子犬はいつになったら落ち着くか
プードルからセントバーナードまで犬種を問わず、犬の年の取り方は同じくらいの進み方をします。現在、犬の年齢を人間の年齢に換算すると、小型犬から40キロくらいの大型犬までは1歳でおよそ人間の14才程度といわれており、これより大きな超大型犬でも1歳で人間の12歳程度のようです。そして2歳になると、各犬種ともに人間の20歳から24歳程度といわれるようになり、「大人」の仲間入りとなるわけですね。
犬の年齢を人間の年齢で考えると…
ちょっとここで、人間の年齢に換算した場合に注目してみましょう。
犬の1歳でおよそ人間の12歳~14才となると考えれば、犬にとって1歳はまだまだ子供なのだとわかります。2歳でもまだ成人してちょっとくらいと思えば、なかなか「落ち着き」を求めるのも難しいと思ってしまいます。人間でさえ社会に出てちょっとくらいでは、なかなか大人の落ち着きなんて身につかないものですよね。
ということは、どんな犬でも2歳ころまではやんちゃな子供だと思っていた方がよいようです。しかし、大抵の犬は3歳を過ぎるころには人間でいうアラサーの年代に差し掛かるので、大人としての落ち着きを見せるようになります。
落ち着かない犬の考えられる原因
一般的に3歳ころには犬たちは落ち着いていくものですが、やはり個体差、環境差から4歳5歳になっても落ち着きも見せない犬もいます。8歳を超えれば、さすがに老いて動きは大人しくなってくるようですが、ハイパー気味の子のテンション自体は下がらず、いつまでたっても「落ち着き」は見られません。
「うちの子はいつまでたっても落ち着きがない子なのよ~」なんてお話もちらほら聞きますが、実はこれ、犬の性格の問題ではないのです。「落ち着きがない」犬の行動に関しては犬の性格からくるものではなく、幼少期からのしつけや家庭の環境によるものが大きいといわれています。つまり、しつけやトレーニングの結果なのです。
飼い主との信頼関係が築けていない
飼い主との信頼関係がちゃんと結ばれ、社会化や適切な家庭犬としてのしつけをされている犬の場合、年齢に応じた精神的な発達をすることが一般的です。1~2歳のうちは多少のやんちゃをすることもありますが、イケナイと毅然としつけられたことは守りますし、3歳を過ぎてなお盛んに悪戯をするようなことはありません。
ところが信頼関係が薄く、社会化期を過保護に育てられた犬の場合はわがままになりやすく、ちょっとした刺激にすぐ興奮して、おさまらない犬になってしまうことがあるのです。
小さい子供がいる家庭
また、小さい子供がいる家庭の場合も犬がやんちゃに育ちやすい傾向があるようです。子供特有の甲高い声や、遊びではしゃぐ様子を見て、犬も興奮するんでしょうね。一緒になって遊んでいるうちにやんちゃに拍車がかかったり、テンションを高いまま維持してしまったりする子になっていく傾向があるので、しつけの際は犬に落ち着いた声で対応する方がよいでしょう。
しつけの際の声のトーン
一般に小型犬より大型犬の方が落ち着きがあるといわれることもありますが、これはしつけを行う際にかける声のトーンにも関係があるといわれています。
小型犬の場合、ぬいぐるみ的な外見もあるため、ついつい高いトーンの声で接してしまいがちなのですが、これは犬を興奮させてしまう原因の一つです。悪戯をしたり、はしゃいだりしたときに出す注意の声が高いと、犬は「構ってもらえた」と誤解してしまうことが多く、問題行動を抑制することができません。犬にしつけを行う際は、なるべく落ち着いたトーンで、毅然と対応することが大切なんですね。
まとめ
犬は学習能力も高く、年齢によってちゃんと落ち着きを見せてくれる動物です。子犬のころから過保護に赤ちゃん扱いせず、人間の方が落ち着いた声で毅然としつけを行うことで、ゆっくりですが大人になっていってくれます。ヒトよりうんと早い成長ですから、子犬のころのしつけと社会化をきちんと考えてあげましょう。