雪ってどんなもの?
「雪」が冬の寒い日に降ってくる氷の結晶だということは皆さんご存じの通りです。犬が氷の結晶を食べるだけなら問題は起こらないはずですが、実際はそうではありません。
それはなぜでしょうか。まずは雪についてもっと深く知っていきましょう。
雪ができるまで
雪は、空気中の水蒸気が上空で冷やされ、塵を核として結晶化したものです。結晶は、一定の大きさになると地上に落ち始めます。
このとき気温が暖かければ結晶は溶け、雨として降ってきます。気温が低ければ、結晶は更に発達し、みなさんがよく知る雪の結晶として降ってきます。
雪が汚れる原因
雪の結晶が地上に落ちてくるまでに、多少の塵やゴミ、PM2.5のような汚染物質が付着します。ですがこの汚れは、本当に僅かなものです。
雪は地面に降ってから汚れることもあります。積もった雪は時間が経つと、車の排気ガスやゴミなど様々なもので汚染されていきます。
積もり初めは真っ白な雪が、時間が経って灰色~黒く汚れているのを目にしたことがある方も多いでしょう。
雪を食べてしまう2つの注意
雪は白くてキレイに見えますが、案外汚れていることが分かりました。とはいえ、小さな雪の結晶に付着できる汚れは僅かですので、積もりたての雪を少し口にしたとしても汚れが原因で体調を崩すことは稀でしょう。
積もってから時間が経ち、様々な汚れが見た目にも分かるようになった雪では、体調を崩す心配が出てきます。ですが汚れ以外にも雪を口にする場合、気をつけたいことがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.身体を冷やす原因になる
遭難した際に喉が渇いても、雪をそのまま食べてはいけないという話を聞いたことはありますか?これは雪のままで食べてしまうと、その雪が解けるために、1g当たり約80kcalもの熱量を消費してしまうためです。
もちろん雪が解けた後も冷えた水が身体を冷やすことになります。身体が冷えることで、体力を消耗したり、お腹を壊してしまったりということが考えられます。
2.融雪剤が撒かれていることがある
「融雪剤」というものをご存じですか?雪国にお住いの方には馴染み深いものですよね。融雪剤は、その名の通り「雪を融かすため」に用います。
主成分は塩化カルシウムです。塩化カルシウムは、ごく少量(1%程度まで)であれば、豆腐やチーズなどの食品に添加されていることもある物質です。ですが、犬がある程度まとまった量を食べてしまうと、下痢・嘔吐といった消化器症状を起こす恐れがあります。
また、融雪剤が皮膚に触れることで、火傷のような皮膚炎を起こすことがあります。人であっても融雪剤を使用する際には、手袋やマスクをつけ、スコップ等を使って撒くよう注意する必要があります。
犬が注意しなければいけないのは、融雪剤が撒かれた雪の上を、直接肉球で歩いてしまうことです。もし、愛犬が融雪剤の撒かれた雪の上を歩いてしまった場合は、しっかり水洗いして、おかしいと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
塩化カルシウムを主成分とした融雪剤は、白色をしているため、積もった雪と見分けることが難しいです。ですので雪のない道を歩くなどの工夫を行いましょう。
まとめ
犬が雪を食べたときに起こるかもしれないことについて、お分かりいただけましたか?
雪の日のお散歩で、最も気をつけたいのが融雪剤の有無です。では融雪剤が使われていない雪なら食べてしまってもいいのかと言うと、雪の汚れや冷えなどの心配があります。
雪の汚れや冷えは、すぐさま生命に関わるような異常を引き起こすものではありません。ですが、犬が雪を食べてしまった場合、これらが原因で体調を崩すことはないか、十分注意してあげてください。
雪が降っている日の散歩中、ずっと「雪を食べてしまわないか」気にし続けるのは大変です。ですので融雪剤が使われていないような道や、除雪が済んでいる道を選んで歩くことで、そのリスクを減らしましょう。