犬にだってあいさつしたくない時がある!
筆者自身が散歩をしている時、犬好きな方や小さな子供が「わんわんだー!」「かわいい♪」と近づいてきてくれることがよくあります。犬を飼っているみなさまなら、一度は経験があるのではないでしょうか?
しかし当然のことながら人が好きな犬ばかりではなく、小さな子供が苦手だったり、さわられることがストレスになったりする、いわゆる「人懐っこくない犬」というのもいるのです。
犬好きという方は犬をかわいがりたくて近づいてきてくれるので申し訳ないのですが、うちの愛犬も知らない人にはとても興味が薄く触られても喜ばず、むしろどこかに行こうとしてしまいます。
また、犬にも気分や都合があり、飼い主に怒られた後で落ち込んでいたり、トイレをする場所を探していたり、愛想を振りまく気分ではない時だってあるのです。
そういった犬側の事情にも寄り添ってあいさつをすることで、より犬と仲良くなることができるのでここで犬と会った時に思い出してほしいあいさつのルールやマナーを紹介していきます。
まずは飼い主さんへの声掛けが大切
「誰でもウェルカム!」というフレンドリーなタイプではない犬の場合に特に困るのが、突然走ってきて勝手に愛犬をなでまわす子供たち。かわいがってくれることはとてもうれしいのですが、できれば飼い主である私に「さわってもいいですか?」の一言が欲しいのです。
これはとても大切なことで、どんな犬かもわからない犬をふいにさわるのはとても危険な行為でもあり、こうして聞くことで咬傷事故など不要なトラブルを防ぐことができるのです。
急にさわられたり、大きな声を出して近づいてきたりすると犬によってはとても驚いて反射的にさわられた手に歯を当ててしまう可能性も少なくありません。また、けがをしていたり、さわられたくない場所が決まっていたりする犬もいます。
そういった情報がわからないままさわるということはとても危険なので、触る前には必ず飼い主に一言声をかけるようにしましょう。
特に子供に多い問題なので、これを読んでいる方は身近なお子さんたちにぜひこのマナーを教えてあげてくださいね。これはさわる人自身も、さわられる犬も守るとても大切なことです。
犬同士のあいさつを真似しよう
さて、飼い主さんからあいさつのGOサインが出たらさっそく犬をさわりたいところですがちょっと待ってください!さわる前に2つやってほしいことがあります。
それは「しゃがむこと」と「犬の目を見つめないこと」です。
犬は体が小さいため、人が立った状態で頭をさわろうとするとどうしても体を傾けて犬に覆いかぶさるような姿勢になってしまいます。これは犬にとってはとても怖いことで、威圧感を感じさせます。
また、初対面で目を見つめるというのは「ガンをつける=喧嘩を売る」ということになります。親しくなった状態であれば目を合わせることはアイコンタクトという大切なコミュニケーションになりますが、初対面の場合は目を見つめないようにして、目が合ったらあえて顔をそらすなどして「あなたに敵意はありませんよ」と伝えてあげてください。
そして犬に手のにおいを少しかがせてあげて、逃げるようなそぶりがなければ首の下や横当たりをなでて徐々に頭や背中を上からなでるようにしてください。
まとめ
犬へのあいさつの仕方を知ることは、自分自身の身を守ることにもつながります。犬とその飼い主、触れ合う人たち、そのみんなが安全に、そして楽しく過ごすことができるように犬へのマナーやルールが今よりもさらに広まり、認知されることを願っています。
私自身、ドッグトレーナーとしてもひとりの飼い主としても犬を通して多くの方と出会ってきました。特に愛犬を通して知り合うことができた方の多くは犬が好きでかわいがってくれる方ばかり。
それはとてもうれしい出会いですが、子供や犬を飼ったことのない方の場合、さわり方がとても強引だったり犬が嫌がるさわり方だったりすることがあります。その時には失礼にならない程度に「こうやってさわってくれるとうちの犬は喜ぶ」ということを伝えるようにしています。
犬を飼っている方は、人と触れ合う機会があればぜひ飼い主さんだけが知っている愛犬の喜ぶポイントなどを伝えてみてください。正しく安全なあいさつをすることでお互いにストレスなく過ごし不幸なトラブルを防ぎましょう。