犬の口輪とは?その必要性について
犬の口輪は犬が口を自由に開けられないように一時的に抑えるためのもの。たまに勘違いしている人もいるようですが、口輪をつけたからといって吠え癖や噛み癖が自然に治るというものではありません。口輪をつけると口が開けられないため、呼吸は出来ますが噛んだり吠えたりしにくくなるので一時的にそれらの行動を抑えなければならない時に使用するものです。
他人に触れられることを嫌がる犬が動物病院で治療を受けたり、トリミングサロンなどで必要なケアを行う場合など獣医師やトリマーが噛まれてしまわないように口輪をつけることがあります。また、非常に攻撃性の強い犬などは散歩などで人前に出る時などに万が一の事故をふせぐため口輪をつけておくこともあると思います。
また、口輪の種類にもよりますが口輪をしていても少しは口が開く場合が多いので完全に吠えさせないようにするのはややむずかしいと言われています。少しも吠えることが出来ないほどきつく抑える口輪は犬にとって強いストレスになるため、口輪を外した時に反動で吠えがひどくなる可能性もあるので、吠えのしつけのために口輪を使用するのはおすすめ出来ません。
犬が口輪に感じるストレスについて
犬の口輪は犬に激しい苦痛を与えるものではありませんし、決して「かわいそう」なものではありません。ただしそれは適切な使い方をした場合に限った話で、吠え癖や噛みつきに対して十分なしつけもしていないのに、「ちょっと静かにしていて欲しいから」などの理由で口輪をつけたり、飼い主の安心感のために長時間つけっぱなしにしておくなど間違った使い方をした場合は、犬にとって大きなストレスとなるでしょう。また、間違った使用というのは口輪の故障によるトラブルや犬の健康を害す可能性などもあるのです。口輪の使い方には十分な注意と配慮が必要なため、出来るだけ訓練士や動物ドッグトレーナー、獣医師などにアドバイスを求めながら使用するようにしましょう。
ストレスを軽減する口輪のつけ方
口輪をすることは犬の行動の自由を奪うことになるため、どうしてもストレスを与えることになるでしょう。そのため犬の口輪をつけるのは、人や犬に危害が及ぶ可能性がある場合や犬自身に危険が及ぶ可能性がある場合に限定するなど使用する時間や機会を出来るだけ少なくするようにしてあげましょう。
少しでも口輪によるストレスを減らすために、まず口輪自体にあまり嫌な印象をつけないために無理やり抑えつけてつけないようにすることが大切です。最初に口輪をつける時、不意打ちで強引につけたりすると口輪に対してとても嫌なイメージを持つようになるでしょう。犬はその恐怖や不安で怒り、噛みつきや吠えなどによって口輪を持つ飼い主を威嚇してくるかもしれません。緊急時以外は、口輪の内部におやつを入れて犬自らがマズルを入れるように誘導するなど決して強引に口輪をつけることのないように注意しましょう。
また、口輪をしていると呼吸による体温調節=パンティングがしにくいため、暑さに弱い犬や興奮しやすい犬、短頭種などは長時間口輪をつけないようにするなどの管理も必要です。
犬の口輪によるストレスに関するまとめ
犬の口輪は犬自身を含め、飼い主や周囲の人、他の犬などの安全を守るために欠かせない重要なアイテムですが、むやみやたらに使っていいものではありません。ケガにつながるような噛みつきなどに対応する場合には口輪の使用が適切ですが、吠えさせないためや家の中でいたずらをさせないためなどに口輪をすることは犬にストレスを与えるだけでいい効果は得られないと思います。また、無理に抑えつけて口輪をつけると犬が口輪に対してより強いストレスを感じたり、飼い主さんに対して嫌な感情を持つようになってしまうので口輪をつける際のプロセスも丁寧に行うようにしましょう。