犬育ノイローゼの主な症状
①無気力になる
お散歩に連れて行ってあげるのも億劫になり、汚れたままのトイレシートも放置。愛犬のお世話どころか、家事や自分のことさえもやる気が出ない。愛犬のことで迷ったり、悩んだり、考えたり、そうするうちに心が疲れ切ってしまったのです。
精一杯、愛犬の介護をしているけど、ごはんを食べてくれないし、わけもわからず鳴き続ける。子犬の頃からたくさん愛情を注いでいるのに全く懐いてくれない。そんな心の疲れから無気力になってしまうことがあります。
②眠れなくなる
体も心も疲れ切っているのに眠れず、何日も不眠の状態が続いてしまう。さらには眠れないことがストレスになり、夜になると不安な気持ちに襲われる。
トイレトレーニングをがんばってしつけているのに、あちこちで粗相してしまって、そのたびにお掃除に追われて嫌になった。そんなストレスから眠れなくなってしまうことがあります。
③食欲がなくなる
心が疲れると食欲までなくなってしまいます。なぜ言うことを聞いてくれないのか。なぜ吠えてばかりいるのか。なぜトイレの場所を覚えてくれないのか。そんな小さな不満がどんどん大きくなり、心の元気ばかりか食欲までも奪ってしまうのです。
④下痢が続く
心が疲れた状態が長く続くと体にまで悪い影響を及ぼします。お腹が痛くなり、下痢が続き、脱水症状によってフラフラとして気持ちが悪くなってしまうことがあります。
あまりにも下痢が続くようであれば、すぐに病院へ行きましょう。脱水症状をそのまま放置してはいけません。
⑤嘔吐する
食欲がないことで何も食べておらず、下痢が続いてしまった結果、胃の中に何もない状態でありながらも嘔吐の症状があらわれることがあります。気持ちが悪く、喉に指を入れてまで吐き出そうとすることもあります。
犬育ノイローゼを克服する方法
子育て中の母親が育児ノイローゼになり、子供に十分な食事を与えなかったり、泣いているのに無視したり、そういったニュースを目にする機会があると思います。これは犬にも同じことが言えるのですが、子供を犬に置き換えて考えるとよくわかります。
最近では、独身で犬をパートナーとして暮らす人や、犬を我が子として迎える夫婦が増えています。そういった中、犬に対して過剰な愛情を注いでいる人が多く、犬をお世話していく過程での不安や不満や葛藤がノイローゼの原因となってしまうのです。
「こんなに愛情を注いでいるのに何で!?」という思いが強くなってしまったのでしょう。
神経質になりすぎないこと
ノイローゼは神経障害や不安障害と呼ばれることもあり、神経質になり過ぎてしまったことと不安になり過ぎてしまったことが主な原因です。
早くトイレトレーニングを終わらせなきゃ!無駄吠えをしないようにしつけなきゃ!など、「〇〇しなきゃならない」「〇〇じゃなきゃいけない」といった強迫観念がさらに不安を圧迫することもあります。
犬にも個性や性格があり、得意なことも苦手なこともあります。他の犬と同じようにしつけを完璧にできなければ悪い犬だ、なんてことはありません。
相談すること
犬育ノイローゼになってしまう人には「誰にも相談することができない」という特徴があります。心配なことや不安なことを飼い主さんが全て一人で抱え込む必要はありません。
真面目で完璧主義な人ほど人に相談しづらくなってしまう傾向にあります。獣医さん、家族、友達、犬仲間、身近にはたくさん相談にのってくれる人がいます。
動物病院では犬のケアだけではなく、飼い主さんのケアも行ってくれますので、ぜひ相談してみましょう。犬のことを熟知したプロのアドバイスはとても参考になりますし、勇気をもらいます。
どうしても身近な人に相談できないのであれば、SNSを使ってみてください。同じ悩みを抱えた人や、犬育ノイローゼに悩む人と話をすることで気持ちが楽になります。
まとめ
犬のしつけ方や育て方が書かれた本や雑誌がたくさんありますが、愛犬の育て方も本や雑誌と同じようにしなければならないなんてことはありません。しつけ方だって、同じ方法で全ての犬に通用するわけではありません。
一般的と言われていることができなかったり、思い通りにならないことで、不安になってしまったりすることもありますが、本や雑誌を参考にしても解決されません。
最も必要なことは愛犬とのコミュニケーションです。ゆっくり時間をかけて、じっくりとお互いに向き合ってみてください。