犬が早起きになる原因と対処法

犬が早起きになる原因と対処法

愛犬と飼い主さん、どちらが早起きですか?犬があまりにも早起きだと困ることもありますよね。犬が早起きになってしまう原因を4つ考えてみました。対処法についてもご提案しています。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬が早起きになる原因①「トイレをしたい」

子犬とアラーム時計

朝早くに犬がトイレをしたくなる原因は、前夜にトイレをしてから長時間経っているからと病気によってトイレの回数が多くなっているからの2つに大きく分けられます。

朝早くトイレをしたくなるワンちゃんへの対処法

前夜のトイレから長時間経っているせいで犬がもうおしっこを我慢できなくて朝早く起きてしまう場合には、夜寝る前におしっこをさせる時間を遅くしてみましょう。室内でトイレができるワンちゃんであれば、 寝る直前にもトイレシートに誘導し、排泄を促してあげましょう。外へ行かなければ排泄することができない場合は、寝る直前にもトイレに連れて行ってあげると良いと思います。最後にお散歩に行く時間を遅くしてあげることで解決する場合もあるでしょう。室内でのトイレトレーニングができていれば、ワンちゃんが夜中にトイレを我慢したり、早起きして飼い主さんを起こす必要がなくなります。成犬になってからトイレの習慣を変えるのは大変な場合も多いですが、不可能ではありません。夜中や朝早くにトイレをしたがるワンちゃんは、室内でトイレができるようにトレーニングをすることも検討されてみてはいかがでしょうか。

病気によってトイレの回数が多くなっている場合、室内で排泄ができる犬であれば夜中も自由に犬がトイレに行ける環境を整えてあげましょう。置いておくトイレの数を増やしたり、トイレシートのサイズを大きくしたり、厚くて吸収力のあるトイレシートに変えてみると良いでしょう。外でしか排泄をしない犬の場合には、夜、排泄のために外に連れ出してあげる必要が出てくることもあります。

おしっこの回数が多くなる病気には、膀胱炎や糖尿病、副腎皮質機能亢進症などがあります。「おしっこの回数が増えたな」「前は我慢できていた時間も我慢できなくなったな」と思うことがあれば、動物病院を受診して下さい。

下痢をしていたり、お腹の調子が悪い時には、うんちの回数が増えることがあります。

犬が早起きになる原因②「早くお散歩(運動)へ行きたいから」

リードをくわえて待つ犬

毎日のお散歩や運動は十分にさせてあげられているでしょうか。犬はカラダを動かすことが大好きですし、健康的な生活には運動が不可欠です。また、十分に体力を使わせ、心身ともに満足して夜はぐっすり寝てくれることが理想的です。しかし、飼い主さんの帰宅時間が遅くなってしまったり、朝仕事へ行く時間も早いと、お散歩や運動へ行くことができない日もあるかもしれません。そんな日が続くと、早く体を動かしたくてウズウズしたり、昼も夜も退屈してしまい、早起きしてお散歩へ行きたがるようになってしまうかもしれません。

早くお散歩へ行きたがるワンちゃんへの対処法

お散歩や運動を十分にさせてあげられない日には、室内での遊びを取り入れた運動でも構わないので、できるだけカラダを動かせてあげましょう。ボールやおもちゃを使って思いっきり遊んであげてはいかがでしょうか。ワンちゃんがフローリングや床で滑ってしまわないよう対策しながら、室内でカラダを動かし、一緒に楽しみましょう。室内での遊びや運動だけで体力を使い切らせてあげることはなかなか難しいと思いますが、飼い主さんと楽しく遊ぶことは精神的に犬が満足することになります。また、たまにでも良いので、ワンちゃんに合わせて飼い主さんも早起きし、少しでもお散歩や運動の時間を増やしてあげるのも良いと思います。

カラダを動かすだけではなく、脳を使うことも、犬が退屈することを防ぎ、犬が充足感を得られることになります。犬が自分で考えながら遊べるような、知育おもちゃを留守番中に使わせたり、ノーズワークを一緒に楽しむのも良いでしょう。

犬が早起きになる原因③「物音に敏感だから」

窓の外を見る犬の後ろ姿

警戒心が強く、物音に敏感だと、新聞配達の人や自宅の前を通る人の音に反応し、朝早くでも起きて吠えてしまうことがあります。新聞配達の人はだいたい同じ時間に通るでしょうし、朝4時や5時の頃が多いですよね。早起きするだけならまだ良いのですが、人が通る度に吠えてしまうと困りますよね。飼い主さんも目が覚めてしまって困るでしょうし、近所迷惑になるのではないかと不安にもなるでしょう。

早起きして吠えてしまうワンちゃんへの対処法

もともと警戒心が強かったり暇を持て余したりしていて、朝早くだけではなく昼間も物音に敏感なワンちゃんの場合、生活環境を見直したり、様々な物音や状況に慣れるトレーニングをしたり、運動をきちんとして適度に疲れさせることによって、不必要に物音に反応することがないようにしてあげましょう。

また、以前はそうではなかったのに物音に敏感になってしまった場合、何か原因があるはずです。加齢によって視力や聴力が低下し、ちょっとした物音にも敏感になってしまう犬もいます。何か大きな物音で怖い経験をしたことが原因になることもあります。何に吠えてしまうのか、何で吠えるのかを探り、それに合わせて対処する必要があります。

犬が早起きになる原因と対処法④「老化によるもの」

ダックス、白い背景

老犬になると一日の睡眠時間がうんと長くなります。寝ている時間が長くなるだけではなく、昼と夜が逆転し、昼間は寝て、夜は起きているということもあります。生活のリズムが乱れてしまうのです。

生活のリズムが乱れてしまった老犬への対処法

昼と夜が逆転してしまっている場合や夜中に起きてしまう場合は、なるべく昼間は起きて過ごし、夜に寝るという習慣を保つようにしてあげると良い場合があります。お散歩に行けるワンちゃんであれば、無理のない範囲で昼間お散歩に連れて行きましょう。自力で歩くのが難しい場合でも、カートに乗せて外に連れ出してあげるだけでワンちゃんを精神的に活発にしてあげることもできます。老犬の睡眠時間が長くなることは自然なことなのですが、出来る範囲での活動はさせてあげましょう。

認知症となり、夜に起きてしまう、異常な早起き、夜鳴きなどがある場合には、動物病院に相談しましょう。そのような行動の原因となる身体の異常はないかをチェックする必要がありますし、認知症による症状を軽減させられる可能性があるフードやサプリメント、場合によっては薬を使うことについて相談できます。

まとめ

目を閉じて伏せている犬、アラーム時計

早起きして起こされたり、鳴き続けられたり、吠え続けられたりすると困ってしまいますよね。近所でも「朝早くから吠える犬がいる」と問題になったことがありました。意外と身近にある問題なのではないでしょうか。とくに老犬になると早起きになったり、夜中から朝方にかけて夜鳴きをする犬もいます。犬は、人間の生活サイクルに合わせた生活を送ることができる動物です。あまりにも早い時間に起きてしまう場合にはここで紹介したような原因がないか考えてみる必要があると思います。

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