愛犬のストレスチェック
私たち人間の場合、自覚しているストレスだけではなく、意外と自覚しにくいストレスが蓄積されていることも多く、それが体調不良の原因になっていることもよくあるそうです。
人間ですらそうなのだから、わんちゃん達がどんなストレスを貯めているのかを把握するのはさらに難しいと言えるでしょう。
そんな愛犬達に普段どんなストレスが掛かっているのか、この機会にチェックしてみましょう。
チェック1:愛犬の食事は適切な量ですか?
愛犬が食べない、または太り過ぎているという点については飼い主さん自身が様々に悩み、トライされている事項かと思います。
特に後者については、犬にも満腹中枢はあるのですが、本能もあり満腹でも食べたがりますから、「適量」(容量)はわからなくなりがちですね。
幼い頃は1日2食では食間が長過ぎる傾向もありますし、シニア世代ならば、カロリーは落としてあげないといけない場合もあります。
世代・犬種・個性に合わせて、食事と間食の量・質がコントロールできているかどうか、見直してあげましょう。
チェック2:睡眠は足りていますか?
犬は、元気な成犬でも、1日あたり12時間〜15時間ぐらいを睡眠時間として当てるぐらいがちょうどいいとされており、パピー(幼犬)やシニア犬はもう少し長くてもいいぐらいです。
「え?そんなに?」と感じられるかもしれませんが、これには人間と犬の睡眠のメカニズムの違いが関係しています。
睡眠は、レム睡眠(浅い眠り)、ノンレム睡眠(深い眠り)があり、レム睡眠とノンレム睡眠の大きく2つのサイクルで構成されています。
人間の場合は、ノンレム睡眠が8割を占めるのに対して、犬の場合は2割ぐらいですので、しっかり休息するためには、人間よりも遥かに睡眠時間(休息時間)を確保する必要があります。
チェック3:快適な温度下にありますか?
あなたの愛犬が適切な環境の下であるかどうかは、犬種やサイズ、年齢による温度の好みも検討しつつ把握する必要があります。
冬が苦手、夏が苦手、湿度が苦手の度合いは犬種によるものが大きく、その次に個体差を考慮しましょう。
お住まいの地域にもよりますが、日本のバラエティに富んだ四季の、全てを外飼いで快適に感じられる犬種はほとんどといってないでしょう。
空調の管理、ベッドや住まいの工夫で、過保護も問題ですが、四季を感じつつも身体に負担をかけ過ぎない環境であるかどうかを見直してあげましょう。
チェック4:スキンシップは足りていますか?
人間の子供(赤ちゃん)が、信頼のおける身近な大人(主に母親)との愛着関係を元に社会に出て馴染んでいくように、飼い犬として人間社会に参加する愛犬にとっても、飼い主さんとの愛着関係は絶対に必要なものです。
一緒に遊んだり、話しかけたり、身体に触れたりといったスキンシップ行為が時には苦手なワンちゃんもいますが、個性を大事にしながら、時間がかかっても必ずわかってくれると信じて、愛着関係を築いていきましょう。
また、ある程度関係が出来てしまった後も注意!
ついつい、愛犬がいる日々が当たり前になってしまって、愛犬からの「構って欲しい」というメッセージを見落としがちになっていませんか?
ほんの数分でも、愛犬にとっては飼い主さんとのスキンシップの時間は至福の時間です。
チェック5:遊びは充分ですか?
脳内で機能する神経伝達物質のひとつである「エンドルフィン」は多幸感をもたらしてくれます。
"脳内麻薬”の別称で、ご存知の方も多いかもしれませんね。
このエンドルフィンについて簡単に説明すると、脳内にエンドルフィンがぶわっと広がると幸せ〜な気分になるというものですが、犬においては「遊び」の過程で、このエンドルフィンが分泌されていることがわかっています。
飼い主さんと一緒にオモチャで遊ぶ、ドッグランで思いっきり走る、なじみのある公園でお友達であるワンコと遊ぶなど、愛犬の年齢や好みに適した「遊び」の時間をしっかり確保してあげましょう。
チェック6:愛犬の健康チェックは万全ですか?
少々の不調があっても、物を言えず我慢をしてしまうのが犬の習性です。
食欲についてや、うんちやおしっこの回数や状態は把握していますか?
耳や口腔内の汚れ、身体に触れて痛がる部分がないかどうかなど、飼い主の毎日のチェックは愛犬の健康を守るためには欠かせないものです。
また、「これはおかしい!」という事に気づき、動物病院に相談する場合も詳細な記録があると、診断や治療にも大いに役に立つものです。
手書きでもブログでも、飼い主さんの利用したい形で日々の愛犬の健康状態を記録する習慣をつけるのをおすすめです。
チェック7:不快な視覚的情報はありませんか?
犬の目は色の判別が苦手で、青〜黄のスペクトラムで捉えていると言われています。
その一方で、明暗には優れており、人間が感じる真っ暗な夜道でも、犬はほんの少しの光でたくさんの物が見えていたり、また、動体視力も優れているので、動くものにも敏感に反応するのです。
人間社会に存在する人間にとって当たり前の光景が、犬にとっては別の見え方をするのは、これでお分かり頂けるかと思います。
犬種や個体差にもよりますが、慣れてもらわなければならない部分、飼い主さんが「大丈夫だよ」と教えてあげる部分もあるでしょうし、就寝時には避けてあげないといけないものもあります。
犬と人間の視覚の個性の違いを理解した上で、ストレスとならないように環境を整えてあげましょう。
チェック8:不快な聴覚的情報はありませんか?
CDやMP3など、一般的なデジタル音楽の可聴帯域(低い音から高い音の範囲)は、一般的な人間の耳の性能に合わせて、20~20,000ヘルツと設定されています。
それに対して、犬の可聴帯域は40~65,000ヘルツとさて、特に高音や高周波に対して人間よりもずっと敏感です。
金属音が苦手な犬は多いようですが、風船の空気が抜ける音の他、掃除機、雷、ドライヤー、お祭りのお囃子など、ワンちゃんの個性によっても苦手な音があるようです。
全てを除去するのは難しいかもしれませんが、愛犬がどんな種類の音を特に苦手にしているのかを把握して、出来る対応を考えてあげましょう。
チェック9:不快な触覚的情報はありませんか?
柔らかい寝具を好む子、固い床を好む子、風が吹くと興奮する子もいえれば怯える子もいるetc..と犬の触覚に関する好みは個体差によるものが大きいようです。
なるべくなら、愛犬の好みを把握して実現させてあげるのがベストかもしれませんが、人間の手に触れられることや、小型犬の場合、抱っこされるのが苦手だと、動物病院での治療をはじめ、普段の生活にも支障をきたしかねません。
人間の手に過度なストレスを感じさせないようにするには、触らないことよりも信頼できる人間を通して慣れるのがベストです。
もし、あなたの愛犬が人間の手を苦手にしているようならば、すこーしずつ、慣らしていってあげましょう。
チェック10:探索欲求は満たされていますか?
人間も性格や年齢によりますし、犬も個体差により程度の違いはありますが、新しい事や好奇心を刺激される機会は、生きていく中での楽しみや生き甲斐にもつながります。・・と書くと「旅行」というキーワードが頭にチラチラっと浮かぶものですが、そこまで大きなイベントでなくとも、新しいオモチャ、新しい散歩ルート、初めましてのお友達との出会いでもOK!
「いつもと同じ」環境という安心・安定も大切ですが、マンネリ化しないように、愛犬の様子を見ながら、新しい事柄にも触れさせてあげましょう。
チェック11:追跡欲求は満たされていますか?
祖先がオオカミだった犬には、今でも多かれ少なかれ狩猟本能が残っています。
あなたの愛犬がお散歩の時に、猫やイタチ、鳩等の鳥類を追いかけようとする行動も仕方のない側面があります。
しかし、野生動物の本来の姿である食事を得るための狩りではなく、「遊び」の一環として行動している場合もあります。
毎日の遊びの中に、ボールやフリスビー等を用いた持ってこい遊びや、ロープやぬいぐるみをぶん回す遊びを取り入れることで、エネルギーを発散させることができます。
チェック12:去勢・不妊手術を施していますか?
愛犬の飼育・健康管理という視点から、現在の日本では、犬の去勢手術・不妊手術が推奨されている流れがあるのは、飼い主の皆さん、ご存知でいらっしゃるでしょう。
去勢手術・不妊手術を推奨されるにはそれなりの理由がある一方で、人間の都合でしかないのでは?という倫理観の問題、全身麻酔を伴うという危険があるのも事実です。
「なんとなく」「お金がかかるから」去勢手術・不妊手術をしないという選択は、老犬に多い病にかかった時に後悔するでしょうし、世間の流れだけで去勢手術・不妊手術を選択すると、愛犬の血を分けた子どもは望めなくもなります。
去勢手術・不妊手術を愛犬に施すか、施さないか、様々なメリット・デメリットを検討した上で、飼い主さんがしっかり判断を下してあげましょう。
さいごに
このストレスチェックは、いくつ当てはまったらストレスが溜まっているという判断をするものではありませんが、これらの項目をチェックすることで、わんちゃん達が抱えているかもしれないストレスに気づいてあげられるきっかけになれば幸いです。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 播州姫路はる美
その場所(エリア)から離れたがる 又は 犬の視界から届かない部屋の隅に隠れる動作をする傾向があり 飼い主から 離れようと自分から距離を置こうとする。優しく接するのも 1つの案ですが 逆に 冷たい様ですが ここは、見守って構わない様にする事に徹する。何故なら 犬は所詮動物なので 自分で何とか打開策に漕ぎ着けます。飼い主に構ってほしいときは 自分から寄って来たり 抱っこしてあげると 嫌でも飼い主から離れようとしません。なので、犬本来の辛抱強さと 自分で壁を乗り越えようとする姿勢を崩さないように するのも愛情だと思います。そして、壁を乗り越えると 愛犬は何事もなかった様に 平常心を取り戻します。 身体に不快なものが入ってくると 苦しそうに吐き出し 怪我を(単純な傷等)すると自分の舌で消毒し治そうします。犬本来の本能で解決する事で新たに飼い主も新しい発見に繋がると思います。