犬は朝型?夜型?
私たち人間は、基本的に朝型(昼型)の生活を送っていますが、中にはお仕事の関係上、夜に活動する夜型の人も多くいます。
では、私たちとふだんから共に過ごしている愛犬たちは、実際のところ、朝型と夜型ではどちらなのでしょうか。
今は飼い主のスタイルに合わせる形が多い
まずは、現代の犬の活動時間から見ていきましょう。
現代の犬の活動時間は、多くが朝型(昼型)です。朝に起きて主に昼間に活動し、夜になると寝るというスタイルが多いです。
「うちの子もそのスタイル」というご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、これは各ご家庭によって違います。
なぜかといいますと、現代の犬は自分の飼い主の生活スタイルに、自分の活動時間を合わせているからです。
したがって、基本的には朝型の犬が多いですが、夜勤が多い飼い主さんの犬などは、夜型生活を送っていることも多いです。
野性時代は夜行性だった!
では、犬が野生動物として生きていた時代はどうだったのでしょう。
実は、野生の頃の犬の活動時間は、夜だったという説が非常に濃厚です。
なぜならば、これは野生動物の多くに共通する特徴でもありますが、自分たちの獲物が寝静まる夜に活動することで、獲物を捕獲できる確率が高くなるからです。
また、犬の目は光に弱いため、光の少ない夜の方が行動しやすいという理由もあります。
しかし、人間と共同生活していく上で、獲物を探す必要はなくなりましたし、一緒に暮らす私たちが朝型であることから、徐々に活動時間が昼間に移行していったと考えられています。
Q.「じゃあ、夜型の方が良いの?」
上記の結論を見てしまうと、「じゃあ犬たちのためには昼間にぐっすり寝て、夜に活動できるようにした方が本当は良いの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、前述したように、現代の犬は飼い主に合わせ、朝型に移行しています。
そのため、現代の犬たちは夜に活動したい、夜に活動した方が良いということは特になく、今まで通りの生活スタイルで問題ありません。
またこの後、犬の睡眠についても少しお話ししますが、犬は1回で何時間も熟睡するのではなく、浅い睡眠を短いサイクルで繰り返す動物です。
そのため、朝型であっても昼間に昼寝をしますし、夜であっても熟睡することはありません。
犬が夜以外にも睡眠を取る訳
元々は夜型だった犬たちも、今では私たちの生活スタイルに合わせて、朝型になっているということを理解していただけたのではないでしょうか。
しかし、ここで「うちの子は昼も寝てばかりな気がする…」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。朝型のはずの犬たちですが、一体なぜ昼間にも寝ているのでしょう。
犬の1日は24時間ではなく7時間?
私たちの1日は24時間です。
そのため、生活スタイルの例を挙げるならば、朝6時頃に起床し、活動を開始し、夜の10時頃に就寝する…。そして翌日の朝6時にまた起床する、といった生活を送ります。
もちろん、犬にとっても1日は24時間ですが、犬の感覚では1日は7時間程度であるとされています。つまり、時間の流れが、人間の3倍のスピードに感じているのです。
そのため、「朝起きて夜寝る」というスケジュールが、単純計算で3回ほど1日に起こることになります。そのため、人間である私たちから見ると、昼間もよく寝ているように見えるのです。
短い睡眠を繰り返して睡眠時間を確保スタイル
また、先ほど少し話に出てきましたが、犬は人間のように1度にたくさんの睡眠時間を確保するのではなく、浅く短い睡眠を何度も繰り返すことで、睡眠時間を確保します。
これは、犬は人間よりも警戒心が強く、ちょっとした物音や気配でも起きるようになっているからです。
野性時代には、敵が近付いてきた際、すぐに反応できなければ負けてしまう可能性がありました。この習性が今も残っていると考えられます。
このように、人間とは少し違う睡眠の取り方、時間の経過が、朝型の犬であっても「もしかして夜型?」と思わせるのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
野性時代は夜型だった犬ですが、現代の犬は基本的に朝型生活を送っています。
しかし、昼間にも眠るため、なるべく睡眠を妨げないような工夫をしてあげることが大切でしょう。