共働きの問題点…犬は長時間留守番できるの?
共働きで犬を飼う時に問題になるのが「犬に長時間の留守番をさせる」ことだと思います。
では、「何時間なら犬をひとりにさせておけるのか」というと、明確に”何時間なら大丈夫”という答えはなく、”犬による”という答えになります。
例えば子犬のうちは消化器官が未発達のため、ご飯を与える回数も1日3~5回と定期的に与える必要がありますし、老犬も運動量の減少に応じて回数や量のコントロールが必要です。しかし成犬であれば朝と晩の2回だけという場合がほとんどだと思います。
犬が留守番することに慣れているかどうか、留守番できる性格かどうか、などによっても変わってきます。そのため「犬が留守番できるかどうか」というと「子犬や老犬はごく短時間」、「成犬は訓練次第で数時間」であれば可能といえます。
犬を留守番させることで発生する問題と対策
成犬であれば訓練次第で留守番が可能であるとお伝えしましたが、実際に留守番させた場合に発生する問題と対策について考えてみましょう。
1.分離不安への対策
犬が飼い主と離れることで、過度な不安状態となり問題行動を引き起こす状態を「分離不安」と呼びます。犬が分離不安になってしまうと「破壊行動」「自傷行為」「過剰な吠え」「トイレ以外での排泄」といった問題行動が見られます。
留守番をさせることでこの分離不安を発症させてしまう可能性がありますが、分離不安になる理由としては一般的には以下があげられます。
- 社会化不足
- 飼い主の過度の愛情
- 留守番中のトラウマ
- 過剰なしつけ
- 血統
- 健康に問題
飼い主が犬を過度に甘やかしている場合、犬はひとりにされた時に反動で不安が押し寄せます。過剰なしつけをしている場合も、飼い主さんがいなくなった途端に何をしたらいいのかが分からなくなり、分離不安を発症することがあります。
また、生後3か月の社会化期において極端に社会と接する機会が少なかった場合も、飼い主への依存心を高めます。もしくは、留守中に大きな地震や雷、事故や病気になどでトラウマを抱えた場合も分離不安になる可能性があります。
これらの対策としては「しつけ方法の見直し」「愛犬との距離感の見直し」など、飼い主が接し方を工夫する必要があります。「飼い主がいなくても犬が”心から安心”できる環境」を構築してあげましょう。
2.体調不良への対策
毎年、夏場の暑い時間に暑さ対策を十分にしておらず、留守中に愛犬を熱中症で亡くしてしまうといった悲しい事故が発生しています。それ以外にも、飼い主の留守中には愛犬に起こる様々な体調変化に気付くことができません。
これらの問題には「犬」という「動物の生態」に合わせて、事前に十分な生活環境を用意することで防げることもあります。リスク対策の視点をしっかりと持ちましょう。
3.事故や怪我への対策
体調不良以外にも、飼い主の目が届かない場所では事故や怪我への十分な配慮が必要です。
においが付いたごみ箱のごみや、床に落ちていた髪ゴムや紐、子どものおもちゃ等を誤飲。最悪の場合は開腹手術などの事態となることもあります。犬が動き回ることで家具が転倒して怪我を負ったり、高い場所から飛び降りて骨折など、怪我のリスクも高まります。
体調不良への対策と同様に飼い主は「危険物になる可能性があるもの」への事前対策を十分に行う必要があります。
4.暇への対策
犬は本来、群れで社会性を持って生活する動物です。人間と過ごすようになってからも、人間から「役割」を与えられ、人間と「触れ合う」ことで生活してきました。
ひとりで小さなゲージに何時間も閉じ込められるといった環境は、犬の本来の姿ではないどころか大きなストレスになります。
留守の時間はお気に入りのおもちゃを与えたり、ある程度ひとりで歩き回れる範囲を作ったり、「犬に暇を感じさせない工夫」をしてあげましょう。(もちろん安全には配慮しましょう)
まとめ
犬を飼う場合は「10年以上共に暮らす覚悟」が必要です。安易に犬を飼う前に「共働きでも飼えるのか?」といった疑問を持つことはとても大事なことだと思います。
必ずしも長い時間一緒にいることが正解ではありませんし、飼い主さんと愛犬それぞれの形に合った関係性を築いていってくださいね。
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女性 おさけ
40代 女性 くっきー