『人気がある=お手入れが簡単』という事はない
人気の犬種というのは年々移り変わっていますね。
でも人気があるから、かわいいからという理由だけで飼ってしまうと、ちゃんとお世話をすることが出来ず、わんちゃんにとって悲しいことになってしまう可能性もあります。
ここでは見た目や性格だけで無く、犬のお手入れのプロであるトリマー目線で検証する『犬種ごとの必要なお手入れと、手入れがしやすい犬種』を見ていきたいと思います。
人気の犬種とそのお手入れについて
数年前から人気独走中なのがトイ・プードルです。
街でお散歩しているトイ・プードルはよく見かけますよね。
なんといってもプードルの魅力は個性的なカットスタイルを楽しめるということ。
それからカラーバリエーションが豊富なので、自分好きな色を探せる事ではないでしょうか。
ブラック・ブルー・ホワイト・レッド・アプリコット・クリーム・シルバー・ブラウンなど、それぞれ違った魅力があるので、色の違う組み合わせで多頭飼いしている方もいらっしゃいます。
性格も人に従順で賢く、しつけもしやすく飼いやすい犬種です。
大きな特徴として、抜け毛や体臭が少ないという点がありますが、その理由としてはシングルコート(下毛がない)ということがあります。
シングルコートは被毛が一重なので換毛期がありません。
ペットの抜け毛はお掃除が大変になったり、アレルギーの原因にもなるので、抜け毛が少ないのも魅力の一つになりますね。
しかし、トイプードルはトリミング(被毛のカット)が必要な犬種です。
毛の抜けにくい犬種と言っても、トイプードルの毛質は細く柔らかくそしてカーリーヘヤー。
放って置くとチリチリ、クルクルもじゃもじゃヘアーになってしまい、さらには毛玉ができてしまいます。
皆さんが街で見かけたり、テレビで見かけるトイ・プードルちゃんは、綺麗にブローし、トリミングされたお手入れ後の状態なのです。
トイ・プードルは月に一度程度トリミングをしなければ、毛玉ができたり、毛が縺れたり、健康で可愛い形を維持する事はできません。
それなら毎月トリミングに出せば良い!と思うかもしれませんが、でも、犬種別に見ても、トイプードルちゃんのトリミングの料金は安いとは言いえないのです。
トイプードルちゃんのシャンプーコースの料金は平均¥3500~¥5000程度。
カットコース(トリミング)コースの料金は平均¥5500~¥7500程度。
人間の美容室代より高いですね・・・。
普段の生活に必要なエサやシーツ以外に、毎月これだけの出費がかかるのは大変ですよね。
でも高いからと言ってトリミングに出さなかったり、トリミングに出す回数を減らしたりすると、こんどは毛玉ができたり、フケや湿疹お肌のトラブルを起こしたり。
その後慌ててトリミングに連れて行ったら、毛玉処理に追加料金を取られてしまうなんてことも。
そうなのです。トイ・プードルちゃんは性格や性質的には飼いやすい犬種とされていますが、お手入れがとっても大変な犬種でもあるのです。
ぬいぐるみのように可愛い姿は永遠ではなく、トリマーさんの作り出す芸術だったのですね。
そのことを飼って見て初めて知ったという人も多いのではないでしょうか。
お手入れを楽にするために丸刈りにしてしまう飼い主さんもいらっしゃるようですが、それでは体温を調節する毛の意味もありませんし、ふわふわの毛が魅力のプードルちゃんがかわいそうです。
そうならないためにも『プードルが飼いたい!』という方はその後のお手入れの事までお勉強しておきましょう!
ココで一つまとめ
続いて人気犬種、2位3位と登録頭数の多い犬種に、チワワ、ダックスフントがいます。
チワワちゃんダックスちゃんはグルーミング犬種。
グルーミング犬種とは、プードルちゃんのようなトリミング犬種と違い、被毛の長さがある程度限られているので、カットをする必要の無い犬種のことを言います。
グルーミング犬種の良いところは、カットをしなくていい分、お手入れの料金がリーズナブルに済ませることができます。
シャンプーして、抜け毛を取って、爪切り耳掃除、足の裏や足の周りの毛を処理すれば、それでお手入れ完了です!
『やった、それなら簡単!』と思うかもしれませんが、しかし、グルーミング犬種の特徴として、抜け毛が多いということがあげられます。
抜け毛が多い理由
- 毛が短いぶん毛周期(毛の寿命のサイクル)が短いということ。
- 短い毛で温度調節を行うため毛の構造がダブルコート(2層毛)に分かれていること
ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)日差しや雨をよける毛と、アンダーコート(下毛)寒さや体温を守る毛の二層の被毛の事を言います。
この下毛に当たるアンダーコートには換毛期というものがあり、これは人間で言う衣替えと思って頂けるとよくわかるかと思います。
季節の暑さ寒さに対応するため、春夏・秋冬、年に二回大きな毛の生え替わりが訪れます。
そして、この時期の短毛種のワンちゃん達の毛の換え代わりはとっても大変です。
毎日のブラッシングが欠かせなかったり、一緒に生活するお部屋の掃除や、だっこをしたときの洋服に付く毛などにも苦労するでしょう。
これは、4位に続く人気の犬種柴犬ちゃんもにも言えることです。
『じゃぁ、どんな犬を飼ったら良いの?』と思ってしまいますよね。
ペットはフワフワした被毛が可愛いと思う人が多いかもしれませんが、チワワやダックスちゃんの場合スムースコートという種類が存在します。
スムースコートとは被毛がとっても短いシングルコートの毛並み事を言います。
長い毛が無いぶんスッキリとスタイリッシュに見える事や、お手入れが簡単なことから海外ではスムースコートのワンちゃんの方が人気です。
お洋服を着せるのが好きな人も、スムースコートなら毛の縺れや毛玉の心配をする必要がありません。
スムースコートは毛がないぶん、体の変化。肥満、皮膚病、怪我、腫瘍などの早期発見をしやすいと言うこともあります。
ブローをしなくて良いのでお家で手軽にシャンプーをしてあげることも簡単です。
この先、チワワやダックスフントを飼いたい!という方はスムースコートのワンちゃんに目を向けて見るのも良いのではないでしょうか。
寒さにだけ注意してあげればとっても飼いやすい犬種といえます。
これはトリマー目線でおすすめです。
シングルコートの毛並みを持つ犬種として、続いてマルチーズ、ヨークシャーテリア、パピヨン、狆などがいます。
これらの犬種は換毛期が無いので抜け毛の少ない犬種と言えます。
マルチーズとヨークシャーテリアは被毛が長く伸びる為、トリミングが必要な犬種にはなりますが、比較的にストレートな毛質をしているので、ブラッシングがしやすくトリミング犬種の中でもお手入れのしやすい犬種といえるでしょう。
そのためトリミングの料金設定もプードルやシュナウザーより、低く設定されているお店が多いといえます。
毛を伸ばしておしゃれをしたいとお考えの方には、おすすめの犬種といえます。
パピヨンや狆は中毛の長さをキープする犬種で、ひらひらとなびくお耳は可愛いですよね。
これらの犬種も抜け毛は少なく縺れにくいので、簡単な簡単なブラッシングをしてあげていれば、比較的に被毛のトラブルを起こすことは少ないといえるでしょう。
トリマーおすすめ、お手入れしやすい飼いやすい犬種(小型犬)
- スムースコートチワワ
- スムースコートダックス
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
- パピヨン
- 狆
ワンちゃんを飼うとき、お手入れの手間も仕方も犬種によって大きな違いがあります。
新しい家族を迎え入れるとき、見た目や人気だけで選ぶのではなく、普段から必要なお手入れも飼い主さんの重要な義務だということを忘れないでください。
どんな犬種のわんちゃんを迎えたとしても、ちゃんとお手入れをしてあげることを念頭に入れて、家族を選んであげてくださいね(^^)
以上簡単でしたが、お手入れのポイントとして被毛の構造の違いというものを是非参考にしてみてくださいね。
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