犬を車に乗せる方法
皆さんはご自身の愛犬を迎えた際、どんな形で迎えましたか?ペットショップ、ブリーダー、保護施設etc。どのような形で迎えたとしても、そこには必ず我が家に来るまでの交通手段というのが存在しますよね。
他にもご自宅に到着するまでの道のりだけではなく、その後の動物病院での送り迎えやどこか遠出する際のペットホテルなどへの道のり。はたまた、どこか一緒にお出かけするために乗せたいと思われる方も様々な場面で犬と車は登場します。
しかし、中には初めて車に乗せられた際、怖い思いをして、その後乗るのを拒否してしまうといったわんちゃんも少なくなく、車に乗せるまで相当時間がかかってしまうなんてことも。
そこで今回は、犬を車に乗せる際にどのようにすればスムーズに乗せることができるのか、また、車に乗る際に気をつけておきたい点や便利グッズなどを紹介します。
クレートに入れる
それではまず、愛犬を車に乗せる際によく使われるクレートに入れる方法を紹介します。
クレートと聞くと狭い空間で薄暗いイメージが強く、窮屈にならないか心配になる飼い主さんもいるかもしれませんが心配はいりません。
実は、犬は猫同様狭くて暗いところがわりと好きで、落ち着ける場所でもあります。クレートに入ること自体に抵抗がないわんちゃんであれば、そこまで考える必要もなく、入れてあげて大丈夫でしょう。
ただし、クレートに入ることを好まないわんちゃんもいます。クレートに入れて犬を車に乗せる前に、家の中で問題なくクレートに入れるようにトレーニングする必要性があります。
トレーニング方法としては、最初はクレート自体に慣れさせてあげることから始め、徐々におやつなどでクレートまで誘導し、クレート内が怖いものでは無いことを教えます。最初の頃は犬の顔だけでもクレートに入ったなら褒めて、その後徐々に体全体が入れられるようにトレーニングしましょう。
クレート内に完全に入ることができれば、あとはクレートごと乗せれば犬を車に乗せることができます。
ドライブボックス、ドライブシートを利用する
次に紹介するのは、ドライブボックスやドライブシートを利用する方法です。
クレートとは違って愛犬の顔を直接確認できたり、助手席に固定してドライブできたりする商品になっています。基本的には、ドライブボックスもドライブシートも、座席上部のヘッドレストなどに固定用のベルトを通して使用します。
ただし、ドライブボックスやシートはあくまで犬専用の座席にするものがほとんどです。クレートのような入れ物というよりも、ちょっとした簡易ペットベッドや座席を汚さないためのシートなので転落や脱走の心配があります。
特に窓の外に興味津々な子や、中型犬や大型犬など車の窓に容易に手が届いてしまうわんちゃんの場合は注意してください。
また、この商品は実際に愛犬自らが車に慣れておく必要もあるので、極端に車を怖がる場合は、エンジンのかかっていない状態から愛犬に慣れてもらうとよいです。その時にドライブボックスにも並行して慣れてもらいましょう。
ペット用シートベルトを利用する
三つ目に紹介するのは、ペット用シートベルトです。こちらは今まで紹介してきた商品とはまた違って、愛犬のハーネスまたは首輪に直接シートベルトとして連結できます。
使用方法は簡単で、愛犬のハーネスまたは、首輪のDカン部分(Dの形をしているカン金具)と、リード状になっている犬用シートベルトのナスカン(ハーネスまたは首輪に取り付ける部分)をつなげた後、シートベルトのバックル部分を車のシートベルトの穴につなげるだけです。
実際に座席と愛犬をつなぐことができるため、飛び出しや脱走の心配は不要ですが、ドライブボックスやドライブシート同様車に慣れておく必要があります。
法律違反にも!犬の車への危険な乗せ方
犬を車に乗せる際、乗せ方によっては危険運転と見なされ、法律違反で停められてしまう可能性も考えられます。では、そういった状況にならないようにするためには、どのような乗せ方に気をつければ良いのでしょうか。
ここからは、考えられる犬の車への危険な乗せ方について紹介するので見ていきましょう。
運転手の膝の上に乗せる
運転手の膝の上に犬を乗せる方法は超小型犬などで時々見かけますが、『運転手の運転の妨げになる行為』と見なされ、道交法55条2項の乗車積載方法違反という法律違反に該当する可能性があります。
そのため、これにもしも該当する行為を飼い主さんがしている場合、反則金として普通乗用車で6,000円、中・大型車で7,000円、違反点数1点となりますので、運転席に一緒に犬を乗せるのはやめましょう。
車内で犬をフリーにする
こちらもよく見かける乗せ方のひとつです。
上記と同じく乗車積載方法違反になる可能性があり、犬をフリーの状態で車に乗せると助手席や後部座席問わず、急ブレーキや急発進による思わぬ事故に愛犬を巻き込んでしまう危険性も。
特に中型犬、大型犬は広いスペースが必要になるため、フリーで乗せたいと思う飼い主さんが多いと思います。
愛犬を車に乗せるなら、ドライブボックスやドライブシートを使用したり、用意が間に合わない場合はリードを着けたりと、飼い主さんが常に愛犬の突然な行動を制御できるような状態で乗せることが大切です。
犬が窓から顔を出す
特に過ぎ行く景色を見るのが好きな犬の場合、窓から顔を出すことがありますがとても危険な行為です。
傍から見ると、わんちゃんが窓の外に顔を出して気持ちよさそうにする姿はなんとも微笑ましい光景に見えますが、これは道交法70条の安全運転義務違反になる可能性が考えられます。
これは車の運転手は、『当該車両等の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び他人に危害を及ぼさない速度と運転方法をしなければならない』の違反となり、反則金は普通乗用車で9,000円、大型車で12,000円、違反点数は2点とされています。
犬が窓から顔を出す行為は事故の危険性もそうですが、サイドミラーなどの妨げになるだけでなく、道交法違反にもつながりかねないので、こうした形で犬を車に乗せるのはやめましょう。
犬を車に乗せる際の注意点
それでは、犬を車に乗せる際の注意点をここからは紹介します。
犬を車に乗せる場合、先程紹介した危険な乗せ方だけではありません。犬を車に乗せた後にも、必要な注意点が存在するので、ひとつひとつ確認していきましょう。
犬が空腹の時、または満腹時のすぐの乗車は控える
犬が空腹時または満腹時に車へ乗せると、犬の体にかかる負担が大きくなり車酔いしやすいです。
車酔いをすると、嘔吐や震え、荒い息遣いなどの症状が見られます。そのため、動物病院での健康診断などの場合を除いては、犬が空腹時または満腹時の乗車は避けましょう。
走行中のドアロック・ウィンドウロックを忘れない
愛犬を車に乗せる際は、走行中のドアロック・ウィンドウロックを忘れないようにしてください。
犬は、次々と移り変わる景色に興味を持つ場合も少なくありません。また、車から顔を出すことで風を感じることが好きな子も少なくないことでしょう。
人間なら走行中に誤って車のドアを開けてしまうことはほとんどありません。しかし犬であれば、窓の押しやすい所にスイッチが付いていれば、誤って開けてしまうこともあります。思わぬ事故につながるため注意が必要です。
犬を車に乗せる際には、ドアロック・ウィンドウロックをかけるように心がけてください。
短時間だからと犬を車に置き去りにしない
こちらも時々見かける光景ですが、犬と一緒に出かけた際に車内での留守番はさせないようにしましょう。
冬場の時期で、短時間の留守番であれば問題ないかもしれませんが、夏場の時期のお留守番は、熱中症の危険性が高まるので必ず避けてください。
しかし冬の時期でも、車の暖房のつけっぱなしでのお留守番は、夏場同様に熱中症の可能性も考えられるので「ちょっとだから」と油断しないでください。
犬をノーリードにしたまま車のドアを開けない
わんちゃんをノーリードの状態で車のドアを開けると、そのまま脱走してしまう危険性があるため注意が必要です。
車の中は基本的に閉鎖的なので、逃げる危険性がないと安心してしまいがちですが、うっかりリードをつけ忘れたままドアを開けてしまうと、愛犬が脱走したり事故に遭ったりなどの危険性が一気に高まります。
そのため、犬を車に乗せる際には必ずリードを付けたまま乗せたり、犬用のシートベルトを使ったりなどの工夫をするようにしましょう。
犬を車に乗せる際に役立つグッズ6選!
それでは、ここからは実際に犬を車に乗せる際に役立つグッズ6選を紹介します。
車酔いなどの心配がない子から、車酔いしやすい子のためのオススメグッズまで紹介するので、愛犬に合ったグッズ選びの参考にしていただければ幸いです。
①ドライブペットソファー/ペット用品 旅行 お出かけ/1年保証
一年中快適に愛犬とのドライブを実現するために従来のマイクロファイバー素材から、スエード素材の生地へと変更を加えたドライブペットソファーです。
夏場の暑い時期はもちろんのこと、冬場でもヒヤッとしない素材のため、一年中快適に使うことができます。また、固定するためのベルトは2箇所存在し、ヘッドレストとシートバック用のベルトがあるので、万が一の急ブレーキなどにも対応しています。
②ドライブペットボックス/折りたたみキャリーバッグ/小型犬 中型犬
続いて紹介するのは、こちらのドライブペットボックスです。先程紹介したソファーとは違い、底の部分にペットシーツを挟め、折りたたみ可能でキャリーバッグとしても活用できる仕様です。
メッシュ屋根も着いているドライブボックスというのは結構珍しく、脱走防止のためのリードも付いているため、とても安心して使用できる商品です。
③ペット用ドライブシート/後部座席用/中型犬 大型犬
ペット用のドライブシートです。140cm×100cmという大型のものですが、後部座席全体をカバーしてくれるので汚れなどにも配慮できるでしょう。
また、値段も比較的安いにもかかわらず、防水加工が施されていて、海などのアウトドアでも安心して乗せられる商品です。
④犬用シートベルト/汎用タイプ/ER-DGSB
続いて紹介するのは、犬用のシートベルトです。ある程度車の中でも自由にさせたい飼い主さんやわんちゃんにおすすめの商品です。
また、こちらの商品はリードの長さ調整も可能なため、愛犬の種類や体格の違いによって変更することができ、かつ、値段も1,000円以内で購入することができるなど、お手ごろなのもうれしいですね。
⑤ペット用サプリメント/『セリーンUM (120錠)』
緊張や興奮でよく車酔いをしてしまいやすい愛犬におすすめのサプリメントです。製造元は動物愛護先進国とも言われるイギリス製で、犬猫の寂しさや不安から来る問題行動の改善などにも役立ちます。
犬の車酔いの主な原因は緊張や乗り慣れない乗り物に対する不安から来るものが多いので、感情を落ち着けたり吐き気などを抑えたりする効果が期待できます。
⑥犬用アロマスプレー/ナチュラルアロマシリーズ/無添加【a0258】
最後に紹介する商品はこちらの犬用アロマスプレーです。車酔いなどで悩む愛犬に作られた車用のものなので、スプレーをよく振ってから愛犬の体にスプレーすると緊張をほぐす効果が期待できます。
また、こちらの商品は無添加使用の体に害がない物になっていて、安心して愛犬にも使用することができる商品です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
犬にとって車という大型の乗り物は基本的になじみもなく、三半規管の弱い子であれば、なかなか慣れずに何度も車酔いをしてしまうわんちゃんも居ることでしょう。
ですが、動物病院へ連れていく際の一番の交通手段は車ということもあるため、できる限り愛犬には車に慣れて欲しいところです。
わんちゃんが「車に乗る=嫌な思い出」という認識を一度持ってしまうと、その後の車でのお出かけが嫌になってしまう子になってしまうことも少なくありません。
愛犬とのお出かけの際は、可能な限り「車に乗る=楽しい思い出」として認識してもらうためにも、酔い止めの薬やサプリメントを予め動物病院で処方してもらうなどの対策を行い、愛犬に楽しいドライブの思い出を作ってあげてください。