犬は飼い主さんからの愛情表現で安心感を得る
愛犬と私たち飼い主は、言葉で語り合うことはできませんが、日々過ごしていく中で多くのコミュニケーションをとり、互いに愛情表現をする関係だと思います。そして、飼い主さんからの愛情をしっかりと感じ受け止めている犬は、飼い主さんを信頼しているので安心感が強く精神的にも落ち着いて過ごすことができているのではないでしょうか。
毎日当たり前に存在する愛犬に対し、つい人間に接するのと同じような行動はとることはありませんか?「犬を擬人化するのは良くない」という意見もありますが、個人的には多少であればしょうがないと思います。多くの飼い主さんは愛犬を本当の「家族」という気持ちで暮らしていると思うので、ついそんな行動が出る時もあると思います。
しかし、犬の持つ性質や気質を無視して、嫌がる接し方をしてはいけません。愛情表現のなかにもいくつかのNG行為があるようです。
犬にやりがちなNG愛情表現4つ
1.ハグをする
人間は相手を抱きしめることで、相手への愛情を表すことがありますよね。大好きな愛犬を毎日抱きしめている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?実はカナダの大学の動物心理学者による研究結果によると、8割以上の犬がハグを苦手とする結果が出ているそうです。
インターネット上でハグされている犬の写真を無作為に選び確認していったところ、ストレスを表すカーミングシグナルを行っている犬が8割以上だったとか。耳が下がっていたり、飼い主さんと目が合わないよう反対側を向いたり、唇をなめるなどストレスを感じていることをボディランゲージで表す犬が非常に多かったそうです。
もちろん全ての犬が嫌がっていたわけではないようですが、写真の中で幸せそうにしていた犬はほんのわずか。愛犬をハグするとき、どんな表情をしているのか確認してみましょう。
2.頭を撫でる
愛犬の頭を撫でるのも、ついやってしまう愛情表現ですよね。「かわいい!」と感じると、自然に頭に手が伸びてしまうほど、日常的に行われている行為かと思います。犬は恐怖心から頭を撫でられることを苦手に感じる子がいます。特に臆病な性格の子はその傾向が強いでしょう。
頭上は犬にとって死角となります。見えない範囲から手が下りてくることを「怖い」と感じてしまうようです。初対面の犬はもちろん、一緒に暮らし始めたばかりで、飼い主さんにまだ慣れていない犬にも特に気をつけてあげましょう。
とは言え、信頼関係が築けている愛犬と飼い主さんの関係性であれば、頭を撫でられて嬉しいと感じる子もいます。基本的に撫でられるのが好きな場所ではないということは頭に入れておいてください。
3.抱っこをしすぎる
可愛らしく甘えるように抱っこを要求されると、つい抱っこしてしまいますよね…。むしろ「喜んで!」という気持ちで、要求に応えてしまうこともあると思います。愛犬を抱っこするのは飼い主さんにとっても至福の時間になると思いますが、甘やかして抱っこのクセをつけてしまうのは、良い行為ではありません。
家の中にいるときも、四六時中抱っこ。散歩のときも犬自身を歩かせることなく抱っこしてしまっては、犬の運動にもなりませんし、要求に応えすぎることで、わがままが増長してしまう可能性もあります。
外出時の抱っこでは、飼い主さんが気づかないうちに、抱っこされている犬を撫でようとした人を噛んでしまうという事故も少なくないようです。スキンシップの一環として、抱っこで愛情を伝えることはもちろん良いことですが、抱っこのクセをつけてしまうほど、いつでも要求に応えてしまうことは愛犬のためにも良くありません。
4.つねに一緒に過ごす
大切な愛犬とは出来る限り多くの時間を共に過ごしたいと感じる飼い主さんが多いですよね。もちろん愛犬のために時間を作り、コミュニケーションをとることは、とても大切なことなのですが、愛犬がひとりで過ごす時間が全くないのは、あまり良いこととは言えません。お留守番することもほとんどなく、寝る時も一緒、どこに行くにもついてくるなどの生活環境は、愛犬の飼い主さんに対する依存心が非常に強くなってしまいます。
依存心が強すぎる犬は精神的な自立ができず、飼い主さんと離れ離れになることに強いストレスや不安を感じてしまいます。なかには、その不安感から分離不安症という病気を発症してしまうケースも。愛犬がひとりで過ごす時間も意識して少し作るようにしましょう。
まとめ
愛犬にはつい人間と接するときと同じような感覚で接してしまうときもあると思います。良かれと思ってやっていることが、愛犬にとっては苦手なこともあるようですね。ただ、ハグをする、頭を撫でるなどの行為は個体差が大きいように思うので、愛犬が嫌がっていないか、その都度確認するのが良いかもしれません。
また、愛しすぎるあまり、要求に応えすぎたり、つねに一緒に過ごすのも考えもの。愛犬のためにも、程よい距離感を保つことも大切です。