『屋外犬』より『室内犬』が長生きする?
一昔前までは、日本で犬を飼うご家庭の多くは屋外で飼育していました。その当時は、家族という意識はありながらも、番犬としての役割も強かったからです。
しかし、現在では屋外で飼われる犬よりも、『室内犬』と呼ばれる家の中で飼われる犬の方が圧倒的に多いです。その理由は、「なるべく一緒にいたい」「異常気象だから」など、様々です。
中でも「屋外で飼うより、室内犬の方が長生きするって聞いたから」という声もあります。これは本当なのでしょうか。実は、現在でも「屋外で飼うより『室内犬』の方が長生きする」という説は、医学的に証明されていません。しかし、まったくの嘘というわけでもなさそうです。なぜならば、同じ犬種であっても室内犬の方が長生きする傾向が強いからです。
また、屋外で飼われていた時代よりも、現在では犬の平均寿命が格段に上がっているという点も見過ごせません。もちろん、医療の発達やケア施設の増加なども大きな理由ですが、室内飼いもある程度大きく影響していると考えられています。
『室内犬』が長生きする理由
では、なぜ『室内犬』の方が長生きする傾向があると考えられているのでしょうか。ここではその具体的な理由を挙げていきます。
温度管理ができる
まず、室内飼いと室外飼いの大きな違いは、愛犬が過ごしている場所の温度管理ができるか否かという点です。室内飼いの場合は、エアコンなどで室温調節ができるため、愛犬に適した室温を保つことができます。
一方、屋外で飼っている場合、暑い夏であっても寒い冬であっても、気温の調節をすることはできません。ハウスの中を温める工夫をすることはできますが、室内に比べるとそれも難しいと言えるでしょう。
現在、世界的に異常気象と言われるほど、外での体温調節が難しくなってきています。そのため、一昔前よりも室内飼いと室外飼いの差が出ているとも考えられます。
家族と一緒に過ごすことでストレスが軽減
犬は元々群れで生活していた動物なので、自分が仲間だと認識している相手とは一緒にいたいと思っています。屋外で飼っている場合、基本的に外にいるため、常に家族と触れ合うことはできません。
しかし、室内飼いの場合は、基本的に家族が家にいる間は、同じ空間で一緒に過ごすことができます。そのため、犬の「寂しい」という気持ちから来るストレスを軽減させることができるのです。
ストレスは溜まりすぎると健康にも害を及ぼします。このような理由から、室内飼いの犬の方が精神的にも、健康面でも長生きする傾向があると考えられています。
脱出するリスクが低い
一昔前、外飼いが主流だった日本では、犬が庭から脱走したという話をよく耳にしました。やはり、いくらしっかりリードで繋いでいたとしても、思いがけない力で犬が逃げ出してしまうことはあるのです。
しかし、室内飼いであれば、100%ととは言いきれないものの、脱走してしまうリスクが外飼いよりも格段に低くなります。
脱出してしまうと、無事に帰ってくるケースも多いですが、その一方で事故に遭い亡くなってしまったり、後遺症をもたらしてしまったりするケースも多いです。それにより、外飼いの犬は室内犬よりも寿命が縮みやすいと言われています。
家族と一緒にいることで異変に気付きやすい
先ほど、家族と一緒にいることでストレスが軽減されるという話がありましたが、家族と一緒にいることで、それ以外にもメリットがあります。それは、家族が愛犬の異変に気付きやすいというメリットです。
一緒にいる時間が長い分、異変が生じた際に気付けるタイミングも多くありますし、長く一緒にいることで小さな異変でも違和感として捉えやすい傾向があります。それにより、病院で診察してもらい、病気や怪我を早期発見することに繋がることも多いですよね。
このように、病気や怪我に気付くことで、治療し、延命することが可能になるという点でも、室内飼いの方が長生きする確率が高いと言えます。
まとめ
今回ご紹介した『室内犬』が長生きする理由は、長生きすると言われている理由を挙げたに過ぎません。もちろん、外飼いの犬でも長生きする犬は多くいます。これは、飼い主が愛犬をいかに思い、不安要素に気付けるかという点がポイントになっていると考えられます。
外飼いをしている方は、寒い日や暑い日だけ室内に入れるなど、愛犬がより快適に過ごせる工夫を考えてみてはいかがでしょう。