犬はグミを食べたらダメ!危険な理由と誤食してしまった時の正しい対処法

犬はグミを食べたらダメ!危険な理由と誤食してしまった時の正しい対処法

犬にグミは絶対にダメ!少量でも命に関わるキシリトールの危険性や窒息リスクを解説します。万が一、愛犬がグミを食べてしまった時の正しい対処法、すぐに病院へ行くべき症状、自己判断でやってはいけないことも紹介。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬がグミを食べてはいけない理由

ガラス容器からテーブルにこぼれ出たたくさんのグミ

グミは人間が気軽に口にするお菓子ですが、犬にとっては健康に重大な影響を及ぼす成分が複数含まれているため、決して与えるべきではありません。

特にキシリトールという糖アルコール系の甘味料や、犬の消化器官にとって負担となる添加物などが含まれ、様々な症状や健康問題を引き起こします。ここでは、グミが犬に与える具体的なリスクを詳しく解説します。

キシリトール中毒の危険性

グミに含まれるキシリトールは、人間にとっては安全でも犬にとっては非常に危険な成分です。犬が摂取すると体内でインスリンが大量に分泌され、血糖値が急激に低下する低血糖を引き起こすとされています。

少量(約0.05~0.1 g/kg)でも中毒症状が現れる可能性があり、症状として嘔吐、ふらつき、痙攣、さらには肝不全を引き起こして命にかかわる状態に至ることもあります。

グミで喉や腸が詰まるリスク

グミ特有の弾力と粘着性は、犬の食道や腸に詰まりやすく、飲み込んだ際に窒息や腸閉塞を起こす危険性があります。

特に、食べ物をよく噛まずに丸飲みする傾向のある犬にとって、窒息事故のリスクは極めて高くなります。また、腸閉塞は放置すると命に関わる重篤な状態であり、緊急手術を要することも珍しくありません。

糖分の摂りすぎで肥満や病気に

一般的なグミには砂糖や水あめなどが大量に含まれているため、犬が摂取すると肥満のリスクが高まります。肥満は関節疾患や心臓病、糖尿病を引き起こすリスクを増加させます。また、歯周病の原因にもなり、進行すると歯だけでなく内臓疾患を引き起こすこともあります。

添加物で嘔吐や下痢の恐れも

グミの主成分であるゼラチンは、適量であれば問題ありませんが、大量に摂取すると消化不良を起こし、嘔吐や下痢を引き起こす場合があります。

さらに、多くのグミに使われる人工着色料や香料などの添加物は、肝臓などの器官への負担をかけ、消化器トラブルを招く恐れがあります。

犬がグミを食べてしまった時の対処法

しょんぼりした表情で床に伏せている犬

犬が誤ってグミを食べてしまった場合は、飼い主が冷静に行動し、適切な情報をもとに迅速な対処を行うことが重要です。

特にキシリトールを含むグミは緊急性が高いため、落ち着いて状況を把握し、すぐに獣医師の指示を仰ぐ必要があります。以下では具体的な対応手順について、順を追って説明します。

愛犬がいつ・どれだけ食べたか確認

愛犬がどのような種類のグミを、どれだけの量、いつ頃食べたかを確認してください。特にキシリトールの有無は最重要です。可能であれば、パッケージや成分表示を手元に用意し、病院へ連絡する際に伝えられるようメモしておきましょう。

症状を観察し速やかに病院へ連絡

摂取後の犬の様子をよく観察します。以下の症状が一つでも見られた場合、すぐに動物病院へ連絡してください。

  • 嘔吐や下痢を繰り返す
  • ぐったりして元気がない
  • ふらつきや震え、痙攣を起こしている
  • 口元によだれが異常に多く出ている
  • 呼吸が苦しそう

自己判断で吐かせない

焦って愛犬に無理やり吐かせようとする飼い主さんがいますが、これは非常に危険な行為です。

塩やオキシドールを飲ませたり、指を喉に入れて吐かせようとしたりすると、逆に犬の消化器や呼吸器にダメージを与えることがあります。絶対に自己判断で処置をせず、動物病院に相談して指示を受けてください。

獣医に伝えるべき情報リスト

獣医師に連絡する際は、以下の情報を正確に伝えることで迅速かつ適切な処置が行われます。

  • 犬種、年齢、体重
  • 持病やアレルギーの有無
  • グミの製品名、摂取した量と時間
  • 現在の犬の状態と見られる症状

飼い主さんが冷静に情報を整理しておくことが、愛犬の命を守る最善の方法です。

グミ以外で犬に与えてはいけない食べ物

チョコレートをおねだりする犬と制止する飼い主の手

犬の健康を守るためには、人間の食べ物を安易に与えないことが重要です。人間が普段口にしている食材やお菓子の中には、犬にとって重大な中毒症状や病気を引き起こす原因となるものが数多く存在します。

ここでは、身近で特に注意が必要な食べ物について、具体的な危険性や症状とあわせて紹介します。

チョコレート

チョコレートやココアに含まれるテオブロミンは、犬にとって強い毒性を持つ物質です。摂取すると嘔吐、下痢、不整脈、痙攣を引き起こし、重症化すると命に関わる危険があります。

特にカカオ成分の多いダークチョコレートや製菓用チョコレートは危険性が高いため、厳重な管理が必要です。

ネギ類

玉ねぎや長ネギ、ニラなどに含まれる有機チオ硫酸化合物は、犬の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。

加工品でも毒性は消えないため、オニオンパウダー入りのスナック菓子や料理にも注意が必要です。摂取すると尿の色が濃くなる、元気がなくなる、呼吸が荒くなるなどの症状が出ます。

ぶどう・レーズン

ぶどうやレーズンを犬が摂取すると、急性腎不全を発症するリスクがあります。

わずかな量でも重篤な症状を起こすことがあり、摂取後数時間から数日で嘔吐や下痢、食欲不振、急激な元気消失が見られる場合があります。特にレーズンパンやお菓子などの加工品にも注意が必要です。

マカダミアナッツ

マカダミアナッツは犬にとって有毒であり、食べると12時間以内に嘔吐やふらつき、後ろ足の麻痺といった運動障害の症状が現れる可能性があります。

通常は数日で回復しますが、量によっては重篤化する恐れもあるため、マカダミアナッツ入りのお菓子の保管にも注意してください。

アルコール類

アルコール飲料や洋酒を含むお菓子などを犬が口にすると、急性アルコール中毒を引き起こす危険があります。

犬はアルコール分解能力が極めて低いため、少量の摂取でも嘔吐、ふらつき、呼吸困難や昏睡など、重篤な症状を引き起こすことがあります。絶対に与えないように注意してください。

まとめ

上から降ってくるグミを見つめる犬

犬にグミを与えるのは危険です。特にキシリトールを含むグミは犬に深刻な低血糖や肝障害を引き起こす恐れがあり、窒息や腸閉塞、肥満、消化不良の原因にもなります。

万が一、愛犬がグミを食べてしまったら、慌てず摂取した量や成分を確認し、異常が見られれば直ちに動物病院へ連絡しましょう。自己判断で無理に吐かせることは非常に危険です。

飼い主が日頃から危険な食品を把握し、適切に管理することが、愛犬の健康を守るために重要です。

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