犬も無意識に『楽な姿勢』をしている!?
あなたの愛犬は、くつろいでいるときにどのような姿勢をしていますか?私たち人間がそうであるように、犬もくつろいでいるときは無意識に楽な姿勢を取っているようです。
それが体にとって良い姿勢かどうかは別として、私たちは何かにもたれかかったり、寝そべったり、あぐらをかいたりする姿勢を取ると楽ですよね。では、犬はどうなのでしょうか?一般的に犬にとって『楽な姿勢』と言われているのはどのような姿勢なのか、探ってみました。以下からご紹介していきます。
犬にとっての『楽な姿勢』って?
①横向きに寝る姿勢
4本の足を投げ出すようにして、横向きに寝る姿勢は、犬がリラックスしているときによく見られ、犬にとって楽な姿勢と言われています。この姿勢で眠っているときは、夢を見ることも多いようで、走っているかのように足をバタバタさせたり、寝言のように声を出したりすることがあります。
また、暑いときに、体を冷やすために横向きに寝ることもあります。愛犬がハアハアと荒い息をしながら横向きに寝ているときは、室内の温度を調整するなどして涼しくしてあげましょう。
②何かにあごを乗せて寝る姿勢
愛犬が何かにあごを乗せて寝ている姿をよく見かけませんか?犬は何かにあごを乗せて頭を高くすると、気道が通りやすくなって楽なようです。何かにあごを乗せて眠る愛犬の顔は、とても安らかですよね。
犬はクッション、ソファのひじ掛け、ぬいぐるみ、おもちゃ、飼い主さんの腕や膝など、いろいろなものにあごを乗せますが、犬用のあご乗せ枕や、縁があごを乗せやすい高さになっている犬用ベッドも市販されています。
③フセの姿勢
お腹を地面や床につけたフセの姿勢も、犬にとって楽な姿勢と言われています。4本の足の裏を全て接地させたスフィンクスのようなフセよりも、横座りのように後ろの足を横に崩したフセのほうが、より楽な姿勢であるようです。
中には、カエルの足のように後ろ足をぱかっと開くフセのほうが楽、という犬もいます。愛犬の股関節が大丈夫か心配になる飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、立ち上がるときにすっと立てて、歩き方にも異常が見られなければ問題ないようです。
楽な姿勢に見えるけれど…横座りには注意
後ろ足を横に崩した横座り(お姉さん座り)の姿勢は、楽そうに見えますよね。愛犬がたまに横座りをする、左右どちらでも横座りをするというのであれば、おそらく横座りが楽な姿勢なのでしょう。
しかし、必ず左右のどちらか同じ方向に横座りをしている、オスワリをするといつも横座りになっているという場合は、股関節のはまりが浅く、炎症や脱臼を起こす股関節形成不全や、後ろ足の膝のお皿(膝蓋骨)がずれる膝蓋骨脱臼などの病気である可能性があります。
股関節形成不全は大型犬や超大型犬に多い病気で、腰を振って歩く、後ろ足を引きずる、立ち上がるのに時間がかかるといった症状が見られます。膝蓋骨脱臼は小型犬がなりやすく、時々スキップするように後ろの片足を上げたり、曲げ伸ばししたりするなどの症状が見られたら要注意です。股関節形成不全や膝蓋骨脱臼が疑われる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬にとっての『楽な姿勢』を3つご紹介しましたが、ご紹介した以外にも犬それぞれに楽な姿勢があるかと思います。人も犬もわざわざ痛い姿勢やきつい姿勢は取らないので、くつろいでいるときに何気なくしている姿勢が、その犬にとっての楽な姿勢なのでしょう。たとえ、それが飼い主さんにはつらそうな姿勢に見えても、立ち上がり方や歩き方に異常がないならば、そんなに心配しなくても大丈夫なようです。
とは言え、楽そうに見える姿勢が病気のサインであることもありますので、これまでしなかった姿勢をよくするようになったり、すっと立ち上がれなかったり、歩き方に異変が見られたりするような場合は、獣医師に相談を。