アルビノ種の犬が生まれる経緯
アルビノは野性でも自然に生まれてくることもありますが、近年ではその美しい見た目から、故意にブリーディングされることもあります。古代のエジプトなどでもそうですが、元々は珍しいということもあってか、歴史の中では神の使いなどとして神格化されたこともありました。
しかしアルビノは元々、身体が弱い面があったり、犬の場合だと高確率で視聴覚に障害がある個体が産まれたり、内臓疾患、色素がないため皮膚ガンになりやすいなどの、リスクを持ち合わせています。
これは特に、犬の場合は神経細胞の生成が色素と大きく関わっていることが理由で、色素がないことは母親の胎内にいる時の目や耳の形成に影響を及ぼすとされています。このため犬のアルビノは、高い確率で目や耳に問題を抱えてしまうことが多いのです。
アルビノは見た目が美しいからといって、本来、ブリーディングなどにより人為的に作り出すべきではないのです。また、このようなケースでなくても、アルビノが生まれやすい犬種があり、例えばダックスフンド、ドーベルマン、ダルメシアンなどは、両親によってはアルビノ種が誕生しやすい特徴があります。
アルビノの犬を飼う際の注意点
このようにブリーディングなどでアルビノを人為的に誕生させることには、様々な問題がありますが、場合によっては飼っている犬同士からアルビノ種が誕生したり、もしくは引き取ったりすることなどもあるでしょう。
その場合、色素を持つ他の犬達とは違う、気をつけるべき点があるので知っておいた方がいいでしょう。例えばアルビノは、視聴覚の障害が際立っていない場合でも色素がないため、非常に太陽の紫外線などに弱いという特徴を持っています。
そのため、アルビノの犬の場合、日中の散歩は避け、夜間に連れ出してあげる、普段でも日差しが強い時は犬用のサングラスをさせるなどの対策をしてあげることが必要です。
また、身体が弱いところがあるので定期的な健康診断が欠かせません。飼う場所も日差しなどにさらされない室内外が基本です。もしアルビノの犬が産まれたり、もしくはどこかからもらい受けたりした場合は、これらのことに気をつけて飼ってあげましょう。
アルビノと白変種の違い
白変種についてですが、こちらは体毛や羽毛など全身が白い色をしてはいるものの、色素を作り出す遺伝子に問題がなく、身体が単に白化した生物のことを言います。有名なホワイトライオンやホワイトタイガーはこの白変種であることが多いようです。
一方、アルビノは同じ白い色でも生まれつき色素を作り出すメラニンが生成できず、色が白くなっている状態のことを言います。(まれにアルビノでも色素が一部残り、身体に斑などがある個体もいます)
有名なアルビノの動物だと、山口県岩国市の白蛇がいます。これは大変珍しい、自然繁殖したアルビノの生き物で、地元の人によって保護されています。通常アルビノはとても目立つ見た目をしているため、野生ではいち早く獲物となってしまうのです。
白変種は一説によると、氷河期などを経て進化してきた過程で、雪景色などに身を隠すために環境に適応し、白くなったのではないかと言われています。それに対してアルビノは遺伝子に色素を作る情報がない、先天的な疾患となります。
両者を見分ける方法としては、白変種の動物が目や鼻などに黒い色などが残っているのに対し、アルビノ種は鼻、口周り、アイラインなどがピンク色をしていたり、目の網膜が赤い色、もしくは非常に薄い色をしていたりするのが特徴です。
まとめ
いかがでしたか?アルビノについて、実は知らないことが多くありましたね。このような動物は正しい知識を持ち、美しいからといった理由だけで繁殖が行われないように、個々人が意識したいものです。また、もしアルビノの犬をもらい受けたら、上記のことに気をつけて大切に飼育してあげてくださいね。
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女性 ウミネコ