犬を飼育する上で発生するよくあるトラブルとして「犬の鳴き声」や「犬の臭い」があげられます。中でも鳴き声などの犬が発する音は飼い主以外には「騒音」となり、生活環境を脅かす大きなトラブル原因となってしまいます。今回はそんな「犬の騒音」について考えてみましょう。
犬の騒音対策でまず見直したいこと
まず初めに考えたいのが、犬が近所の迷惑になるほど「吠えている」という状況についてです。野生で犬が暮らす場合、吠えることは本能でもあるため問題とはなりません。しかし、犬が人間社会で暮らす以上、本能だとしてもやめさせなければならないことがあります。その一つが「吠えること」です。
人間にとっては「無駄吠え」だとしても、犬にとっては何か理由があって吠えており、無駄吠えなんてものはないのです。そのため、なぜ吠えているのかを考える必要があります。そして、飼い主の責任として吠えないように「しつけ」をする必要があります。吠えるのは犬が悪いのではなく、飼い主が悪いのです。まずはそれを理解したうえで、対策をしていきましょう。
どのタイミングで愛犬が吠えているか確認する
まずはどのタイミングで吠えているのかを認識する必要があります。普段、飼い主さんがいる時は一切吠えない場合、「留守番している環境」に問題がある可能性があります。
- 吠える対象が別の部屋や近所にいないか
- 留守番ケージの環境に問題はないか
例えば別の部屋や近所に犬が吠える対象(猫や他の動物)がいる場合、犬は落ち着かずに吠えているかもしれません。また、留守番しているケージの中はどのような配置でしょうか。寝床とトイレが近すぎる場合や、ケージのサイズが合っていない場合も落ち着かずに吠えている可能性があります。留守番中にのみ吠える場合、これらの犬の留守番環境を見直してみてください。
これらの物理的な留守番環境に問題がない場合、「飼い主さんの不在による不安」で吠えている可能性があります。「分離不安症」と呼ばれる状態です。この場合、まずは飼い主さんと信頼関係を作り、一人にさせることの不安を取り除いてあげる必要があります。一人になっても信頼できる飼い主さんが帰ってくることが分かれば、不安になることはありません。信頼関係を一から作り直す必要がありますが、犬にとっても分離不安は好ましい状態ではないため、甘やかすだけでなく、根気強く関係性を築きましょう。
なお、留守中の環境を確認するには、ビデオ撮影をすることが一番です。鳴き始める時間帯や方向、傾向などを探り、何が原因となっているのかを確認してあげてください。思わぬことが原因でストレスがかかっている可能性もあります。
犬の騒音対策3選
音をできるだけ多く反射させて音を遮る必要があります。
考え直したいことをご紹介しましたが、ご近所からの苦情に繋がってしまったら悠長なことは言ってられないかもしれません。しつけが済むまで待ってもらうことは簡単ではないでしょう。そのため、犬の留守番環境を見直すことと同時進行で、やはり対策が必要になります。
犬の騒音対策①防音カーテン
小さな犬の鳴き声であれば、防音カーテンが音を和らげてくれる可能性があります。空気の振動によって発生する「音」を遮音するには、それなりに分厚い物質が必要です。そのため防音カーテンを使用する場合には「防音レースカーテン」「防音カーテンライナー」「防音カーテン」といったように、何重にも重ねる必要がありそうです。部屋中の窓に同じようにカーテンをした場合、部屋が真っ暗になってしまうため、犬の飼育環境に好ましいとは言えないかもしれませんね。
犬の騒音対策②遮音・防音シート
工事の際や楽器の音がする部屋に使用されるのが壁に貼る遮音シートや防音シートです。これらのシートは部屋の壁に貼ることで、音を反射させ、遮る効果があるのだそう。全面的なリフォームが必要になりますが、普段から生活音が気になる場合などは導入を検討してみてもいいかもしれません。
犬の騒音対策③防音ケージ・ケージカバー
防音対策が施されているケージやケージカバーがあります。留守中にケージに入れている場合は、検討してみてもいいかもしれません。防音ケージのサイズが小さかったり、暗かったりすることで犬に更にストレスがかかって吠えてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
騒音対策として、防音効果のあるグッズをご紹介しました。しかし、やはりまずは「愛犬がどうして吠えるのか」といった原因をしっかりと探ることが必要です。決して道具だけに頼らずに、愛犬と向き合って対策を考えましょう。
また、苦情に発展してしまうと、なかなか理解いただけないかもしれませんが、ご近所の方には状況をきちんと説明し、決して放置しているわけではないことを説明しましょう。犬の生活環境を整えることも飼い主さんの責任です。周りへの迷惑についても日頃から考えるようにしたいものですね。