犬の眠りが浅い理由は野生の名残り
犬の眠りが浅い理由は野生の名残りがそのまま残っているためです。現在は人間とともに生活を送りいつ敵に襲われるかわからない状態ではありませんが、野生動物として生きていた頃はこうした状況とは真逆でした。
そのため、少しの物音でもすぐに気付き行動できることで自分自身や仲間を守り、野生という過酷な状況下で生き抜いてきたのです。
そして、その敏感さと俊敏さは人間とともに生活をするようになってからも消えることはなく、結果として足音やドアが開く音などちょっとした音でもすぐに目が覚めてしまうというわけです。
犬の眠りが浅いと寝不足・睡眠不足になる?
危険から身を守るために犬は眠りが浅いのは事実ですが、人間と同じように犬もレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しているため、浅い眠りだけではなく熟睡をしている時間も存在します。
犬が寝ているときに寝言を言っていたり、仰向けになって無防備に寝ている姿を見たことがある飼い主さんも少なくないと思いますが、まさにそうしたときは深い眠りについているときです。
しかし、それでももともと犬は耳がすごく良いので、例え深い眠りについていたとしても人間より俊敏に目を覚ますことができますが、犬は犬のリズムで浅い眠りのノンレム睡眠と深い眠りのレム睡眠を繰り返しているため、野生の名残で眠りが浅いからといって睡眠不足や寝不足を心配する必要はありません。
犬の睡眠時間
犬の睡眠時間は平均12〜15時間と言われていますが、そのうち深い眠りについている時間はわずか2割程度です。つまり、12〜15時間のうち約2時間半〜3時間しか深い眠りにつくことはなく、残りはすべて浅い眠りなため、ちょっとした物音ですぐに目が覚めてしまうのが普通です。
また、子犬や老犬になると成犬よりも睡眠時間が長くなるため、より一層眠りについている時間は長くなります。特に老犬は徐々に耳も遠くなるので、物音に対しても鈍くなり眠り自体は浅くても目覚めにくくなっていきます。
犬の体調不良による寝不足・睡眠不足に注意!
犬は眠り自体は浅くても睡眠時間が長いため、本来なら寝不足や睡眠不足の心配はないのですが、寝たくても眠ることができない場合はそうではありません。
例えば、どこか体に痛みがある場合や強いかゆみに襲われている場合など、どんなに眠たくても安眠することができずすぐに目を覚してしまします。
そして、痛みで鳴いたりかゆみで体を掻きむしったりすることで睡眠時間が削れてしまい、睡眠不足を招くことでストレスもたまり、身も心もしっかり休むことができません。
人間も睡眠不足になると体が辛くなってしまうように、犬もすごく辛い思いをしてしまうので、痛みやかゆみといった安眠を妨げる状態にある場合はその原因をいち早く取り除き、しっかりと睡眠をとることができるようにしましょう。
まとめ
犬は野生のころ突然の襲撃から身を守るために、長時間の浅い眠りで対応し体を休めてきました。そして、それは人間とともに生活をするようになった現在でもなくなることはなく、長時間の睡眠のほとんどを浅い眠りで過ごしています。
これは犬にとって当たり前のことで寝不足・睡眠不足を心配する必要はありません。しかし、眠りたいときに眠ることができるのと、眠りたくても眠ることができないのとでは意味が違ってくるため、もし眠りを妨げているものがあるとしたらその状態を取り除き、健やかに眠れる時間を提供してあげましょう。