そもそも犬は言葉を理解できる?
犬が反応し、振り向く言葉について知る前に、まずは犬が私たち人間の言葉をどの程度理解できるかということを確認しておきましょう。もちろん犬は人間の言葉を音として聞いているだけで、その意味を知りません。
しかし、人間と一緒に生活をしてくり返し言葉を聞き、その言葉を意味する行動や物を提示されることで関連付けて徐々に理解していくのです。
そのため犬自身に関係がある言葉や日々くり返し耳に入ってくる言葉、特に自分にメリットがあると思われる言葉への理解が進みやすいと考えられています。
犬が振り向く魔法の言葉①犬の名前
犬の言葉に対する理解力についてはここまで解説した通りですが、では具体的にどのような言葉を最も認識しやすく犬は振り向いてくれるのでしょうか?
まず、多くの犬が最も振り向く言葉と言えばやはりその犬の名前でしょう。犬が人の言葉に反応して振り向く行為には「何かいいことが起こるかもしれない」という期待が込められています。多くの飼い主さんは愛犬に何か声をかけるとき、まずその名前を呼んでいます。
「ごはんだよ」「お散歩に行こう」「こっちにおいで」など話しかける際に、意識していなくても最初に名前を呼ぶことが多いと思います。特別な用事がなくても、くつろいでスキンシップを取っているだけでも名前を呼んでなでたり、「かわいいね」と気持ちを伝えたりすることもあります。
つまり、犬は名前を呼ばれたときには「これから自分に関係のあることが起こる」ということを理解しており、しかもその多くが“犬にとってうれしいこと”であることを知っているのです。
ただし、名前を呼んでから叱る、家族間の会話に犬の名前が出るだけで犬には特にアクションを起こさないといったことをくり返していると、次第に名前に反応しなくなることもあります。
名前は犬のしつけやコミュニケーションにおいて、とても重要な鍵となるものなので名前を呼んで叱ったり、名前で呼び呼び寄せてから犬が苦手なこと(爪切りやシャンプーなど)をしないようにしたりと注意してあげてください。
犬が振り向く魔法の言葉②「ごはん」「食べる?」
犬が振り向く言葉と言えば「ごはん」「おやつ」といった食べ物に関する言葉が思い浮かぶと思います。それは多くの犬が食べることが大好きで、犬の行動のごほうびやモチベーションになるからです。
そして、多くの飼い主さんが犬のごはんやおやつを与えるときに「ごはんだよー!」「おやつ食べる?」などの言葉を発しています。そのため、「ごはん」や「おやつ」といった言葉に対して「おいしいもの=いいことがある」と強く印象付けられているのです。
犬が振り向く魔法の言葉③「散歩」
外に出ることが大好きな犬の場合は、「ごはん」や「おやつ」と同様に、「散歩」や「行こう!」といった言葉にもよく反応します。ぐっすり寝ていると思っていたのに、「そろそろ散歩に行こう」などと独り言を言っただけで、がバッと起き上がってうれしそうに駆け寄ってくることも。
そのような様子を見るとやはり犬が反応し、振り向く言葉はその犬が好きなものや喜ぶことであるということがよくわかります。
まとめ
犬が私たち人間の言葉の意味を理解するためには、言葉とそれに関連する物や行動が提示され、それをくり返し聞くことが必要です。そうすることで徐々に言葉の意味を覚えていきますが、その中でも特に犬にとっていいことが起こるときに発せられる言葉に対して強く反応します。
それが「ごはん」「おやつ」「散歩」など犬が喜ぶことを意味する言葉。この言葉を聞くとすぐに反応し、振り返ることでしょう。そして何よりも犬自身の名前は、大好きな飼い主さんが最も多く犬に対して発する言葉です。
飼い主さんとのスキンシップやコミュニケーションのスタートは、いつも犬自身の名前であることが多いでしょう。みなさんの愛犬にもその名前をいい言葉だと思ってもらえるように大切に使ってあげてくださいね。