犬が急に痩せてしまったら
愛犬の体重の変化は健康の変化でもあります。食生活や生活習慣、生活環境などに大きな変化があったわけではなく、急激に痩せてしまった場合、何等かの病気が関係しているのではないかと疑うことができます。
- 食欲に変化はありませんか?
- お散歩や運動はいつも通り行うことができていますか?
- お水を飲む量に変化はありませんか?
この3つをチェックするだけでも何が原因であるかを検討することができます。
食欲がなく、急に痩せてしまった場合に疑いのある病気について
食欲がなく、ほとんどごはんを食べることができない。当然、痩せてしまいますよね。
食欲がなく、急に痩せてしまった場合、慢性的な病気を発症しているのではないかということが考えられます。
口内炎
口腔粘膜への刺激・ウイルス感染・細菌などが原因となり、自己免疫疾患を引き起こすことで口内炎が起きてしまいます。食欲がなくなること以外には、ヨダレが多く出る、口周りに触れられることを嫌がるようになる、などの症状がみられることがあります。強い痛みがある場合には、鳴き続けたり、暴れたりすることもあります。
歯周病
歯周病にかかってしまっている犬は、食欲がなくなるだけではなく、口臭がとてもきつくなります。歯周病の原因はプラーク(歯垢)であり、私たち人間と同じように、毎日の歯磨きで予防することができます。
歯肉が腫れたり、出血したり、歯がグラつくなどの症状がある場合、ドライフードなどの硬い食べ物を食べることができなくなってしまったり、痛みから食べることを嫌がるようになってしまいます。そのまま放っておくと、歯が抜け落ちてしまったり、顎の骨まで溶かしてしまったりなどとても危険です。
心不全
心臓の機能が低下してしまうと、カラダに十分な血液や栄養を送ることができなくなってしまいます。不整脈を起こしてしまう可能性も高いです。
膀胱炎
細菌感染によって膀胱炎になる犬はとても多いです。頻尿になってしまい、排尿時の痛みから鳴く犬もいます。痛みによって食欲が低下し、元気が無くなってしまうことがあります。
肝炎
肝臓は、分解・解毒・合成・造血などの働きを担う、生命維持に欠かせない機能を持った臓器です。肝臓の細胞に炎症が起きていることや、細胞の多くが失われてしまった状態を肝炎と言います。食欲がなくなる、嘔吐する、元気がなくなるなどの症状がみられます。
食欲があり、急に痩せてしまった場合に疑いのある病気について
食生活に変化はなく、食欲もあり、しっかり食べているにも関わらず痩せてきてしまうことがあります。下記のような病気に該当していないかチェックしてみてください。
糖尿病
肥満・運動不足・食べ過ぎなどが原因となり発症してしまう病気です。糖尿病を発症している場合、大量の水を飲むようになることが多いです。食欲がありますが、食べても食べても痩せていってしまいます。
寄生虫
寄生虫はカラダの至る場所に寄生しますが、消化器内に寄生してしまった場合、栄養素が吸収されてしまうため、痩せてしまうことがあります。
ストレス
食生活に変化はないが、生活環境に変化があった場合など、ストレスによって痩せてしまう犬がいます。また、ストレスによって胃潰瘍を発症してしまった場合、胃粘膜の防御構成がバランスを崩し、胃粘膜や筋層が破壊され、出血や腹膜炎を起こる可能性もあります。
甲状腺機能亢進症
ホルモン疾患のひとつですが、甲状腺に腫瘍ができてしまう病気です。痩せてしまう、眼球の突出、大量の水を飲む、などの症状がみられます。
まとめ
適切な食生活と生活習慣を送らせてあげること、定期的な健康診断を受けさせてあげること、少しでも異常がみられたらすぐに病院を受診すること、体重が大幅に減少するまで放っておかないこと、などが良い対策になるのではないでしょうか。