愛犬と引っ越しする前に「やることリスト」
人間だけでも大変な引っ越しですが、犬を連れての引っ越しは、特に注意を払わなければなりません。犬は、飼い主さんが思いもよらないストレスを感じているものです。愛犬にできるだけ負担をかけないためにも、事前にしておいた方がいいことを紹介します。
- 引っ越しで使うケージに愛犬を慣れさておく
- 愛犬のかかりつけの獣医さんに挨拶に行く
- 引っ越し当日の愛犬の居場所をどうするかを決める
- 引っ越し時の愛犬の移動手段を考えておく
ケージに慣れさせる
引っ越しに移動はつきものです。今まで、お出かけや病院などに連れていく時にケージに入れて移動していた犬は大丈夫なのですが、飼い主さんの膝の上に乗せて移動していて、ケージを知らない犬には、ケージそのものが怖く感じるものです。引っ越し前にケージに慣れさせて「ここが居場所なんだ」と愛犬に教えることが大切です。
ケージに慣れさせるための方法
ケージを購入してきたらまず、ケージのそばで食餌を与えたり、遊んだりして「ケージのそばではいいことがある。」と愛犬に感じてもらうために数日繰り返します。
「ハウス」と言っておやつをポイッとケージに入れて、愛犬に入ってもらいます。そして、ケージに入ったまま、褒めながらおやつを与えます。ケージから出たり入ったりを繰り返します。
ケージの中に入ったら扉を閉めます。最初は数秒から始めましょう。扉をしめたまま、扉の隙間からおやつを与えてすぐに出してあげます。
これも繰り返して行い、徐々に時間を伸ばしていき、最終的には扉を閉めたまま眠ることができるようにします。ケージを「自分の居場所=落ち着く場所」として愛犬が認識できるようにします。
かかりつけの獣医さんに挨拶に行く
愛犬を診ていただいた獣医さんに挨拶をかねて、健康チェックを受けに行きます。今までの既往歴や持病、薬の名前を詳しく聞いておき、引っ越し先の獣医さんに、愛犬の健康管理についてスムーズに説明ができるようにしておきます。
引っ越し先に今の獣医さんの知り合いの獣医さんがいれば、紹介してもらうと引き継ぎがうまくいきますよ。
引っ越し当日の愛犬の居場所をどうするかを決める
引っ越し当日は、引っ越し業者さんなど知らない人が出入りしたり、大きな物を動かしたりするので、大きな音がします。これは犬にとって大変なストレスとなります。
飼い主さんも引っ越しの荷造りに追われ、愛犬にかまってあげられる時間はないと思います。できるだけ引越しの邪魔にならないよう注意しつつ、極力愛犬の視界に飼い主さんが入るよう、愛犬の居場所を決めておきましょう。
知人・友人に預ける
出発までの間、愛犬が慣れている知人や友人に預かってもらうことがベストです。散歩や遊んでもらったりするとストレスが軽減されます。
ペットホテルに預ける。
ペットホテルに預けておいて、出発時に迎えに行きます。一時預かりでも、ペットホテルによっては、他の犬が吠えたりして落ち着いて過ごすことができないことがあります。静かに過ごせるペットホテルをおくことが大切です。
愛犬の移動手段を考える
自家用車での移動
普段からドライブに慣れている愛犬であれば、自家用車でいつも使っているケージに入り、飼い主さんと一緒に移動するのが、一番ストレスのない方法です。車酔いを防ぐため、出発の2時間前にいつもより少な目の食餌を与えます。
車に乗る前にトイレを済ませておきます。車の中では、ケージにシートベルトをかけ、不意な事故に備えます。ケージの隣には飼い主さん(家族)が座り、話しながら移動すると安心します。
飛行機での移動
ケージに入れて、飛行機に乗せることになります。犬の首輪に名前と連絡先の書いたタグをつけておきましょう。この時、ケージの中にはリードは入れません。通常、犬や猫などのペットは貨物室に乗せられます。
貨物室の温度は、客室内と同じように保たれる仕組みになっていますが、外気温などの影響を受けることもあります。ANAでは「ペットらくのりサービス」、JALでは、「ペットとおでかけサービス」があり、出発直前までカウンターで預かってくれます。
また、飛行機に乗る前に「同意書」として、運送中に発生したペットの死傷について、航空会社に対して一切の責任を問わないことにサインする必要があります。料金は飛行区間によって違います。
夏季は、短頭犬種であるフレンチブルドッグやシーズー、パグなどは飛行機には乗せることができません。他の犬種と比べ高温に弱く熱中症や呼吸困難を起こすおそれがあるからです。
ペット専門の引っ越し業者に依頼する
大切な愛犬を荷物の一つとして運ばれるのは飼い主にとって心苦しいものです。当然、愛犬にとってもストレスになります。そこで犬の目線に立ったサービスを提供しているのが、ペット専門の引っ越し業者です。
愛犬を安全・安心に移動させるのは、ペット専門の引っ越し業者に依頼するのが飼い主さんとして一番安心です。動物取扱主任者の資格をもっている業者や、犬のトイレや食餌などに配慮してくれる業者などがあり、車内環境に配慮し、愛犬を引っ越し先の新居まで優しく、安全に運んでくれます。
引っ越し会社のオプションサービスを利用する
引っ越し業者のなかには、愛犬を引っ越し先の新居まで運んでくれるサービスを行っているところがあります。しかし、あくまでも荷物と同じように扱い、愛犬をケージに入れて乗せるだけなので、空調が効いていなかったり、トイレ休憩をさせてくれないなど、引っ越し後に愛犬が体調を崩す可能性があります。
愛犬との引っ越し後に「することリスト」
- 愛犬の登録変更を行う
- 初めての新居での愛犬の行動に気を配る
- いつも以上に脱走・迷子に気をつける
- 愛犬が不安を感じているようなら落ち着くまで近くにいるようにする
- 他の犬の飼い主さんたちと積極的に友だちになる
愛犬の登録変更を行う
引っ越しをしたら、狂犬病の登録の変更も必要です。鑑札を持って保健所か市役所で登録変更の手続きを行いましょう。今まで登録を行っていたところには、新しい登録場所から連絡が行きます。この届出を怠った場合には狂犬病予防法第27条により、20万円以下の罰金に処される場合があるので、忘れないようにしましょう。
初めての新居での愛犬の行動に気を配る
新しい家では、無理に部屋を連れまわすのではなく、リビングなど家族が集まる部屋で家族いっしょに過ごします。犬には「新しい家」というのは分かりません。まずは、自分の居場所であるケージを、飼い主さんの気配を感じられる場所に置き、しばらく様子を見てから出して、今まで使っていた食器で食餌を与えたり、トイレを済ませます。
いつも以上に脱走・迷子に気をつける
前の家に強い執着をもっている犬の場合は、前の家に帰ろうとして、脱走して行方不明になる可能性があります。玄関や戸を開けっ放しにしないように気をつけます。お散歩もはじめのうちは、家の周りを一周するくらいから始めて、徐々に遠くに行くようにします。
愛犬が不安を感じているようなら落ち着くまで近くにいるようにする
家が新しくなっても、食餌や散歩の時間は変えず、生活パターンを今までどおりにし、なるべく愛犬のそばにいてあげましょう。また、不安が強まり、無駄吠えをするかもしれませんが、その時は叱らずに、撫でてあげながらそばにいることで、無駄吠えも減っていきます。
新しい家に引っ越すことで、犬は様々なことに不安を感じているものです。そんな時に頼りになり、安心できるのは飼い主さんの存在です。いつもと変わらず優しい笑顔の飼い主さんに、愛犬の不安やストレスは次第に薄れて行きます。
とはいえ、引っ越し直後は飼い主さんも何かと忙しいことが多いかもしれません。そんな時に役立つのが最近人気が高まってきているペットカメラです。今では留守中に愛犬を見守るだけでなく、「おやつが飛び出す機能」や「愛犬の鳴き声に反応して飼い主さんのスマホに通知を送る機能」など様々な機能が備わっているものがあります。
他の犬の飼い主さんたちと積極的に友だちになる
散歩の途中で出会う他の犬の飼い主さんに積極的に話しかけて、お友達になりましょう。病院やペット関連のお店、ドッグランなど、いろいろ教えてもらい、引っ越してきたばかりの飼い主さん自身の不安を聞いてくれる良いお友達を作ることも大切です。
まとめ
私は愛犬を連れて大阪へ引っ越しをした経験があります。引っ越しといってもドッグトレーナーの資格を取得するために、1ヶ間アパートを借りてトレーニングに通いました。飛行機での移動は愛犬にとって過酷だったようで、運ばれてきた時には震えていました。
アパートに着いて「ここで、一緒に暮らすんだよ。」と言い聞かせ、1時間ほどそばにいて撫でたり、話しかけたりするうちに、ゴロンと横になりリラックスし始めました。その後も落ち着いて、新しい土地での生活を送ることができました。知らない所で頼る人は私しかいないことを理解できたようで、私のことを目で追い、従順な犬へと変化していきました。私と愛犬にとっての引っ越しの経験は信頼関係が深まる出来事となりました。
犬にとって今までの環境がすべて変わってしまう引っ越しという出来事は、大きな試練といえるでしょう。しかし、飼い主さんと愛犬が一緒に超えた試練ですので、飼い主さんと愛犬との絆がさらに深まることになります。
ユーザーのコメント
30代 女性 ミニー
40代 女性 TIKI
女性 Irisalice
発作はてんかんで本当に心配でした。大きな荷物や知らない人の出入りがどんなにかストレスになっていたかと思って犬に謝りましたよ。
犬のために、空輸、貨物扱い、長時間のひとりぼっちは避けたいです。業者の見極めは、こう言う記事をコツコツ読んで、そして、時間がかかってもできるだけ一緒に移動したいですね。
20代 女性 芽衣子
10代 女性 のんのん
女性 colo
行き慣れない土地でもよく眠る愛犬なので、引っ越しをして土地が変わってもあまりストレスを感じない子なのかもしれません。
うちではどんなことがあっても、愛犬は自分で連れて移動したいと思います。人に預けることはやはり不安です。飛行機もそうですが、生き物でも荷物扱いになってしまいます。貨物室は空調ですら快適とは言えません。実際に空港で働いていた知人に聞いた話ですが、鼻の短い犬種を飛行機の貨物室に乗せたところ、到着した時には亡くなっていたという事例があったそうです。嘔吐した跡もあり、ひとりでとても苦しんだのではないかと思われていました。それを聞いてしまうと怖くて愛犬をひとりにできません。
引っ越しをするとなると、それまでの動物病院も変わってしまうんですよね。これは失念していました。今の動物病院はやっと見つけた信頼できる所なので、病院が変わるということは飼い主にとってもかなりの不安とストレスになってしまいます。もしこの先引っ越すことがあった場合は今までの動物病院の獣医さんに、その土地に知り合いやツテがないか確認したいと思います。
女性 チイ
女性 コロ
旅行で知らないところに泊まる時もそわそわして落ち着かないので、環境が変わるというのはすごくストレスがかかることだと思います。いざ引っ越しとなった時、愛犬のこともおざなりにしないで見てあげないと駄目だなと思いました。
うちの愛犬は鼻ぺちゃなので、遠くても飛行機移動だけは避けたいですね。
女性 ぽち
女性 肉まん