パグとは
- 犬種名:パグ(Pug)
- 原産国:中国
- 大きさ:小型犬
- 体高:25~33cm程度
- 体重:6.3~8.1kg程度
- 被毛:短毛/多くはダブルコート
- 毛色:シルバー、アプリコット、フォーン、ブラック
- 性格:愛嬌があり、明るく活発で、安定した性格
- 寿命:12~15歳程度
パグ(英語表記:Pug)は、中国を原産とする小型のコンパニオン・ドッグ(愛玩犬)です。
人と一緒に暮らす家庭犬として世界各地で親しまれており、日本でも広く知られている犬種のひとつです。
インターネットやペット販売の情報では、「豆パグ」「ミニパグ」「ティーカップパグ」などの名称を見かけることがありますが、これらは独立した犬種や正式なサイズ区分ではありません。
いずれも一般的なパグより小ぶりな個体を示す際などに使われる通称であり、基本的には同じパグという犬種に含まれます。
パグの性格
パグは明るく愛嬌があり、人との触れ合いを好む親しみやすい性格の犬です。飼い主や家族のそばで過ごすことを好み、甘えん坊な一面を見せることもあります。
一方で、マイペースで自分なりのこだわりを持ち、時には頑固に見えることもあります。ただし、性格の現れ方には個体差があり、子犬期の社会化や日頃の接し方、生活環境などによっても変わります。
比較的穏やかで社交的な傾向がありますが、子どもやほかの犬と暮らす場合は相性を確認しながら少しずつ慣らしていくことが大切です。
性格面では人と暮らしやすい犬種ですが、寂しがり屋な面もあるため、長時間の留守番には徐々に慣らしていきましょう。
パグの歴史
パグは中国を原産とする非常に古い犬種で、その起源には諸説あります。古くから中国で愛玩犬として大切に飼育され、王侯貴族にも親しまれてきたとされています。
16世紀頃になると、中国との交易を通じてヨーロッパへ渡り、特にオランダで人気を集めました。オラニエ公家でも愛され、その後はイギリスをはじめとするヨーロッパ各地へ広まっていきます。
19世紀のイギリスではヴィクトリア女王もパグを愛好し、上流階級を中心に人気が高まりました。こうした長い歴史を経て、パグは愛玩犬として世界各地で親しまれる犬種となっています。
パグの特徴
パグは、丸みのある大きな頭部と短いマズル、額に刻まれたしわ、大きな目、背中の上に巻いたしっぽが印象的な犬種です。小柄ながら骨格がしっかりしており、筋肉のついた引き締まった体つきをしています。
全体的にコンパクトでまとまりのある体型をしており、短い鼻を持つ短頭種ならではの個性的な表情も大きな魅力です。
パグの大きさ
パグは小型犬に分類され、成犬の体重は6.3~8.1kg程度が理想とされています。体高には個体差がありますが、25~33cm程度がひとつの目安です。
体高のわりに骨量があり、胸幅も比較的しっかりしているため、小型犬のなかでもずっしりとした体格に見えます。成長の仕方には個体差があるため、体重の数字だけでなく、体型を見ながら適正な状態を保つことが大切です。
パグの被毛タイプ
パグの被毛は短く滑らかで、光沢のある毛質が特徴です。多くの個体は、上毛と下毛を持つダブルコートで、短毛ながら抜け毛は比較的多い傾向があります。
被毛が長く伸び続ける犬種ではないため、定期的なトリミングで全身をカットする必要は基本的にありません。季節の変わり目には抜け毛が増えやすく、衣類や家具に短い毛が付着することもあります。
パグの毛色の種類
パグの代表的な毛色は、フォーン、ブラック、アプリコット、シルバーの4種類です。
- フォーン
- ブラック
- アプリコット
- シルバー
フォーン、アプリコット、シルバーでは、マズルや耳などに黒い色が入るのが特徴です。なかでもフォーンはよく見られる毛色で、淡い黄褐色の被毛と黒いマスクのコントラストがパグらしい表情を引き立てます。
ブラックは全身を黒い被毛が覆う毛色で、「黒パグ」の愛称でも親しまれています。ホワイトなどの個体を見かけることもありますが、パグの標準的な毛色には含まれません。
パグの価格相場
パグの子犬の販売価格は、20万円台を中心に幅があり、個体によっては10万円台から40万円台以上になることもあります。
価格は月齢や性別、血統、毛色、親犬の実績などによって変わるため、高ければ健康で、安ければ問題があると一概に判断することはできません。
子犬を迎える際は、価格だけでなく健康状態や飼育環境、販売者から受けられる説明なども確認することが大切です。
また、生体価格のほかにも、ケージやトイレ用品、食器、フードなどをそろえる初期費用がかかります。
迎えた後は食費や予防医療費、日用品代なども継続して必要になるため、購入費だけでなく飼育にかかる費用も含めて検討しましょう。
パグのブリーダーを探す方法
パグのブリーダーを探す場合は、まずブリーダー直販サイトや犬舎の公式サイトなどで、パグを繁殖しているブリーダーを探す方法があります。
気になるブリーダーが見つかったら、所在地や飼育環境、子犬や親犬の情報、これまでの実績などを確認して候補を絞りましょう。
日本では、子犬を購入する際に販売事業所で実際の子犬を確認し、対面で説明を受ける必要があります。見学時には子犬だけでなく、可能であれば親犬の様子や飼育スペースの衛生状態なども確認しておくと安心です。
パグは短い鼻を持つ犬種のため、親犬の呼吸状態や健康情報についても確認しておきたいポイントです。
健康診断や検査についてどのような取り組みをしているか、子犬を迎えた後に相談できる体制があるかなども質問してみましょう。
「極小」「珍しい毛色」といった見た目だけで決めるのではなく、子犬の健康状態やブリーダーの飼育方針、説明の丁寧さなどを総合的に確認し、納得できる相手から迎えることが大切です。
パグの飼い方
パグと暮らすうえでは、食事や運動だけでなく、暑さへの配慮や日々のお手入れも大切です。短い鼻を持つため暑さに弱く、特に夏場はエアコンを利用して涼しい室内環境を保ちましょう。
また、食欲旺盛な個体も多いため、フードやおやつを与えすぎず、体型を確認しながら適切な食事量を保つことが重要です。床が滑りやすい場合はマットを敷くなど、室内で安全に過ごせる環境も整えておきましょう。
パグの運動量
パグにも毎日の散歩や適度な運動が必要です。散歩は1日2回、1回20~30分程度をひとつの目安とし、年齢や体調、気温、呼吸の様子に合わせて無理のない範囲で調整しましょう。
長時間走らせたり激しい運動を続けたりすると、呼吸に負担がかかることがあります。特に暑い時期は日中を避け、早朝や夕方以降の涼しい時間帯を選ぶことが大切です。
散歩中に激しく息をする、歩きたがらない、休んでも呼吸がなかなか落ち着かないといった様子が見られたら、運動を中止して涼しい場所で休ませます。
呼吸が苦しそうな状態が続く場合や、ぐったりするなどの異変がある場合は、速やかに動物病院へ相談してください。
雨の日など屋外で十分に運動できないときは、室内遊びや知育玩具を取り入れると、活動量を補いながら気分転換にもつながります。
パグのしつけ方
パグのしつけでは、できたことを褒めながら教える方法が向いています。大きな声で叱ったり無理に従わせたりするのではなく、おやつや遊びなどを利用して、望ましい行動を繰り返し覚えさせていきましょう。
子犬の頃から、トイレ、呼び戻し、甘噛み、拾い食いをしないことなど、日常生活に必要なルールを少しずつ教えていきます。集中が続きにくいときは、1回の練習を短くして毎日繰り返すほうが取り組みやすくなります。
おやつをご褒美に使う場合は、その分も1日の摂取量に含めて調整しましょう。家族によってルールが変わらないよう、声かけや対応をできるだけ統一することも大切です。
パグのケア方法
パグは顔のしわに皮脂や汚れ、湿気がたまりやすいため、定期的に状態を確認して清潔に保ちます。汚れている場合は、湿らせた清潔な布などでやさしく拭き取り、その後は水分が残らないよう乾かしましょう。
大きな目は傷や異物の影響を受けやすいため、充血や目やに、涙の量などを日頃から確認します。耳についても汚れや臭いがないかをチェックし、異常が続く場合は動物病院へ相談してください。
短い顎に歯が密集したり重なったりしやすいため、子犬の頃から歯磨きに慣らしておくことも大切です。歯ブラシを使ったケアを基本に、無理のない範囲で習慣化していきましょう。
短毛でも抜け毛が多いため、定期的なブラッシングで抜けた毛を取り除きながら、皮膚に赤みや湿疹などがないかも確認します。日々の手入れを通して小さな変化に気づきやすくしておくことが、健康管理にも役立ちます。
パグの寿命と病気
パグの平均寿命は、12~15歳程度が目安とされています。寿命には個体差があり、日々の健康管理や生活環境などによっても変わります。
健康に長く暮らすためには、食事や運動のバランスを整えて適正な体型を保つとともに、日頃から呼吸や目、皮膚、歩き方などの変化を観察することが大切です。
気になる症状がある場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
パグのかかりやすい病気
パグは体の構造や遺伝的な要因などから、呼吸器や目、皮膚、神経などのトラブルがみられることがあります。代表的な病気と、気づきたい症状を知っておきましょう。短頭種気道症候群や皮膚トラブル、膝蓋骨脱臼などは、パグで注意したい病気として知られています。
短頭種気道症候群
短頭種気道症候群は、狭い鼻孔や長い軟口蓋などが原因となり、空気の通り道が狭くなる病気です。
大きないびきやガーガーという呼吸音、少しの運動で息が上がるなどの症状がみられます。呼吸が苦しそうな状態や舌が青紫色になる、倒れるなどの異変がある場合は、速やかに動物病院を受診してください。
角膜潰瘍
角膜潰瘍は、目の表面にある角膜が傷ついて炎症を起こす病気です。
目をしょぼしょぼさせる、涙や目やにが増える、前足で目をこするといった症状がみられます。悪化すると角膜の深い部分まで傷が及ぶことがあるため、目の異常に気づいたら早めに診察を受けましょう。
乾性角結膜炎(ドライアイ)
乾性角結膜炎は、涙液の分泌量が減少することで目の表面が乾燥し、角膜や結膜に炎症が起こる病気です。
粘り気のある目やにや充血、目の濁りなどがみられることがあります。治療方法は状態によって異なるため、症状が続く場合は獣医師の診察を受けましょう。
色素性角膜炎
色素性角膜炎は、角膜への慢性的な刺激などによって黒褐色の色素が沈着する病気です。
進行すると視界に影響することがあるため、目の充血や目やになどの異常を放置せず、原因となる目のトラブルを適切に管理することが大切です。
皮膚炎
パグは顔のしわなどに皮脂や湿気がたまりやすく、細菌やマラセチアなどの酵母様真菌が増えて皮膚炎を起こすことがあります。赤みやかゆみ、べたつき、臭いなどが続く場合は動物病院を受診しましょう。
壊死性髄膜脳炎
壊死性髄膜脳炎は、脳に炎症や壊死が起こる重篤な神経疾患で、パグで発症が知られています。
「パグ脳炎」と呼ばれることもあり、けいれん、ふらつき、同じ方向へ回り続けるなどの神経症状が現れることがあります。異変がみられた場合は、速やかに動物病院を受診してください。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨が本来の位置から外れる病気です。歩いている途中で後ろ足を上げる、スキップするように歩くなどの症状がみられることがあります。
歩き方に違和感がある場合は早めに診察を受け、日常生活では滑りやすい床や高所からの飛び降りによる足腰への負担を減らしましょう。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が突出して脊髄を圧迫する病気です。
背中や首を痛がる、歩き方がふらつく、足に力が入りにくいなどの症状がみられます。症状によっては急速に悪化することもあるため、麻痺や強い痛みなどがみられた場合は速やかに受診してください。
まとめ
パグは、中国を原産とする小型犬で、短いマズルや深いしわ、大きな目、くるりと巻いたしっぽが印象的な犬種です。
明るく人との触れ合いを好む一方、マイペースで頑固な一面を見せることもあります。小柄ながら骨格がしっかりしており、短く滑らかな被毛と、フォーンやブラックなどの毛色も特徴です。
毎日の散歩や食事管理に加え、暑さへの配慮、顔のしわや目、歯、被毛のお手入れも欠かせません。短頭種気道症候群や角膜潰瘍、皮膚炎など、パグで注意したい病気についても理解しておくことが大切です。
見た目や価格だけで判断せず、犬種の特徴や必要なお世話、健康面まで理解したうえで、自分の生活環境に合っているかを十分に検討して迎えましょう。



