担が最小限におさえられます。価格は30,000円前後とかなり高価ですが、飲み物の温度計測も可能で、1度〜55度までの測定が可能です。
Pet-Temp ペット用電子耳体温計 PT-300
細菌などが心配な、衛生面重視の方へおすすめの体温計です。先端部分の赤外線を探知するレンズに、使い捨てのカバーを使用しますので衛生的です。耳垢などがついても、毎回交換することで衛生面を保てます。
耳式体温計の人間用を発明したフレーデン博士によって、ペット用に考案された製品です。鼓膜の周辺から出る赤外線を測定し、1秒程度で犬の体温を測ります。
価格は、13,000円前後で、約15,000回使用すること(約5年間)が可能ですが、専用の電池を使用しており、交換が米国でしか出来ないため、送料等が発生しますので、ご注意ください。
ペット用電子耳体温計Vet-Temp VT-150
犬の耳を傷つけるのが心配という方へ、おすすめの体温計です。犬の耳の形状にも色々な物があり、Vet-Tempはその点を重視しています。ペットの外耳道に合うように特別設計されています。
そのためフィット感が高く、深く挿入しても安心です。耳から瞬時に体温を測定します。価格は16,000円と高めで、バッテリーの交換は不可ですが、約15,000回以上の使用が可能です。
体温計で計る前に知っておきたい「犬の平熱」
犬の平熱は、小型犬で38.6〜39.2度、大型犬で37.5度〜38.6度と言われています。39.5度以上となったら発熱の状態で、感染症等の疑いがありますので、獣医師の診断を受けてください。
41度以上になると脱水症状をおこし、命にかかわる危険な状態の可能性があります。早急に獣医師の診断を受けてください。健康な状態の時に、犬の平熱を測り、確認しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?犬の体温計といっても、最近は進化しています。大切なペットが大病になる前に、平常時から熱を測っておくにこしたことはありません。
体調が悪い犬に負担をかけないように、耳での測定タイプを選ぶのか、直腸タイプを選ぶのかは飼い主さん次第ですが、以前は直腸タイプの体温計がメインであったため、選択肢が広がったのはありがたいことですね。
コスト面での違いもありますので、体温計を上手に選び、犬の健康維持に活用してください。