犬にも加湿器は必要?
冬は乾燥が大敵だという言葉が様々な場所やメディア内で取り上げられるようになります。その言葉どおり、乾燥を放置しておくと、体が痒くなってしまったり、細菌の増殖によって風邪を引き起こしやすくなってしまう可能性も考えられます。
しかし、これは人間だけではありません。犬も冬は乾燥しやすいため、加湿器を使うことでなるべく乾燥を防ぐように努力する必要があるのです。
冬は暖房器具を使うため乾燥する
まず冬に乾燥しやすい原因として、家の中で暖房器具を使うことが挙げられます。ただでさえ、日本の冬は乾燥しやすい季節と言われていますが、暖房器具を使うことで、より部屋の中が乾燥しやすい状態になるのです。
特に暖房器具の中でも部屋全体を暖めるタイプのヒーターやエアコンなどは、非常に乾燥しやすいです。しかし、部屋全体を暖めておかなければ、愛犬が寒さに耐えられず、風邪を引いてしまう恐れもあります。
したがって、暖房器具を使いながら乾燥を少しでも防ぐためには、加湿器を使用して湿度を上げることが重要なのです。
加湿器を使わなければ風邪の原因に?
加湿器の主な目的は、当たり前ですが使用する部屋の湿度を上げることです。最初にもお話ししたとおり、部屋の湿度を保つことで、乾燥による痒みを軽減する他、細菌の増殖を防ぐ効果も期待できます。
そのため、加湿器を使わずに暖房器具を使っていると、湿度が20%台、あるいは20%を切ってしまう状態になる事も珍しくなく、細菌が増殖しやすい環境ができあがってしまうのです。
そうなると、体内に細菌が入り込み、免疫を低下させてしまうことにも繋がりかねません。免疫力が低下してしまうことで風邪を引き起こしやすくなってしまったり、老犬、子犬の場合は体を弱めてしまうこともあるため、湿度維持は非常に重要です。
冬の適切な温度・湿度は?
では、犬が快適に過ごすために、どのくらいの室温、そして湿度が適切なのでしょうか。まず第一前提として、犬が快適に過ごせる湿度と温度は、人間が快適に過ごせるそれとはまったく異なるということをご理解ください。そのため、「私たちが快適だから愛犬も快適だろう」という考えを持ってはいけません。
まず犬にとって最適な室温は、18℃~22℃と言われています。これは私たち人間とそう変わらないため、一見「問題ない」と感じる事でしょう。しかし、重要な点は22℃を超えてしまうと「暑い」と感じ、息づかいが荒くなることがあるということです。
そのため、冬は寒いから暖かい方が良いという考えから、無闇やたらに暖房器具の温度設定を高くすることは控えましょう。
そして最適な湿度ですが、40~60%とされています。私たちは湿度が高いと「ちょっとむしむしするな」、低いと「乾燥している」という感覚ですが、犬の場合、この湿度を下回ったり上回ったりすることで、体調に異変が生じてしまいます。
冬場は湿度管理をしていなければ、20%台まで下がってしまうことも多いため、加湿器を使用することによってしっかりと湿度を管理しなければ、愛犬にとっての快適な環境作りは叶わないのです。
加湿器を使う際の注意点
最後に加湿器を使う際の注意点をいくつかご紹介します。基本的な注意点と犬ならではの注意点がありますので、どちらもしっかり頭に入れておきましょう。
換気は定期的に行う
まず換気は定期的に行うようにしましょう。「換気をしてしまうと湿度が…」と思われる方もいるかもしれませんが、加湿器や暖房器具を付けっぱなしにしている状態で換気をしないと、部屋の中を悪い空気が充満してしまいます。
これをしっかり外に逃がし、新しい空気を部屋の中に入れ換えなければ、せっかく加湿器を使って風邪予防をしているのに、結果的に体内の免疫力を低下させることに繋がってしまいます。
冬の外気は非常に冷たいため、換気するのは嫌だなと思ってしまいますが、暖房器具や加湿器を使用しているならば、定期的に換気をするよう心がけましょう。
アロマ効果のある加湿器は避けて
最近では、加湿器の種類も多種多様となっておりますが、犬がいるご家庭の場合はアロマ効果のある加湿器はなるべく避けるようにしてください。
アロマの種類によっては犬の体に害をなすものもありますし、アロマを使うときには濃度を守らないと人間にとっても害になることがあります。また、犬は匂いに非常に敏感なため、嫌いな匂いが部屋中に充満してしまうと、それだけで快適な部屋とはほど遠い環境状態となってしまうのです。したがって、アロマ効果のない、無臭の加湿器を選ぶことを推奨します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したように、加湿器は非常に重要な冬の必需品です。「自分が大丈夫だから」と渋らず、愛犬のことを考えて加湿器を1台用意しておくようにしましょう。
加湿器のタンクなどの消毒は定期的に行いましょう。タンク内のカビがミストに混じって室内に散布されると呼吸器などにトラブルを起こすことがありますので要注意です。