【獣医師監修】シーズーの平均寿命は何歳?長寿例や健康に長く暮らすためのポイントを解説

【獣医師監修】シーズーの平均寿命は何歳?長寿例や健康に長く暮らすためのポイントを解説

シーズーの平均寿命は14歳前後が目安です。人間年齢に換算した場合の目安やシニア期に入る時期、23歳になった長寿例、病気と寿命の関係を解説。適正体重を保つ食事、無理のない散歩、暑さや呼吸への配慮、日常の健康チェックなど、健康に長く暮らすためのポイントも紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

シーズーの平均寿命は14歳前後が目安

並んで伏せる3匹のシーズー

シーズーの平均寿命は、14歳前後がひとつの目安です。アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度のシーズーの平均寿命は14.0歳と報告されています。

同じ資料における犬全体の平均寿命は14.1歳です。国内のペット保険データでは、シーズーの平均寿命は犬全体とほぼ同程度となっています。

この平均寿命は、アニコム損保の保険契約データをもとに作成した生命表から算出されたものです。

生命表とは、各年齢の生存状況などをもとに平均余命を推計する方法で、ここでは0歳時点の平均余命が平均寿命として示されています。

海外では、英国の一次診療データを用いた研究もあります。シーズー11,082頭を含む集団から無作為に抽出された2,423頭を調べた研究では、死亡年齢を確認できた85頭の中央値は12.7歳でした。

中央値とは、年齢を順番に並べたときに中央に位置する値です。国内データの14.0歳は生命表から算出した平均寿命、英国研究の12.7歳は実際に死亡した犬の年齢中央値であり、それぞれ異なる方法からシーズーの寿命を考えるための参考になります。

また、英国の研究では、死亡年齢についてオスとメスの間に統計的に明確な差は確認されていません。平均寿命や死亡年齢中央値は多くの犬のデータから得られた目安であり、実際に何歳まで生きるかは個体によって異なります。

シーズーの年齢とシニア期の目安

飼い主の足元に座っているシーズー

シーズーの年齢を考えるときは、実年齢だけでなく、人間の年齢に置き換えた場合の目安やライフステージも参考になります。

犬は人間とは異なる速さで成長し、加齢の進み方も一定ではありません。そのため、人間年齢への換算やシニア期に入る年齢は、健康状態や暮らし方を考えるためのおおよその目安として捉えましょう。

人間年齢に換算した場合の目安

犬の年齢を人間年齢に換算する方法はいくつかあります。小型犬で使われる換算例のひとつでは、1歳を人間の約15歳、2歳を約24歳とし、その後は犬の1年を人間の約4年として考えます。

この方法をシーズーに当てはめると、おおよその目安は次のとおりです。

  • 1歳:約15歳
  • 2歳:約24歳
  • 5歳:約36歳
  • 7歳:約44歳
  • 10歳:約56歳
  • 12歳:約64歳
  • 15歳:約76歳
  • 17歳:約84歳

たとえば10歳のシーズーなら、人間では50歳代後半ほどのイメージになります。15歳になると70歳代後半に相当し、年齢を重ねた犬として生活の変化が表れやすい時期と考えられます。

ただし、人と犬では成長や老化の仕組みが異なるため、「犬の10歳=人間の56歳」のように完全に対応しているわけではありません。年齢をイメージしやすくするための目安として活用するとよいでしょう。

シニア期に入る年齢の目安

シーズーでは、10歳前後からシニア期を意識し始めるのがひとつの目安です。

米国動物病院協会(AAHA)では、犬のシニア期について「予想される寿命の最後の25%」にあたる時期という考え方を示しています。この考え方をシーズーに当てはめると、10〜11歳前後からシニア期に入ると考えられます。

ただし、「○歳になったら必ずシニア」という一律の境目があるわけではありません。同じ年齢でも活動量や体力、体の変化には個体差があります。

年齢だけで判断するのではなく、以前より眠る時間が増えた、動きがゆっくりになったなど、日常生活で見られる変化にも目を向けながら、その犬のライフステージを考えていくことが大切です。

シーズーには23歳になった長寿例がある

ベッドの上で眠っているシニアのシーズー

シーズーには、23歳になった長寿例が報じられています。2009年には、米国フロリダ州で暮らしていた「Smokey」というシーズーが23歳になったことが海外メディアで紹介されました。

Smokeyの生年月日は1986年1月18日とされ、通院していた動物病院の記録でも確認されたと報じられています。シーズーの平均寿命が14歳前後であることを考えると、23歳は非常に長生きした例といえるでしょう。

一方で、Smokeyがシーズーの公式な世界最高齢として認定されたことを示す記録までは確認されていません。

そのため、「シーズーの最高齢は23歳」と断定するのではなく、23歳になった長寿例のひとつとして捉えるのが適切です。

平均寿命を大きく超えて暮らすシーズーもいますが、長寿例はあくまで個体ごとの記録です。平均寿命とあわせて見ることで、シーズーの寿命には幅があることを知るための参考になるでしょう。

シーズーの寿命と病気の関係

聴診器を当てられているシーズー

シーズーが病気になったとしても、病名だけから「あと何年生きられる」と一律に判断することはできません。同じ病気でも、発症した年齢や進行度、治療への反応、ほかの持病の有無などによって経過は異なります。

たとえば心臓病には複数の種類があり、症状がほとんどない段階から治療が必要な状態までさまざまです。皮膚病についても原因や重症度には幅があるため、病名だけで寿命への影響を判断することはできません。

シーズーでは、目の健康にも注意したいところです。日本で眼科診療に携わる獣医師を対象とした調査では、シーズーで角膜や涙液などに関係する眼表面疾患がよく挙げられています。

また、シーズーは鼻先が短い短頭種で、鼻や喉などの構造によって空気の通りが悪くなる「短頭種気道症候群(BOAS)」がみられることがあります。

症状の程度は個体によって異なり、呼吸への影響が大きい場合には治療が必要になることもあります。

病気と寿命の関係を考えるときは、「シーズーだから」「この病気だから」と年数を決めつけるのではなく、その犬の病状や全身状態を個別に見ることが大切です。

診断を受けた場合は、病気の進行度や治療方針、今後予想される経過について獣医師から説明を受けるとよいでしょう。

シーズーが健康に長く暮らすためのポイント

飼い主が手に持つ食器を見上げるシーズー

シーズーを確実に長生きさせる方法はありませんが、日々の食事や運動、生活環境を整え、体調の変化に早く気づくことは健康維持につながります。

犬全般に共通する基本的な健康管理に加えて、シーズーでは体重管理や目の状態、短頭種としての呼吸や暑さへの配慮も意識しておきたいポイントです。

適正体重を保ち、年齢に合った食事を与える

食事は、年齢や体格、活動量、健康状態に合った内容と量を選ぶことが基本です。年齢を重ねて活動量が減ると、若いころと同じ量を食べていても体重が増えやすくなる場合があります。

一方、高齢になって体重が減ってきた場合は、単純に食事量を増やせばよいとは限りません。

食欲の低下や筋肉量の減少だけでなく、病気が関係していることもあるため、理由の分からない体重変化が続く場合は獣医師へ相談しましょう。

体型を確認するときは、体重の数字だけでなく、肋骨への触れやすさや腰のくびれなどをみる「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」も参考になります。

BCSとは、犬の脂肪のつき方から太りすぎや痩せすぎを評価する方法です。

無理のない散歩と運動を続ける

健康状態に合った散歩や運動を続けることは、筋肉や関節の機能を保ち、日常生活に刺激を与えるうえでも大切です。

ただし、年齢を重ねたシーズーに若いころと同じ速さや運動量を求める必要はありません。その日の体調や気温、呼吸の様子を見ながら、歩く時間や距離、ペースを調整しましょう。

以前より疲れやすくなった、散歩の途中で頻繁に立ち止まる、歩きたがらなくなったなどの変化が続く場合は、単に年齢のためと決めつけず、体調に問題がないか確認することも大切です。

呼吸に配慮して暑さを避ける

シーズーは鼻先が短い短頭種のため、暑さや激しい運動による呼吸への負担に配慮する必要があります。鼻や喉などの構造によって空気の通りが悪くなる「短頭種気道症候群(BOAS)」がみられることもあります。

暑い時期は日中の散歩を避け、比較的涼しい時間帯を選びましょう。室内でも冷房などを利用し、過度に暑くならない環境を整えることが大切です。新鮮な水もいつでも飲めるようにしておきます。

過ごしやすい室温や湿度は、その日の気候や犬の健康状態によっても変わります。気温の数字だけではなく、呼吸の速さや活動性、落ち着いて休めているかなど、愛犬自身の様子も確認しましょう。

普段より明らかに呼吸が苦しそうな場合は運動を中止し、涼しい場所へ移動させます。呼吸困難が続く、ふらつく、倒れる、舌や歯ぐきの色に異常がみられるなどの場合は、速やかに動物病院へ連絡・受診してください。

日常の健康チェックと定期健診を続ける

体調の変化に早く気づくためには、元気なときの愛犬の状態を知っておくことが大切です。食欲や体重、呼吸、歩き方、排泄などを普段から確認しておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。

シーズーでは目の状態も確認し、涙や目やにが増えていないか、充血していないか、目をしきりにこすっていないかなどを見ておきましょう。

高齢になると変化が少しずつ進むこともあります。定期的に体重を量ったり、以前の写真や動画と姿勢や動き方を比べたりすることも、日常の変化に気づく手がかりになります。

健康診断を受ける頻度は、年齢や健康状態、持病の有無などによって異なります。定期的な健診を続けながら、普段と違う様子がみられた場合は次の健診まで待たず、早めに獣医師へ相談しましょう。

まとめ

芝生の上を楽しそうに歩くシーズー

シーズーの平均寿命は14歳前後がひとつの目安ですが、実際に何歳まで暮らすかは一頭ごとに異なります。平均寿命や長寿例は、愛犬の将来を考えるための参考として捉えるとよいでしょう。

年齢を重ねるにつれて、食欲や体重、活動量、呼吸、目の状態などに変化がみられることがあります。こうした変化を「年齢のせい」と決めつけず、普段との違いに気づくことが大切です。

日々の食事や運動、暑さへの配慮、健康チェックなどを無理なく続けながら、その時々の年齢や健康状態に合った暮らしを整えていきましょう。気になる変化があるときは、早めに獣医師へ相談することも大切です。

はてな
LINE
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい