愛犬との正しい遊び方とNGポイント
犬は遊びたいという欲求が満たされなかったり、運動不足になったりすると自分なりにストレスを発散させようとします。人に甘噛みしたり、部屋のものを噛んで壊してしまったり...でもそれでは飼い主としては困ってしまいますよね。
そういったストレス行動を防止し、健康的な生活を送るためにも、積極的に全身を使って正しく遊ばせる=正しく運動させてあげましょう!
ついついやってしまいがち...間違った遊び方
犬は4本の足を地面につけている状態が自然です。
後ろ足だけで立つと重心が不安定になり、下半身に無理な力が入ることによって股関節や膝関節を痛める原因になってしまうので注意が必要です。
また、滑りやすい床も同様に、注意が必要です。
地面を四肢で踏ん張ることができないので足腰への負担がかかり、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や関節炎などの原因になってしまいます。
筋肉が未発達な仔犬ではケガを招きやすく、正常な発達を妨げる危険性もあります。
同時に成犬・幼犬ともに椎間板ヘルニアになりやすい犬種(ダックス系やシーズーなど)はさらに気をつけましょう。
そしておもちゃの中綿、ほどいたロープなど...飼い主が知らないうちに誤飲すると、腸閉塞などの原因になり大変危険です。
かといって本物の骨たひづめなど素材の硬いおもちゃやフライングディスクなど、そういったものでは無理をすると歯が折れたり削れたりしてしまいます。
「おもちゃの素材が硬いいから誤飲の心配はないね!」
と放置して遊ばせておくのではなく、別の危険が潜んでいることも忘れないでくださいね。
安全を保つのと同時にお互いに理解度と絆を深めるためにも、おもちゃで遊ぶ際には必ず飼い主の目が届く中で遊ばせましょう。
そして外で一緒に遊ぶ場合、特に開放的に遊ぶことができるドッグランは楽しい場所です。
他の犬と仲良くしようと、不意におやつやおもちゃを出すと犬同士が奪い合いの喧嘩に発展してしまう場合があります。
また、飼い犬が他の犬が苦手な場合もあります。
この場合、当然ですが飼い犬にとってドッグランは恐怖を感じる場所でしかありませんので、何度も連れて行って飼い犬に無理をさせるのではなく、ストレスを重ねる前に行くこと自体を控えるようにしましょう。
愛犬との正しい遊び方
犬と遊んでいる時、どんどんその遊び方がエスカレートしてきて気づけばどちらが遊んでもらっているのかわからない状態に...そんなことはありませんか?
どんな時でもどんな状況でも、主導権は飼い主にあります。
そのことを理解させるためにも、遊びの中でも常に飼い主が主導権を握るようにしましょう。
例えば犬から誘いかけられた場合、その誘いに乗るのではなく誘いを無視します。
遊び自体も必ず飼い主からやめるようにして、犬が飽きるまでやらないようにします。
どんな行動も飼い主から。遊びの中でもこのスタンスがとても大切です。
またおもちゃで遊ぶ場合、単に犬に持ってこさせるのはNGです。
まずは飼い主が犬の届く範囲におもちゃを投げ、とっておいで!などの指示を出してから持ってこさせます。
持ってきたら引っ張りっこなどで遊びますが、この時強く引っ張りすぎないように気をつけましょう。
特にガクンガクンと瞬間的に引っ張るようなことを繰り返すと、犬の頸部にダメージが残ってしまう場合があります。
おもちゃを引っ張られても手を離さないように、持って行かれないようにする程度の力で遊んであげるようにしましょう。
またこの引っ張りっこの最中、意地でも離さなくなったりうなり声をあげることはありませんか?
これは飼い主主導ではなく、完全に犬主導になってしまっていることをあらわします。
これでは家庭内の上下関係が崩れ、飼い主の指示をきかなくなってしまいます。
そうなる前に、あまりにも興奮しで騒々しくなるような状態になってしまったら、まず飼い主側から遊びをストップしてくださいね。
落ち着くまでおもちゃを取り上げ、冷静になるのを待ちましょう。
遊び終わったおもちゃは、必ず飼い主さんの手で犬の届かないところにしまいましょう。
このようにおもちゃを管理することで、遊びの主導権は飼い主にあると覚えさせることができます。
なおおもちゃを口から離さない子の場合には、まずは手の動きを止め、犬が口からおもちゃを離した瞬間に「ちょうだい」の指示を出し覚えさせます。
このくわえたものを離す指示は今後のスキンシップのためにも非常に為になる指示なので、ぜひとも日々の遊びの中で覚えさせていきたいところです。
まとめ
犬のとって遊びは不可欠なものです。
単に楽しみというだけではなく、犬同士で遊ぶことで犬社会のルールを学び、人と遊ぶことで人間との付き合い方を学びます。
犬の自立心を高め、お留守番に慣れさせたりすることのほか、運動不足の解消やストレスの発散といった健康面にも大きな役割を果たしています。
ですが本来狩猟動物である犬は、そもそもの本能として思い切り走る、引きちぎるなど獲物を捕らえるために必要な欲求が残っています。
それらの欲求がエスカレートすると飼い主が困るだけではなく、周囲の人や犬に迷惑をかけてしまったり、何らかの怪我を負わせてしまったり、はたまた自身が怪我をしてしまうことになりかねません。
そういったことを予防するためにも、まずは飼い主が正しい知識を身につけて、正しい遊び方でたくさんのことを遊びながら勉強させてあげましょう。
そうすることで飼い主の気持ちやメッセージも正しく伝わり、きっと犬との絆も深まりますよ。