遺伝性の病気を知ることも飼い主の役目。DNA検査を受けるメリット

遺伝性の病気を知ることも飼い主の役目。DNA検査を受けるメリット

ワンちゃんにもDNA検査ができることはご存知でしょうか?DNA検査をすることで遺伝病などを知ることができます。今回はDNA検査で知れることをご紹介します!

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

DNA検査とは?

DNA検査

DNA検査とはDNAの情報を読み取り、犬の遺伝子に異常がないかチェックするものです。
発病していなくても遺伝子を調べることで病気の発症のリスクを知ることができます。

DNA検査はここ数年で解析技術が発達し、分析にかかる費用も下がってきました。
血液だけではなく唾液でも調べることができるので、飼い主が簡単に細胞を採取することができます。

検査方法

検査方法は口の中の粘膜細胞を採取するだけの簡単なものです。
頬の内側の粘膜を綿棒でコロコロ転がして採取します。採取するときに痛みを感じることはありませんので、安心して検査を受けることができます。
犬が嫌がって採取できない場合はおやつをあげながら採取することも可能です。

多くの会社では検査を受けるために、検査キットを送ってくれます。そのキットで簡単に採取することができ、採取した細胞を会社に送ることで検査を行ってくれます。
思ったよりも簡単に検査が受けられるようです。

何の目的があるの?

遺伝病を早期発見!

遺伝病とはDNAの変異によって現れる病気のことです。遺伝病は約500種類もあると言われていて、原因がわかっているものはごく一部ということです。
遺伝病を持っていることを知らずに繁殖させると、病気を引き継いだ子犬が生まれる可能性があります。
病気を持ったまま生きていくことを考えると、事前に遺伝病を知り、繁殖を止めるという選択肢も考えられます。

また早期に発見することで、病気に対して進行を遅らせたりする処置ができるかもしれません。
しかし一言に遺伝病と言ってもどのようなものがあるのかパッと思いつかないのではないでしょうか?

こんな遺伝病が!

遺伝病には以下のようなものがあります。

進行性網膜萎縮症

目の網膜が徐々に萎縮する病気です。両目の視力が低下し、最終的には失明してしまいます。
暗い場所や夜に物が見えにくくなり、その後、明るい場所でも見えなくなって視力が低下していきます。
6ヶ月になる前に初期症状が出た場合には1~2年で失明してしまいます。
3〜5歳になって初期症状が出た場合には、6〜9歳で失明してしまう可能性が高いです。

早期に症状が出る犬種としては以下の犬種が挙げられます。

  • ミニチュアシュナウザー
  • コーギー
  • コリー   など

3歳以降になって症状が出ることの多い犬種は以下の犬種です。

  • ミニチュアダックスフンド
  • ミニチュアプードル
  • トイプードル
  • パピヨン
  • ラブラドールレトリーバー  など

遺伝性白内障

白内障とは目の中にある透明な水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。症状が進むと失明することもあります。
遺伝性白内障の場合には生後数ヶ月、もしくは1〜3歳頃に発症すると言われています。
好発犬種以外にも多く発生する病気です。

症状が出やすい犬種は以下の犬種です。

  • ミニチュアシュナウザー
  • ミニチュアプードル
  • ボストンテリア   など

イベルメクチン中毒

フィラリアの予防薬やダニなどの虫を駆除する薬として多く使用されているイベルメクチンですが、ある特定の遺伝子を持つ犬は過剰反応を起こし中毒になってしまうことがあります。
中毒を起こすと、食欲低下や嘔吐、重症になると失神することもあります。

症状が出やすい犬種は以下の犬種です。

  • コリー
  • ジャーマンシェパード
  • オールドイングリッシュシープドッグ   など

犬のルーツを探る

雑種

例えばミックス犬の場合、親がどういった犬種なのか気になることがありますよね。
DNA検査を行うことでその子のルーツを探ることができます。
犬種によっておおまかな性格やしつけの仕方なども変わると思います。その参考にできますね。

例えばミックス犬の子がいるとします。その子の親は柴犬かもしれませんし、ラブラドールレトリーバーかもしれません。見た目だけではなんとなく犬種がわかる程度でしょう。DNA検査を行うと犬種がはっきりとしてきます。

しかしミックス犬同士の場合は(柴犬×ミックス犬)などという表記になることもあります。
それでもその子のルーツがわかるということは、飼い主にとっては嬉しいことではないでしょうか。

どこでできるの?

検査

DNA検査は検査を行う会社があります。
以下の価格はおおまかなものなので、会社によって価格はまちまちですが参考になればと思います。
紹介した会社以外にも検査を行っているところはあるようなので、探してみてください!

Orivet

                       
Orivetの価格表
通常価格 ¥9,200
(1検査)
¥13,300
(2検査)
セット検査価格 ¥17,500
DNA親子検査 ¥9,200
DNA犬種鑑定 ¥12,500

検査は3頭以上から割引があるようです。

詳細はこちらhttp://www.orivet.jp/

株式会社VEQTA

                                                       
株式会社VEQTAの価格表
遺伝性疾患検査 1項目
¥7,500
2項目
¥12,000
3項目
¥17,000
4項目
¥22,000
5項目
¥27,000
親子判定 ¥12,000

詳細はこちらhttp://www.veqta.jp/


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