今は犬の食器を選ぶ時代
昨今のペットブームにより、愛犬にかける費用が年々上昇しています。
例えば可愛い洋服や犬の幼稚園、スポーツジム、アロママッサージなど、犬への関心の高さが費用にあらわれているのでしょう。
それは食器選びにおいても同じで、可愛いデザインの食器だけでなく、犬の健康を考えた食器、犬に合う素材の食器、食べやすい形の食器など、バリエーション豊かな食器が売られています。
そこでここでは、「どんな食器を選んでいいか分からない」という飼い主さんのために、ご家庭の目的に合った食器選びのコツをご紹介します。
食器選びのコツ①素材
ステンレス製
丈夫で傷つきにくく、汚れが付いても洗いやすいという点がメリットとして挙げられます。食事を豪快にがっつく子犬や、アゴの力が強い大型犬であっても、長い間使うことができるでしょう。しかし、金属アレルギーの犬が使うと口の周りに症状が出る恐れがあるためオススメできません。
プラスチック製
色やデザインが可愛いものが多く、またとても軽くて洗いやすい点が飼い主さんに人気です。しかし、噛んだり落としたりすると割れやすいところがデメリットとして挙げられ、破片などでケガをする恐れがあるだけでなく、菌が繁殖しやすいところが難点です。傷や汚れが目立ってきたら、買い替えるといいでしょう。
木製
木製の食器はあまりみかけませんが、見た目がオシャレという点が飼い主さんに人気です。軽くて扱いやすいという反面、傷が付きやすく菌が繁殖しやすいというデメリットがあり、食事や水を入れっぱなしにするご家庭には、不向きかと思われます。
陶器
プラスチック製のお皿と同じく、色やデザインが豊富なものが多くみられます。傷つきにくいため、衛生的にも問題なく長期間使うことができ、丈夫で重みがあるので、噛んで破壊する心配もないでしょう。電子レンジにも対応できるので、食事を温めて与えるご家庭には、オススメの食器です。
しかし、落下には十分に注意しましょう。割れた破片を踏んでケガをしたり、飲み込んでしまったりする危険性があります。
どれがオススメ?
食事用に使う食器は、陶器がいいでしょう。陶器であれば食事をがつがつ食べる子でも、重みがある陶器であれば、動かずに食べることができます。ステンレス製かプラスチック製で食事をとる場合は、軽くて簡単に動いてしまうので、壁際や隅に置かない限りは食べにくく、ストレスとなってしまいます。
水飲み用は、ステンレス製かプラスチック製がいいかと思います。水を入れっぱなしにしてケージの中に入れておいても、破損する危険性がないからです。しかし、食器の噛み癖がある子の場合は、プラスチック製はやめた方がいいかもしれません。
食器選びのコツ②形状
犬用の食器には、平皿と深皿の2種類があります。犬のマズル(鼻先から奥歯までの口全体)によって適した食器があるので、愛犬のマズルを考慮した上で選んでいきましょう。
平皿
マズルが短い、いわゆる「鼻ぺちゃ」の犬種は、平皿の方が食べやすいでしょう。深皿で食べると目が食器のフチに近く、食べづらいだけでなくストレスを感じてしまいます。
深皿
マズルが長い犬種は深皿の方が食べやすいでしょう。深皿であっても広さが十分にあるものであれば、マズルが短い犬種でも食べやすいといえます。また、食事の動きが制限される老犬は、マズルの長さを問わず、食事が一か所にまとまる深皿に方が食べやすいでしょう。
どれがオススメ?
マズルが短い犬種は平皿、マズルが長い犬種や深皿がいいでしょう。しかし、犬種の顔や耳にも注目してみると、安易に「これがベスト!」と断言することはできません。
例えばマズルだけでなく、耳も長いゴールデンレトリバーなどの犬種は、深皿でなおかつ幅が狭い食器の方が、耳を汚さずに食べることができるでしょう。
また、子犬に大型犬用の大きな食器を使うと、前足が食器の中に入ってしまい、衛生的に良くありません。
その子その子に合った食器の大きさや形状を、成長に合わせて選ぶことが重要となります。
食器選びのコツ③目的
早食い防止
犬は食事をガツガツと早食いをしてしまう動物です。それは外敵に獲物をとられないために、早く胃の中に入れるというオオカミの習性が、今でも根付いているため仕方のないことなのです。
しかし早食いは、喉に詰まったり消化不良をおこしたりするだけでなく、「胃捻転」という重大な病気を発症する恐れもあります。
早食いを防止するには、突起が付いた食器がオススメです。突起があることよって食事を少しずつ食べ、一口でパクッと丸飲みするのを防ぐことができます。もし愛犬がものの数分、数秒で食事を食べ終わる場合は、試してみるといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬用の食器は多種多様に存在するので、愛犬に合った素材や形状、目的を考慮し、メリットやデメリットを考えた上で選ぶと良いでしょう。とはいっても犬は猫と違って、顔や頭、耳の形、体格などにかなりの差がある動物です。愛犬に合った食器を選ぶには、食べやすいかの観察と根気が必要かもしれません。
食器のデザインや可愛さだけでなく、愛犬の大好きな食事の時間にストレスを与えないよう、機能性に優れた食器を選んであげましょう。