子犬を遊ばせすぎると考えられるリスク
犬が小さい頃は社交性を高めるためにもたくさん遊んであげた方が良いのでは、と思う方も多いでしょうが、よくブリーダーさんやペットショップの店員さんから、「家に来て1週間はケージの外に出さないでください」と言われますよね。これは環境の変化に子犬を慣らすということが大きな目的です。子犬は環境の変化に敏感でいろいろな刺激によって体調を崩しやすいです。ゆっくりと環境になれていくことが大切になります。急かしてしまうと様々なリスクが生じてきます。
では、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。
1.睡眠妨害するとストレスの原因に
まず一緒に遊ぶということはケージを出すことに繋がります。ケージから出てしまうと、子犬は途端にはしゃぎ始めるため、「ケージの外で寝よう」という考えには及びません。
人間の赤ちゃんも同じですが、小さい内は寝ることがとても大切です。睡眠をとることで疲れやストレスなどの負担を取り除く効果もあります。小さい頃は蓄えられている体力が成犬に比べて少ないため、この「睡眠」を1日に繰り返すことで体力を温存するのです。
しかし、この睡眠を邪魔してしまうと負担を軽減させることができなくなってしまいます。子犬は自分で「疲れたから休もう」などとは思わないため、限界でも遊ぼうとします。すると知らぬ間にストレスが溜まってしまい、子犬の負担になってしまうのです。
わんちゃんの社会化にはいろんな刺激が必要でもあります。はじめのうちはずっと一緒に遊ぶのではなく、きちんと子犬さんも休める時間を作ってあげましょう。
2.疲労が溜まるとごはんを食べなくなることも
眠ることで疲労やストレスを少しでも癒やすという効果があるのですが、遊んでしまうとその睡眠が削られてしまいます。すると限界を超えた子犬たちはまるで電池が切れたかのように動かなくなってしまうことがあります。
これは人間の赤ちゃんでもよく見られる光景ですが、疲労が限界を超えてしまうとしばらくの間、自ら動いたり起き上がったりすることがないため、決まった食事の時間になっても起きずに寝たままということもあります。
これは「ごはんは食べたいけれど、食べる体力が残っていない」という状態になってしまっているのです。ごはんは体力を付ける上でも成長する上でも非常に大切です。しっかりごはんを食べてもらうためにも、休ませるということは子犬にとって重要です。
3.構い過ぎるとしつけに悪影響
また構い過ぎると今後のしつけに悪影響を及ぼすという点もリスクの1つです。子犬を迎えたお家でよくある例に、構ってもらえず「クーン」と切ない声を上げているから、ついついケージから出しちゃった…という例があります。
しかし、このようなことを子犬期から繰り返してしまうと、「こうすれば飼い主さんは構ってくれる」「言うことを聞いてくれる」と勘違いしてしまい、夜鳴きが続く原因となってしまいます。
さらに成犬になると「クーン」といった可愛らしい鳴き声ではなく、「ワンワン」といった吠え声に変わります。つまり無駄吠えに繋がってしまう恐れがあるのです。
また、ケージでのお留守番ができなくなってしまいますので、かわいくてついついかまってしまいがちになりますが、メリハリをつけて一緒に過ごしましょう。
子犬をケージ内で落ち着かせる為に
なぜブリーダーさんやペットショップのスタッフさんが「家に迎えてから1週間はケージから出さないでください」と言っているか、ご理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、愛犬がケージの中に大人しくいてくれるとは限りません。暴れる子もいれば、飼い主の注意を引くために鳴き始める子も多いです。そこで、このような子犬をケージ内で落ち着かせる為にはどのような方法があるのか、ご紹介していきます。
ケージに布をかける
まずはケージに布をかけるという方法です。これは子犬を迎える多くのご家庭で行っている方法です。飼い主が見えてしまうとどうしても構って欲しいという気持ちが高まってしまうため、飼い主の姿を見せずに落ち着かせる効果があります。また薄暗くすることで眠気を誘い、自然と子犬を眠りに就かせることも可能です。
人の体温程度の湯たんぽを与える
次に湯たんぽを用意するという方法です。この湯たんぽの温度は人肌程度の温度にすることが重要なポイントです。人肌に温めた湯たんぽをケージの中に入れてあげる事で、近くに飼い主や母犬がいるような感覚を植え付け、安心させることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あまり構い過ぎると子犬の場合、疲れをためてしまう恐れがあります。また分離不安症になってしまったり、無駄吠え癖が付いてしまう恐れもあるため、なるべく遊ぶ時間をしっかり決め、それ以外はケージ内で過ごさせるようにしましょう。