病気になるとお薬を処方されることが多いです。
飲み薬や目薬、点耳薬に塗り薬など症状によって様々です。
お薬をあげるというのは飼い主にとっても大変なことですが、病気を治すためには避けて通れないものです。
今回は飲み薬について、動物看護師として伝えたいことをまとめました。
薬を飲ませることは可哀想なことではない!
『無理矢理薬をのませるのが可哀想で飲ませられない…』
こう言われる方は意外と多いです。職場の動物病院でもよく耳にします。でも、お薬を飲ませることはそんなに可哀想ですか?薬ですから当然おいしいものではありません。数日注射に通えば治るものもありますが、生涯薬を飲まなければならない病気もたくさんあります。
薬さえ飲めればある程度元気になる病気も多いのに、飼い主さんの可哀想という気持ちで体が辛い思いをするわんちゃんは可哀想ではないのでしょうか?人それぞれ考え方は様々です。なるべく辛い思いをさせずに生活させたい、というのはどの飼い主さんも望んでいることだと思います。しかし、その考えと薬を嫌がるからやめよう。ということはまた別の話なのではないかと私は思います。
実際に『ちゃんと薬を飲んでたら、まだ長生き出来たかもしれないのに…』と思うことは多いです。私たちは助けるためにお薬を処方し、治療しますが飼い主さんがお薬を飲ませてくれないと治療自体が成立しません。まずはなぜ薬を飲まさなければならないのか。というところをきちんと考えてもらいたいと思っています。
薬をのませるために。
なんでも食べてくれる子は、お薬もある程度楽に飲ませられることが多いです。逆に神経質な子や食が細い子、嫌なことをすると噛む子は難しいようです。薬の飲ませ方は食べ物に混ぜる方法やスポイトで飲ませる方法、口を開かせて直接飲ませる方法など様々です。まずは色々試してみて、愛犬に合った方法を見つけてみてください。私も様々な方法を知ってはいるのですが、文章で伝えるとかえって分からなくしてしまうこともあるので、飲ませ方は処方してもらった病院で聞いたりインターネットで画像付きのものを探してみることをおすすめします。
そして、わんちゃんが自ら食べる以外の方法を取る場合のアドバイスが1つあります。それは嫌がっていてもどうにかあげられそうな場合は絶対に途中でやめないことです。
途中でやめてしまうとわんちゃんも『こうすればやめてもらえる』ということを学習しますし、同じことをもう一度されるとわんちゃんも逃げたり一度目より嫌がることがあります。お薬の時は飼い主さんも心を鬼にして頑張る必要があります。お薬を飲ませることはわんちゃんと飼い主さんが二人三脚で頑張らなけらばならないことです。どうか大切な愛犬のためにも飼い主さんが一生懸命になってあげてください。
投薬をしなければならない期間をしっかり守ること!
お薬をもらう時にはどのくらいの期間飲まなければならないのか、大体の病院では説明があると思います。飲みきりで終わりと言われたならもらった分は全部飲ませきることが大切です。少しよくなったからと自己判断でやめてしまうと病気をぶり返してしまい治療が長引くケースもあります。なのでもらった分はしっかり飲みきりましょう。また病気によっては一ヶ月飲んだあとに再度検査を行うこともあります。その場合はしっかり一ヶ月飲ませてきちんと検査に行くことをおすすめします。一ヶ月後の再検査は、薬がきちんと効いているのか確かめるために行いますので効いていない場合は薬を変えたり別の病気を考えることもあります。せっかく一ヶ月お薬を飲んだのですから病気が治るまで飼い主さんもわんちゃんと供に頑張っていきましょう。自己判断で投薬をやめないで!
そして、生涯お薬が必要になった場合。わんちゃんが少しでもおだやかに過ごせるようにお薬を飲ませてあげるのが飼い主さんの役目なのではないかと思います。毎日飲まなければならないお薬は、調子が良さそうだからといってやめてもいいものではありません。お薬を飲んでいてきちんと効いているから調子がいいのだと思って欲しいです。わんちゃんは話すことが出来ないので見た目で調子がいいのか悪いのかを判断するのは難しいです。調子が悪くても元気に振る舞う子もいます。もし、調子がいいので薬をやめてみたいと思ったときは必ず獣医師に相談してください。決して自己判断はしないで欲しいと思います。飼い主さんの勝手な判断が、最悪な事態を招くこともあるということを忘れないでください。少しでも多くのわんちゃんが救われるように。
薬を飲ませることは簡単なことではありません。それが毎日となると、飼い主さんも疲れてしまうこともあると思います。病気に対する考え方は飼い主さんによって様々で何が正しいとか何が正しくないなんてことは分かりません。ですが『嫌なことをしたくない。』だとか『無理矢理やるなんて可哀想。』という考えでお薬を飲ませられないと言われると、とても無責任だなと思います。飲めば治るのに飲ませない、飲まないと辛いのに飲ませない。飲ませられないと決めつけて愛犬を苦しめているのは飼い主さんの考え方のせいかもしれません。せっかく病気に気づいて病院に連れてきたのですから、最後まで治療を頑張ってもらいたいと思います。大切に思うのなら嫌がっていることをやる勇気、というのも必要なのではないでしょうか。
あなたの愛犬は、無理矢理薬を飲まされたくらいのことであなたのことを嫌いになることはありません。わんちゃんたちはそんなことで嫌うほど薄情な生き物ではないです。わんちゃんの『生きる』という気持ちを支えるのは飼い主さん以外に存在しません。わんちゃんが大切なら、飼い主さんが一生懸命治療に取り組んで下さい。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
しかし救世主が発売され→以前にゃんチュールと言うペースト状のササミなど(味は色々)系が1回分のスティックになった猫ちゃん用の物が販売されていてついに犬用ワンチュールがだいぶん前に発売されましたので、まず100均で陶器のミニスリ鉢を購入しそこに各種薬をまとめて入れ100均のミニスリコギで粉々にしますとちょうど1回分のワンチュールに混ぜる事が出来ました。
結果は自ら喜んでお薬を飲む(食べる?)羽目に。笑。我が家は以来お薬はこのパターンです。