犬はクッキー(人間用)を食べても大丈夫?
シンプルなクッキーであれば、犬が食べても問題ありません。
ただし、これは含まれるバターなどの脂質や砂糖を控えめにして、小麦粉のみで作られたような、基本的な材料のみで作られたクッキーに限られるため、注意が必要です。
また、人間用のクッキーの中には、犬にとって非常に危険な成分が含まれている種類も少なくありません。
例えば、「チョコ」や「レーズン」、「紅茶」や「抹茶」入のクッキーなどは、犬にとって中毒を引き起こす危険な成分を含んだ商品もあります。また、クッキーは糖分や脂肪分が多いため、日常的に与えるおやつとしては不適切です。
愛犬の健康を考えるなら、犬用に作られたものか、安全な材料で作った手作りクッキーなどを与えるようにしましょう。
クッキー(人間用)に含まれる栄養素と犬への健康効果
人間用のシンプルなクッキーに含まれる主な成分と、それが犬に与える影響について解説します。
小麦粉
クッキーの主成分である小麦粉は、犬にとって活動のエネルギー源となる炭水化物が豊富です。 しかし、犬によっては小麦にアレルギー反応を示す場合があります。 アレルギーを持つ犬に与えると、皮膚のかゆみや下痢などの症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
砂糖
砂糖は素早くエネルギーに変わる糖分ですが、犬の健康にとって特に有益な栄養素ではありません。 過剰に摂取すると、肥満や糖尿病、歯周病のリスクを高める原因となります。 犬は甘みを感じやすいため欲しがりますが、与えすぎないように管理することが大切です。
バター
バターに含まれる脂肪は、犬のエネルギー源になるほか、健康な皮膚や被毛を維持するのに役立ちます。 しかし、非常にカロリーが高く、過剰な摂取は肥満につながります。 また、脂肪分の多い食事は、急性膵炎という命に関わる病気を引き起こす可能性もあるため、与える量には細心の注意が必要です。
犬に与えても大丈夫なクッキーの種類
愛犬にクッキーを与える際は、犬の健康に配慮した食材で作ることが大切です。 市販品はカロリーが高いため手作りがおすすめです。 ここでは、犬に与えても安心な手作りクッキーのアイデアを紹介します。
オートミールクッキー
オートミールは食物繊維が豊富で、犬の血糖値の安定や便通の改善に役立ちます。 栄養価も高いため、健康的なおやつとしておすすめです。 使用する際は、味付けされていないプレーンなものを選びましょう。
米粉クッキー
米粉は、小麦アレルギーを持つ犬でも安心して食べられるグルテンフリーの食材です。 もちもちとした食感のクッキーが作れます。 小麦アレルギーのある犬でも安心して食べられます。
おからクッキー
おからは豆腐の搾りかすで、低カロリーでありながら食物繊維とたんぱく質が豊富です。 ダイエット中の犬や、体重管理が必要な犬のおやつに最適です。 満腹感も得やすいため、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
はちみつクッキー
はちみつは天然の甘味料で、ビタミンやミネラルが含まれています。 砂糖の代わりにごく少量使うことで、風味の良いクッキーが作れます。 ただし、カロリーは高めなので、与えすぎには注意してください。
バタークッキー
バターの香りは犬の食欲をそそります。 少量加えることで、嗜好性の高いクッキーになります。 ただし、脂肪分が非常に多いため、風味付け程度に最小限の量を使用し、頻繁に与えるのは避けましょう。
りんごクッキー
りんごはビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富です。 自然な甘みがあるため、砂糖を使わなくても美味しいクッキーが作れます。 与える際は、中毒を引き起こす種と芯を必ず取り除いてください。
にんじんクッキー
にんじんに含まれるβ-カロテンは、犬の体内でビタミンAに変換され、目の健康維持に役立ちます。 すりおろして生地に混ぜ込むことで、彩りも良く、栄養価の高いおやつになります。
かぼちゃクッキー
かぼちゃはβ-カロテンやビタミン類が豊富で、甘みも強い食材です。 食物繊維も多いため、便秘気味の犬にもおすすめです。 加熱してマッシュしたものを生地に混ぜ込むと、しっとりとしたクッキーが作れます。
さつまいもクッキー
さつまいもは食物繊維やビタミンが豊富で、犬が好む自然な甘みがあります。 腹持ちも良く、満足感を得やすいおやつになります。 加熱してペースト状にしたものを生地に加えるのが一般的です。
ミルククッキー
犬用のミルク(ラクトースフリー)を使えば、カルシウムが豊富なクッキーが作れます。 牛乳は乳糖不耐症で下痢をする犬がいるため、必ず犬専用のものを使用してください。 骨や歯の健康維持に役立ちます。
犬に与えてはいけないクッキーの種類
人間用のクッキーの中には、犬が口にすると命に関わる危険な成分を含んだものが数多くあります。 絶対に与えてはいけないクッキーの種類を覚えておきましょう。
チョコクッキー
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、犬にとって非常に有毒です。 少量でも嘔吐や下痢、重度になると痙攣や不整脈などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。 チョコレートやチョコチップが入ったクッキーは絶対に与えないでください。
ココアクッキー
ココアもチョコレートと同じカカオ豆から作られており、有毒なテオブロミンを含んでいます。 見た目がプレーンなクッキーに似ていても、ココアパウダーが練り込まれているものは危険です。 成分表示をよく確認し、カカオを含むものは避けましょう。
抹茶クッキー
抹茶や緑茶、紅茶などに含まれるカフェインも、犬にとっては毒物です。 興奮、頻脈、呼吸促迫などの中毒症状を引き起こす可能性があります。 人間にとっては健康的なイメージのある抹茶ですが、犬には与えないようにしてください。
紅茶クッキー
紅茶の茶葉が練り込まれたクッキーも、抹茶と同様にカフェインが含まれているため危険です。 カフェインは犬の神経系に作用し、少量でも中毒症状を起こすことがあります。 アールグレイなどのフレーバーティーを使ったものも同様に与えてはいけません。
アイシングクッキー
カラフルなアイシングクッキーは、大量の砂糖や着色料が使われています。 犬にとっては糖分の過剰摂取になるだけでなく、人工的な着色料が体に悪影響を及ぼす可能性があります。 見た目が可愛らしくても、犬の健康を考えて与えるのはやめましょう。
犬用クッキーの与え方
クッキーはそのまま与えずに、必ず細かく砕いてから与えてください。 特に小型犬や子犬、高齢犬は、喉に詰まらせてしまう危険性があります。
また、丸呑みしてしまうと消化不良の原因にもなります。 愛犬の口の大きさに合わせて、手で小さく割ったり、あらかじめ砕いたりしてから与えることで、窒息や誤飲のリスクを防ぐことができます。
犬用クッキーを与える場合の量の目安
犬に与えるおやつのカロリーは、1日の総摂取カロリーの10%以内が理想とされています。 例えば、体重5kgの成犬に必要なカロリーは約300kcalなので、おやつは30kcalまでに抑えるのが目安です。
人間用のクッキーは1枚で30kcalを超えることも珍しくありません。 犬用のクッキーを与える場合も、パッケージに記載されている給与量を確認し、与えすぎないように注意しましょう。 手作りする場合も、材料のカロリーを計算して量を調整することが大切です。
犬にクッキーを与えた場合の注意点
犬にクッキーを与える際には、アレルギーや肥満など、いくつかの注意点があります。 安全におやつを楽しむために、以下の点に配慮しましょう。
アレルギーの確認
クッキーの材料である小麦粉や卵、乳製品などは、犬のアレルギーの原因になりやすい食材です。 初めて与える際は、ごく少量から試し、食後に皮膚のかゆみや下痢、嘔吐などの症状が出ないか、注意深く観察してください。
肥満への配慮
クッキーは糖質や脂質が多く、カロリーが高いおやつです。 可愛いからといって頻繁に与えていると、すぐに肥満につながってしまいます。 おやつとして与えた分は、主食のドッグフードの量を少し減らすなどして、1日の総摂取カロリーを調整しましょう。
誤飲や喉詰まりのリスク
特に硬いクッキーや、愛犬の口のサイズに合わない大きなクッキーは、喉詰まりの危険があります。 慌てて食べる癖のある犬には、必ず小さく砕いてから与えるようにしてください。 飼い主がそばで見守りながら与えることも、事故を防ぐ上で重要です。
常習化させない
人間用の美味しいクッキーの味を覚えてしまうと、ドッグフードを食べなくなるなど、偏食の原因になることがあります。 また、食事中に欲しがって吠えるなどの問題行動につながる可能性もあります。 おやつはあくまで特別なご褒美とし、主食に影響が出ない範囲で与えましょう。
おすすめの犬用クッキー3選
手作りが難しい場合でも、犬の健康に配慮して作られた市販のクッキーがあります。 安心して与えられる、おすすめの犬用クッキーを3つ紹介します。
帝塚山ハウンドカム オリジナルクッキー 腎ケアプラス80g
腎臓への負担に配慮し、たんぱく質、リン、ナトリウムの量を調整して作られたクッキーです。 ヤギミルクの優しい風味が特徴で、美味しく健康をサポートします。 腎臓の健康が気になるシニア犬や、食事管理が必要な愛犬におすすめです。
by Amazon わけっこできる 犬・猫と飼い主のおやつ グルテンフリークッキー
米粉を主原料とした、小麦不使用のグルテンフリークッキーです。 香料、着色料、保存料も使われておらず、シンプルな原材料で作られています。 飼い主も一緒に食べられるのが特徴で、愛犬とのおやつタイムを共有したい方にぴったりです。
銀のさら 犬用 おやつ おいしいビスケット
多くの犬が好む、骨の形をした定番のビスケットです。 お腹の健康維持をサポートするオリゴ糖や、骨と歯の健康を保つカルシウムが配合されています。 様々な味わいのバリエーションがあり、愛犬の好みに合わせて選べるのも魅力です。
まとめ
人間用のシンプルなクッキーであれば、犬が少量食べても直ちに害はありません。 しかし、糖分や脂肪分が多く、犬にとって危険な成分が含まれている可能性も高いため、積極的には与えない方が賢明です。
愛犬の健康を第一に考えるなら、犬のために作られたクッキーや、安全な食材を使った手作りクッキーが最適です。 与える量や原材料に注意しながら、愛犬とのおやつ時間を安全に楽しんでください。