理由1:騒音問題に発展する
犬は他のペットと比較すると、音をたてやすい動物であると言えます。吠える声や走り回る音、そして遊んでいるおもちゃの音は、他の住民に対して騒音となる場合が多いです。特に吠える声は、隣や上下の部屋には比較的大きく聞こえてしまうため、騒音問題へと発展しやすいです。
小動物は飼育可能であっても、犬は禁止と規定されている賃貸はまだまだ多いようです。それは、住民全員が快適に暮らせるように運営側が配慮しているため。犬が苦手な人からは生活音にすら嫌悪感を持たれてしまう場合も多く、大家側や不動産側がより多くの住民が快適に暮らせるような規定を作るんですね。
理由2:臭いを消すのが困難
犬だけでなく動物全般を禁止している物件も多いです。それは、動物の臭いが部屋に染み付いてしまうため。躾をきちんとしていても、ワンちゃんが暮らしていると犬の独特な体臭は部屋に染み付いてしまうものです。防臭対策を行っていても限界はありますし、そもそも防臭対策や犬を清潔な環境で飼育しない飼い主も少なくはないようです。
においの問題のせいで、人の出入りが激しい賃貸では動物と暮らしていた人の部屋には、動物が苦手な人は入りたがらない傾向が強いのです。また、ハウスクリーニングの手間も多くなるため、経費削減とより多くのお客さんに部屋を貸したい大家さんの意向から、動物自体を敬遠する賃貸もいまだに多いのです。
理由3:大家が動物が苦手
特に犬は多くの人に好かれる動物ですが、恐怖心を持っている人もたくさんあります。近隣住民だけでなく、大家自身が動物が苦手であるため、動物を物件に入れたくないと強く希望しているケースも多いようです。
犬に恐怖心を抱く人のほとんどに、幼い頃に噛まれたり追い掛けられた経験があります。そのため、同じ建物や自らの所有物に苦手な存在が立ち入ること自体に嫌悪感を示してしまうのです。特に大家が犬に関して苦い経験をしている場合には、その物件に住む動物が苦手な住民の気持ちを優先して、契約条件を決めています。
犬が好きな人や飼い主にとって、動物が苦手という話を聞くだけで理不尽だという気持ちを抱く人も多いでしょう。でも動物が人間に与えたトラウマは、払拭するのに多くの時間を必要とします。
おわりに
犬を賃貸で飼育することはたくさんの条件や制約、そして周辺の住民との関係を考えなければならないので、簡単には実現できないという現状をお伝えしてきました。犬禁止の背景には、住宅をより健全で価値のある状態で残したいという運営側の都合や、集客効果を上げる策略として禁止している物件もあります。
犬がOKで飼い主の提示する条件に合致する物件を探し当てることはとても大変です。犬を飼育している飼い主は窮屈に感じてしまいますが、苦手な人のことも考えると、集合住宅は犬を飼育する環境に適していないのかも知れませんね。一軒家では、賃貸でも比較的動物入居を許している物件が多いです。マンションだけでなく一軒家も条件に組み込んで探すことをおすすめします。
公共の施設では、ペットも以前よりは気軽に入りやすくはなりましたが、生活していく中で、どこにいても犬が苦手な人が一定数いるということを忘れてはいけません。これから犬を飼育する方は、ペット禁止の物件が多い理由を念頭において慎重に考えてみてください。