持ち運びできる犬用ケージの選び方
持ち運びができる犬用ケージは病院やお出かけ、災害などの緊急時にもとても役立ちます。抱っこして連れていくとなると飼い主さんの手がふさがり不便だったり、何より脱走して迷子になる危険が減るため必要といえるでしょう。
くわえてペット同伴の旅行などでも、ケージやキャリーなどに入れておかないと入れないような場所もあります。それでは数多くあるケージの中で、愛犬にあうものはどんなものなのでしょうか。選ぶポイントを4つ解説します。
- ケージの重量や折りたたみの有無
- 犬の体の大きさ
- 移動時間
- 移動方法
ケージの重量や折りたたみの有無で選ぶ
持ち運びを考えると、ケージは重すぎないものを選ぶ必要があります。中に愛犬を入れると考えるとケージ自体は少しでも軽くしておきたいですよね。ハードキャリーやソフトキャリーなど素材も様々ですが、強度が高いハードキャリーはその反面どうしても重くなってしまいます。ソフトキャリーは軽い素材で作られたものが多い一方でハードキャリーと比べると強度は落ちます。
軽量なものを選ぶか強度を選ぶかは、飼い主さんや愛犬に合わせて選びましょう。またケージには折りたためるものもあります。折りたたみ式は使用しないときには小さく収納できるため邪魔にならずに便利です。片付けるスペースが限られている場合には折りたたんだ時のサイズも確認しておくといいですね。
犬の体の大きさに合わせて選ぶ
ケージは大きければそれだけ愛犬がゆったりとできるからいいのではと考えがちです。もちろん狭いのはよくありませんが、広すぎるケージも犬にとってはリラックスできません。基本的に犬は狭くて暗い場所を好むため、ケージが広いと落ち着かないのです。適切な大きさは犬がケージの中で方向転換ができるくらいが目安です。
その大きさだとケージを使用して愛犬とドライブをしても、ハンドルを切るごとに愛犬がケージの中で泳ぐようなことはないでしょう。大きすぎるとケージの中で愛犬が安定せず、転倒や車酔いをする可能性があります。このことから犬の大きさに合わせてケージを選ぶことが大切です。
移動時間に合わせて選ぶ
犬をキャリーに入れて移動することはドライバーにとっても愛犬にとっても最も安全な方法です。長時間の移動だとハードタイプのキャリーがおすすめです。短時間であればソフトキャリーでもいいのですが、長時間になるとソフトキャリーでは固定しているシートベルトで形が崩れる恐れがあります。
加えてもしもの時の安全性が高いことも、ハードキャリーをおすすめするポイントです。またハードキャリーは素材がプラスチックのものが多く、掃除がしやすいのもメリットです。長時間の移動だと車酔いで吐いたり、キャリーの中でうんちやおしっこをすることがあります。素材がプラスチックだと拭くだけで汚れが落ちるため手入れも簡単です。
移動方法に合わせて選ぶ
車での移動であればどんなケージでも大丈夫なのですが公共の交通機関だと決まりがあるため、しっかりと確認して規制に合ったケージやキャリーを準備する必要があります。
【JR西日本・東日本】
※キャリーの大きさ:3辺の最大の和が120cm以内、動物を合わせた重さが10kg以内
※ペットの全身が収納されていなければいけない
※改札口にて手回り品きっぷを購入する必要がある
【JR新幹線】
※キャリーの大きさ:長さ70cm以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内のケースにいれたもの、ケースと動物を合わせた重さが10kg以内
※手回り品きっぷの購入が必要
※ペットのための指定席購入不可
【飛行機(国内線)】
<JAL>
※キャリーやクレートの大きさに規制はないが、重量制限あり(お一人様につき、ペットと他の受託手荷物を含め、合計100kgまで)。
※ペットクレートの貸出あり。
※基本的には貨物扱いで1区画あたりの料金が必要。
※フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ不可
<ANA>
※IATA(国際航空運送協会)の規定に適合したケージを持参
(「丈夫なケージである」「ペットが立つ、座る、寝る、回転できる大きさである」など)
※ケージやクレートの貸出あり
※国内ペット料金が必要
※熱中症や呼吸困難の恐れから、夏季(5月1日から10月31日まで)の間は短頭種不可
電車や新幹線ではキャリーの規制サイズにより、中型犬以上の犬種は厳しいといえます。それらの犬種はペット専用タクシーを利用するといいですね。
犬をケージに慣れさせるには?
犬とお出かけするためにはケージは必需品です。しかしケージに入ることを愛犬がストレスに感じていると、入らなかったり、入れられそうになったら怒るケースもあります。それでも無理やりケージに入れようとするのはNGです。ケージ嫌いに拍車がかかり、ケージを見るだけで逃げたり、攻撃的になる恐れがあります。
また長時間の移動ともなるとストレスが影響して体調を崩す場合もあるため、愛犬をケージに慣れさせておくことが大切です。そのためのトレーニング方法をご紹介します。普段からクレートに入る習慣をつけておくと、お出かけ時にも利用しやすくなりますよ。
ステップ1:おやつを使ってケージ内に誘導する
最初はおやつでケージ内に誘導しましょう。クレートは怖い場所ではないと理解させることが目的です。
【手順】
①愛犬が好きなおやつをクレートに投げ入れます。愛犬がおやつを追いかけてクレートに入ったら同時に「ハウス」の掛け声を行います。
②おやつを食べ終わればいったんクレートから出て遊び始めます。またおやつを投げて「ハウス」の掛け声を行いましょう。
このゲームを何度も繰り返すことで、「クレート=いいこと」と関連付けさせます。慣れてきたら離れておやつを投げるようにしてみてください。この時にも「ハウス」の掛け声は行います。
ステップ2:入ったらご褒美がもらえるという学習に移行
クレートは怖くないと理解したら、次は入ったらいいことがあると覚えてもらいましょう。
【手順】
①おやつをクレート内に入れておきます。
②犬には「マテ」の指示で待たせておきます。
③「ハウス」と同時にクレートに入ったら褒めてあげます。
クレートに入ったらおいしいおやつも食べることができ飼い主さんにも褒められるため、愛犬はクレートに入ることが楽しくなるでしょう。
ステップ3:ケージ内でとどまれるようにする
ここではケージでの滞在時間を長くするトレーニングです。クレートに入った状態で「お座り」や「フセ」をさせて、「いい子」とほめながらおやつをあげます。その後はクレートから出て遊んでもOKです。それを何度か繰り返した後コマンドに「マテ」を追加し、クレートにいる時間を徐々に延ばしていきます。
このトレーニングでのポイントは焦らないことです。普段はできるのにクレート内では「お座り」や「マテ」ができないこともあります。まだクレートに慣れていない証拠なので、前のステップに戻ってゆっくりトレーニングしましょう。愛犬のペースに合わせることが成功する秘訣ですね。
ステップ4:飼い主が離れても落ち着けるようにする
クレートでコマンドが聞けるほど慣れた様子を見せたら、クレートの扉を閉めましょう。最初は鼻を鳴らしたり、がりがりと扉を前足で引っかくしぐさを見せますが、そこで開けてしまうのは禁物です。そうすると開けてもらえると学習します。愛犬が落ち着いたら扉を開けましょう。扉を閉めても必ず開けてもらえると覚えさせることが目標です。扉を開けて愛犬が出てきたら褒めてあげたり遊んであげてくださいね。
普段から目につくところにケージを置いておく
特別な時に出すのではなく、普段から目につくところにケージを置いて身近なものとして認識させておきましょう。遊ぶ時もケージの近くやケージの中にボールを投げ入れるなど、できるだけ距離感を感じさせないようにすると成功率が上がります。ご飯をケージの中で食べさせるのもおすすめです。犬は基本的に暗くて狭い場所を好むため、ケージに慣れたら安心できる場所として自分から入るようになるかもしれません。
持ち運びできる犬用ケージおすすめ12選!
ケージは持ち運びができると、家の中だけでなく外出時にも使えるためとても便利です。持ち運びができるケージにはたくさんの種類があり、どれがいいのか迷ってしまいますよね。そこでここからは持ち運びができる犬用ケージのおすすめ12選ご紹介します。どのシーンで利用するのか、ケージの素材、愛犬のサイズなどケージ選びの参考にしてください。
アイリスオーヤマ 折りたたみソフトケージ
<おすすめポイント>
- 組み立てが簡単でコンパクトに折りたためる
- シートベルトで簡単に固定でき、ドライブのときも気軽に使用できる
- ソフトタイプなので愛犬に優しく持ち運びにも便利
組み立てが簡単なため急な来客や外出先で役立ちます。使わないときはたたんでしまえるため邪魔になりません。簡易のペットハウスとして場所を選ぶことなく使用が可能です。持ち運びに便利なキャリングケース付きでどこででも活用できます。
ottostyle.jp 折りたたみソフトクレート
<おすすめポイント>
- 工具不要で折りたためる
- 4面がメッシュ素材で通気性に優れている
- 開閉は正面側面(片側のみ)上部の3ヵ所可能
ポリエステル製のソフトタイプで車に乗せる際にも傷つける心配がありません。折りたたみには工具が必要ないため、急に使うことになってもすぐに組み立てることができます。フレームは丈夫なスチールを使用。アウトドアにも最適でおしゃれな愛犬専用のアウトドアスタイルを演出できます。
ペットスイート キャリーバック
<おすすめポイント>
- IATA(国際貨物輸送協会)の基準をクリアしている
- 正面ドアは右左どちらでも開閉可能
- ペットからは開けられないハンドルロック構造
正面ドアは頑丈なスチール製で左右どちらからでも開閉ができ、ペットの出入りが楽々です。組み立てもシンプルで簡単。女性一人でも組み立てることができます。IATAの基準をクリアしているため飛行機の移動でも使用できます。
リッチェル キャンピングキャリー 折りたたみ
<おすすめポイント>
- ワンタッチで折りたたむことができコンパクトに収納可能
- シートベルト固定機能付き
- 水洗いができてお手入れ簡単
たたんでぺったんこになり、狭い場所にも収納可能です。組み立ても引っ張るだけという手軽さ。前面ドアは左右どちらからも開閉可能なため、車の場所を選ばず設置することができます。ドアの取り外しは簡単で、外したドアを背面に収納できるのは便利です。
ペットライブラリー カラーバリケンネル
<おすすめポイント>
- 組み立てにドライバーが必要だが丈夫で安心
- ゆとりのある広さと通気口
- 飛行機で使用可能
バリケンネルシリーズは国際航空輸送で最も実績のあるペットキャリーです。通気穴はIATA(国際航空輸送協会)と、USDA(米国農務省)の基準に合わせているため飛行機で使用可能。組み立てにはドライバーが必要ですがその丈夫さは折り紙付きです。
ペットキャリーバッグ プレミアムPM70 LL
<おすすめポイント>
- キャリー付きで中型犬でも楽々
- 工具がいらず組み立ても簡単
- 中が確認できる上部扉付き
キャスターとハンドル付で移動もらくちんなキャリーバックです。上部にはおやつやちょっとしたものを入れられる扉付きで、開けると中が確認できる仕組みになっています。安全なハードケースで長時間の移動も安心です。
アイリスオーヤマ 折りたたみケージ
<おすすめポイント>
- 組み立てが簡単でコンパクトに折りたたみができる
- 持ち運びに便利なバック付き
- 飛び出し防止のメッシュ天板付き
2ステップで広げてたためるスチール製の折りたたみケージです。丈夫で通気性が良いケージなので長時間のドライブにもピッタリ。もし汚れても底板は取り外して丸洗いできます。ケージ自体も拭いて汚れを落とすことができ清潔をキープできます。
ファーストラックス ペットネーション ポータブルクレート
<おすすめポイント>
- 天井面と全面にペットが出入りできるような出入り口がある
- 自然とファスナーが開かないようにフック付き
- 組み立て簡単
フレームは丈夫な金属でありながら洗濯もできるといった使いやすい工夫がされたポータブルクレートです。屋内はもちろん、フレームが丈夫な素材であることから屋外でも使用できます。汚れても洗濯できるので清潔。折りたたんだ時の持ち運びがしやすいように手提げ付です。
アイリスオーヤマ エアトラベルキャリー
<おすすめポイント>
- 使わないときはコンパクトに収納可能
- 組み立ては工具なしで簡単
- 両手で持てる広い持ちて
IATA(航空輸送基準)の基準をクリアした丈夫なクレートです。前面ドアは左右開閉可能で、部屋においておけばペットの安らぎスペースとしても使用できます。ハードタイプで長時間の移動にも安心です。分解と組み立ては簡単で、汚れても丸洗いできます。
MARCATO 折りたたみペットケージ
<おすすめポイント>
- 組み立てはワンタッチ
- 開口部は3ヵ所
- ダブルジッパーでスムーズな開閉をサポート
ゴムを外してくるっと回すだけの簡単組み立て。ぱっと広げてすぐに使用できます。本体は600デニールのオックスフォード織のポリエステル生地を採用。登山用バッグの底面にも使用され軽さと丈夫さを兼ね備えています。
ファーストラック ソフトクレート
<おすすめポイント>
- ワンタッチで組み立て折りたたみ可能
- フレームは金属製で高い強度を実現
- 本体カバーは丸洗いOK
ワンタッチで組み立てと折りたたみができるスライド・ホールディングシステムのソフトクレートです。布製で天井面・前面・側面にはペットが出入りできるドアがついています。天面ドアと正面メッシュドアは巻き上げてマジックテープで固定できるため通気性も確保できます。
winsun 犬 リュック
<おすすめポイント>
- リュックタイプで両手が開く
- いざというときにはハウスとしても使用可能
- 側面と丈夫にペットが出入りできる扉付き
普段はリュックで使うことができ、いざというときには背中の部分が拡張されてハウスとしても使用できる珍しいリュック型のキャリーバックです。メッシュの窓は4つあり通気性抜群。ペットが外を見ることもできます。内部には飛び出し防止用のリード付き。
▼「犬のケージ」の基本を知りたい方はこちら
まとめ
今回は持ち運びができる犬用のケージについてご紹介しました。動物病院やドライブなどケージやキャリーを使用せずに抱っこで済ませている飼い主さんを多く見かけます。そのためケージやキャリーを準備していない人も多いでしょう。
しかし、動物病院ではほかのワンちゃんに襲われる可能性もあります。またドライブでは事故が起こらないとも限りません。何より災害時などの緊急時には、ケージやキャリーを使用することで愛犬の脱走を防ぐことができます。いざケージやキャリーを使用することを考えると普段から慣れさせておくことが重要です。
またケージやキャリーは愛犬のリラックスできる場所としても使えるため、準備しておくと便利です。愛犬を守れるのは飼い主さんだけです。もしもの時のために、持ち運びができるケージやキャリーの準備をしておきましょう。