犬にとって「ポテチの袋」は危険な物
SNSやさまざまなまとめサイトで犬や猫のユーモラスな様子は毎日のように目に入ってきます。けれどもその中には笑っている場合ではない非常に危険な場面も多く見受けられます。
ポテトチップスなどスナックの空袋に顔を突っ込んで抜けなくなり困惑している犬の姿などもそのひとつです。
思っている以上に危険で、たくさんの件数が報告されているスナックなどの袋による窒息の事故、いったいどのように起こっているのでしょうか。
犬がポテチの空袋で危険な目にあう理由とは?
上の動画は、空袋によるペットの窒息事故を防ぐ呼びかけのためにアメリカの獣医師のグループによって作られたものです。
最初にSNSなどに投稿されたおもしろ動画がいくつか登場していますが、その後に登場する黒と白のコートのかわいらしい犬スキーターが、これらの動画のような状態になった末に命を落としたことが紹介されています。
動画の中の小さいフレームの写真の犬や猫はみんな空袋に顔を入れて窒息死してしまった子たちです。
スナックの欠片が残っていたり、いい匂いがついているお菓子の空袋に犬や猫が顔を入れて舐めようとするのは不思議ではありません。
気密性が高く薄いスナックの袋は、動物が顔を突っ込んで息をハアハアすると鼻や口にピッタリと密着してしまい取れなくなります。
人間なら簡単に取れても、動物の前足では袋を取り除くことは不可能です。
危険な状態になってから犬が命を落としてしまうまで、ほんの3〜5分と言われています。
動画を撮って笑っている場合ではなく、一刻も早く袋を外してやらなくてはいけません。たとえ命を落とすことはなくても、袋が外れなくなった動物は息苦しさと恐怖でパニックになっていることを知っていてください。
犬がポテチの袋で窒息事故を起こす原因
このような不幸な事故は、決してペットを放ったらかしにしている無関心な飼い主にだけ起こるわけではありません。
一番の問題は、スナック菓子の空袋などという日常的なものにそんな危険が潜んでいるということを知らない人がとても多いということです。
上記の動画を制作した獣医師のグループが、同じような悲しい事故で愛犬や愛猫を失った人の体験談を募集したところ、約1300件もの飼い主さんの声が集まりました。
その飼い主さんたちの9割は、実際に事故が起きるまで空袋の危険性など考えたこともなかったとのことでした。
事故の原因になった袋の種類は
- ポテトチップスなどスナックの空袋 69%
- コーンフレークなどシリアルの空袋 8%
- ペットフードの空袋 8%
- ペットのトリーツの空袋 5%
ペットがどこから空袋を持ってきたかは
- 家庭内のゴミ箱から 32%
- リビングなどのテーブルの上から 21%
- キッチンのカウンターから 11%
- ベッドの下から 7%
犬がポテチの空袋で窒息するのを予防する方法
実際に事故に遭った人の体験談から、圧倒的にスナックの袋による事故が多かったことがわかります。
予防策としては
- スナックなどは食べる分だけ容器に入れて残りはすぐに片付ける
- 空袋は底またはサイドを切って、袋ではない状態にして捨てる
- 屋外のゴミ箱など、ペットの手が届かないところに捨てる
事故が起きた時、39%の飼い主さんは在宅していたとのことです。決して留守中だけの事故ではないんですね。
息ができなくなってしまうと、ペットが命を落とすまで5分もかかりません。小型犬や猫にだけ起きる事故ではなく、中型犬も大型犬も被害にあっています。いつでもどのペットにも起こり得ることだと意識して、くれぐれも気をつけたいですね。
まとめ
スナック菓子などの空袋に顔を突っ込んでしまった犬や猫が窒息死してしまう事故は、多くの人が思っているよりもずっと多いのだということをご紹介しました。
友達が集まってお菓子を食べながらワイワイしている時、ソファーでスナックを食べながらテレビを見て寝落ちしてしまった時、そこにペットがいれば事故が起きる可能性があります。
そんな具体的な日常の生活を想定した上で予防策を徹底して、大切なペットを守りたいですね。
《参考》
https://www.preventivevet.com/dogs/pet-suffocation-awareness