クレートとは
クレートとは移動時に犬を入れて運ぶための入れ物の事です。全てが囲われた状態になっていて入り口が1~2か所ほどあります。大きさは大型犬用は別として、犬を入れて運ぶのでそれほど大きくはありません。
ちなみに愛犬家の間で有名なバリケンネル(通称バリケン)は、アメリカのペットメイト社の商品名で、使用方法はクレートと同じです。一般的にはプラスチックや布で作られている囲われた入れ物をクレートと呼び、金属で作られた囲われた入れ物をケージ、天井のない入れ物をサークルと呼んでいます。
クレートにはプラスチック製の硬いハードタイプと、布製の柔らかいソフトタイプがあるので、使用環境によって選ぶといいですね。
クレートの必要性
では実際に、毎日の生活の中でどのような場合にクレートが必要になってくるのでしょうか?
電車やバスでの移動の時
電車やバスなどの公共の乗り物を利用する時には、犬はクレートに入れなければなりません。さらに大きさや重量も各公共機関によって細かく規定があるので、それに従います。
一般的には小型犬ほどの大きさで、重量もクレートと愛犬の体重を合わせて10kg未満という所が多いようです。16kgある中型犬の我が家の愛犬は、一般の公共機関の乗り物は利用できないようです。
自家用車で移動の時
自家用車での移動の時には誰に文句を言われるわけでもないので、シートにそのまま座らせます!という飼い主さんも意外と多いですよね?実際に、車の窓から顔を出しているわんちゃんに何度も遭遇したことがありますので、そういう考えの飼い主さんは、たくさんいらっしゃると思います。
またシートに、犬用ベッドのような物を置いて座らせている飼い主さんもいますよね?一見、微笑ましくて可愛らしいのですが、私はおすすめしません。
以前近所の公園の駐車場で、子供が飛び出してきて急ブレーキを踏んだことがあったのですが、幸い我が家の愛犬はクレートの中で、クレートもシートベルトで固定をしてたため、大きなことにはなりませんでした。しかしあの時にそのまま愛犬をシートに乗せていたら、間違いなくシートからは激しく落下して車の内装に激突していたと思います。
車での移動の際は、自分が気を付けていても何が起きるか分かりません。念には念を入れて、愛犬の安全面からもクレートの使用をおすすめします。
犬を連れての旅行の時
最近はペットと泊まれる宿と銘打った旅館やホテルがたくさんあります。これはその宿泊施設によりますが、ロビーや移動時にはクレートの使用を求めているところもあります。そんな時にはやはりクレートはないと困りますね。
トイレトレーニングの時
意外と簡単にトイレのしつけを成功させる秘訣がクレートだったりもします。たとえ子犬でも犬には寝床を汚さないという本能がありますので、クレートを使ってトイレトレーニングを行うと成功回数も増えて結果が出やすいです。
ハウスとして利用
愛犬が家の中で落ち着ける場所があるという事は、私たちにとってもとてもうれしい事ですよね?安心して熟睡したり時にはお気に入りのおもちゃを運び込んでみたり。
常に室内をフリーで動き回っている子たちだったとしても、家の中に自分が落ち着けるハウスという空間がある方が幸せです。今我が家の愛犬も自分のクレートの中でへそ天で眠っています。きっと安心しているのでしょうね。
最適なクレートの選び方
さてクレートの重要性がお分かりいただけたところで、実際に使う時に最適なクレートの選び方ですが、初めに材質を決めましょう。ハードなタイプのプラスチック製か、ソフトなタイプの布製かです。
実は我が家は両方とも持っていたのですが、ソフトなタイプの布製クレートは、我が家の暴れん坊の愛犬(ウェルシュコーギー)が破壊しました。お宅の愛犬が心優しいわんこちゃんなら軽量ですし、商品によっては折りたたむ事も可能なので、布製のソフトクレートもいいかもしれません。
ただしソフトクレートは、飛行機の手荷物としては使えないと聞いたことがあるので、そのあたりはご検討ください。
次はクレートの大きさですが、一般的に頭から入っていき、犬が中でくるりと方向転換できる大きさが最適だと言われています。小さすぎるのはもってのほかですが、大きすぎても中で安定しないのでよくないです。また、大きすぎると寝床としての認識が薄くなり、中で間違って排泄をしてしまう事もあるようです。
我が家も最初は4.7kgのパピーちゃんだったので、その時のサイズで大きさを決めました。今は成長して16kgの成犬なので、それに合わせて購入し直しています。
もっとも、パピーちゃんの頃に使っていた小さなクレートは、当時のカミカミ癖でボロボロになってしまいましたが・・・。子犬の時から今まで、体の大きさに合わせてクレートを選んだので、クレートを使ったトイレトレーニング中を含めて、子犬の頃も今もクレート内での粗相は一度もありません。
クレートトレーニング方法
様々なクレートトレーニング方法がありますが、今回は、我が家の愛犬が行ったトレーニング方法をご紹介します。
1.クレートに誘う
初めに大きめのサークルで囲いクレートを入れてそれ以外の場所にペットシーツを敷き詰めます。わんこを中に入れたらわんこに分かるようにおやつをクレートに放り込みながら「ハウス」のコマンドをかけます。
2.大げさに褒める
わんこがクレートの中に入っておやつが取れたら大げさなくらいに褒めてあげます。褒めながらここで一粒のおやつをあげるのも効果的です。
3.良い事はクレートの中で
ご飯やおやつなどの良い事は常に「ハウス」のコマンドとともにクレートの中で行うようにします。そのたびに大げさに褒める事を繰り返します。
4.扉を閉める
クレートに慣れてハウスのコマンドで中に入るようになってきたら扉を閉めてみます。この時に長持ちするおやつと一緒に扉を閉めると有効でした。長持ちするおやつは、例えばコングにペーストを入れて凍らせると結構持ちます。
5.閉じ込めない
長持ちするおやつを食べている途中で扉を開けてあげます。我が家は扉が開いてもおやつを食べている時には食べ終わるまで出てきませんでした。それを繰り返すと閉じ込められたと感じなくなってくるようです。
6.眠らせる
ある程度クレートに慣れてきたら寝床として使います。遊び終わって排泄したら、おやつとともにクレートに誘います。最初に騒いだとしても、布をかぶせるなどして出さないようにしましょう。
子犬は月齢+1時間が、排せつを我慢できる時間だそうなので、それに合わせて寝かせるようにします。我が家もクレートとトイレトレーニングの時には、月齢を考えて寝かせる時間を決めていました。そのため夜中に私が起きる事はなかったですが、早朝というのは結構ありましたよ。
我が家のわんこのクレートの使い方
我が家の愛犬は、子犬の頃からクレートで眠っていたのでクレートが大好きなようです。お昼寝はその辺に寝転がりますが、しっかりと熟睡したい時には、必ずクレートに入って眠ります。
また安心する場所でもあるようで、雷や大きな地震の時にはクレートに逃げ込みます。私や主人に叱られた時や、同居猫たちから逃れたい時にもクレートに逃げ込んでいます。
さらに主人の会社の事務所にも、自宅と同じクレートが置いてあるのですが、ここでも「ハウス」のコマンドでクレートに入ります。自家用車にもクレートを積んでありまして、そちらももちろん「ハウス」のコマンドで入ります。
我が家のクレートの使い方(番外編)
我が家の愛犬のクレートですが、気が付くと同居猫たちのくつろぎの場所になっていることが良くあります。暴れん坊ですが、とても心が優しいわんこなので、猫たちがクレートを使っていても怒る事も邪魔する事もなく使わせています。
まとめ
クレートは場所も取るし家の中の愛犬にはいらないのではないかと思っている飼い主さんもたくさんいると思います。しかし災害の時や、病気の時などは、必ず必要なので小さな空間にいる事に慣れていないと、それがストレスになってしまいます。
愛犬の安全の面からも考えて、日頃からクレートに慣らしておくことをおすすめします。