犬が水を飲んで吐く原因
犬はもともと吐きやすい動物といわれています。
空腹の時間が長いときや、食事を食べ過ぎたときに吐いたり、胃がムカムカしているときに草を食べて胃の不要物を出したりするために、自らの意思で吐くこともあります。
その後、何事もないように元気な様子であれば問題ありません。しかし、「水を飲んで吐くこと」は病気が関係している恐れがあります。
なぜ水を飲んで吐いてしまうのでしょうか?
泌尿器系の病気
泌尿器とは、腎臓、尿管や膀胱、尿道などを総称したものを指します。
通常、体の中の老廃物は肝臓で無毒化され、それがさらに2つの腎臓によってろ過されます。尿管から膀胱に流れ、尿道を通って、尿となって排出されます。
これが健康な体の場合の排尿の仕組みですが、泌尿器のうち一つでも異常を発生すると、それぞれの機能が働かず、老廃物が無毒化されることなく全身を巡ってしまいます。そうなると吐いてしまったりなど体調が崩れてしまいます。
また腎臓の機能が落ちてくると必要な水分などを体に戻し、不必要なものを尿として出すということがうまくできなくなっていきます。
そうするとおしっこの量が増え、体の中の水分がへってしまい、お水をたくさん飲むようになってしまうのです。
ホルモンの病気
ホルモンは通常、分泌することで食べたものを消化吸収したり、体の調子を整えたりする働きをします。
しかしホルモンが過剰に分泌、又は分泌されないなどの異常を発生すると、水を必要以上に飲むという症状があらわれる場合もあります。
犬が水を飲んで吐くことで考えられる病気
腎臓病
腎臓病は名前の通り腎臓の働きが悪くなるもので、多くは高齢の犬にみられます。腎臓は腎臓の働きが約7~8割働かなくならないと症状があらわれず、
さらに一度機能が壊れると再生することができない臓器で、症状が進行すると死に至る恐ろしい病気です。そのため、健康診断により腎臓の状態を定期的にチェックすることで、早期に発見することが重要となります。
腎臓病には、急激に機能が低下する「急性腎臓病」と、ゆっくりと症状が進行していく「慢性腎臓病」があります。急性腎臓病の症状は、
- 食欲がなくなる
- よだれが出る
- 排尿をしない
- 脱水症状
- ぐったりする
- 嘔吐
- 下痢
などが挙げられます。慢性腎臓病の症状は、
- 水を大量に飲む
- 嘔吐
- 色が薄い排尿をする
- たくさんおしっこをする
- 痩せていく
- 食欲低下
などが挙げられます。水を大量に飲んで吐く場合、慢性腎臓病の可能性も考えられます。
糖尿病
ホルモンの病気の一種で、特に肥満の犬は要注意です。糖尿病とはその名の通り、血糖値が異常に上昇することにより余分な糖が尿に出てしまった状態です。
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンは、本来、食事などで体内に入った糖分を体内に吸収する働きをします。
しかし、さまざまな原因でインスリンの分泌が減ったり、インスリンの働きが悪くなったりすると、糖が体内に吸収されずに尿と一緒に排出されてしまいます。
糖尿病の症状として、
- 水を大量に飲む
- 嘔吐
- オシッコの量が増える
- 食欲はあるのに痩せていく
などが挙げられます。
まとめ
犬の健康において重要となる水。パッケージの後ろにきちんと記載されているドッグフードと比べ、水に関してはどのくらい与えていいのか分からないですよね。
犬がいつでも飲めるように、容器に水を常時入れているご家庭も多いのではないでしょうか。
基本的に、犬が好きなときに好きなだけ飲むスタイルで良いのですが、人間と同じように、犬も水を好む子と好まない子がいます。しかし水を飲みすぎる、飲まなさすぎる、両者ともに考えられる病気があります。
運動したあとでもないのに、水のおかわりを要求してくる、水の容器が空の状態が多くみられる、など異常に水を欲する場合は、病気を疑った方がいいかもしれません。