犬の下痢の原因とは?
飼い主さんが気づいてあげることができる症状のひとつに“下痢”があります。
愛犬が下痢をしてしまったとき、病院に連れて行ってあげた方が良いのか、元気だから自宅で様子をみれば良いのか、迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬が下痢をしてしまったときは、適切な判断と対処が必要になります。
下痢をする前の様子はどうだったのか、下痢をした後の様子はどうなのか、前日に食べたものや当日に食べたものは何だったのかなどを把握し、ご自分で判断することができない場合には、それらの内容を獣医さんに伝えましょう。
年齢別に考えられる下痢の原因について
若齢である場合
- 寄生虫
- 感染症
- 誤食
- 未消化
若齢から中年齢である場合
- 膵臓に異常がある
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
中年齢から老齢である場合
- 膵臓に異常がある
- 炎症性の腸疾患
- 腫瘍
年齢別には上記のようなことが下痢の原因になったのではないかと考えることができます。
中年期・老齢の場合でもフード変更や感染などの一般的な原因も考えられますが、短期的に内服薬を飲んでも改善しない場合は上記のような病気も考える必要があります。
下痢を発症しやすいとされている犬種について
炎症性の腸疾患を発症しやすい犬種
- ジャーマンシェパードドッグ
腸リンパ管拡張症を発症しやすい犬種
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
膵外分泌不全を発症しやすい犬種
- ジャーマンシェパードドッグ
- ウェルシュコーギー
膵炎を発症しやすい犬種
- ヨークシャーテリア
- ミニチュアシュナウザー
大腸炎症性ポリープ
- ミニチュアダックスフンド
会陰ヘルニア
- ウェルシュコーギー
- ミニチュアダックスフンド
組織球性潰瘍性大腸炎
- ボクサー
- フレンチブルドッグ
小腸性の下痢の原因と疾患について
小腸性の下痢である場合、便の量が増加する・嘔吐する・食欲が低下するなどの症状がみられることがあります。
小腸疾患による下痢の原因として考えることができるもの
- 感染性腸炎(ウィルス、細菌など)
- 寄生虫
- 炎症性腸疾患
- 抗菌薬反応性腸症
- リンパ管拡張症
- 浸潤性腫瘍(リンパ腫、肥満細胞種など)
- イレウス(重積、腫瘍、肉芽腫、狭窄、異物)
肝疾患による下痢の原因として考えることができるもの
- 肝不全
- 門脈圧亢進症
- 肝外胆道閉塞
消化器以外の疾患による下痢の原因として考えることができるもの
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
- 糖尿病
- 腎疾患(ネフローゼ症候群、尿毒症)
- 敗血症
- 子宮蓄膿症
- など
大腸性の下痢の原因と疾患について
大腸性の下痢である場合、便の量が減少する・粘液がある・鮮血がある・嘔吐するなどの症状がみられることがあります。大腸性の下痢は犬に多いとされています。
大腸炎による下痢の原因として考えることができるもの
- 感染性腸炎(ウィルス、細菌など)
- 寄生虫
- 炎症性腸疾患
- ミニチュアダックスフンドの炎症性ポリープ
- 組織球性潰瘍性大腸炎
閉塞性大腸疾患による下痢の原因として考えることができるもの
- 巨大結腸
- 肉芽腫
- 狭窄
- 異物
- 外部からの圧迫
肛門周囲疾患による下痢の原因として考えることができるもの
- 肛門嚢炎
- 肛門周囲フィステル
- 会陰ヘルニア
下痢をしたときに確認すること
- ①急に下痢が起こってしまったのか
- ②慢性的な下痢なのか(何日続いているのか)
- ③前日または当日の食事の内容について
- ④誤食してしまった可能性はあるのか
- ⑤薬やサプリメントの服用はあるのか
- ⑥下痢以外の症状はあるのか
- ⑦感染症の可能性はあるのか
獣医さんに診察していただく際、上記のようなことを伝えることで診断もしやすくなります。下痢でも検便が可能なので、ビニールや容器に入れて持って行くと良いです。
上記のような判断材料があるだけで、獣医さんも診察や診断がしやすくなりますし、無駄な検査をすることなく、愛犬への負担も減らすことができます。
まとめ
下痢の原因は年齢によって多少の違いはありますが、何歳になっても下痢をしてしまう可能性はあります。ストレスや環境の変化によって下痢をしてしまう犬もいます。
私の愛犬は胃腸が弱く、下痢はしなくてもお腹がギュルギュルと鳴って痛そうにすることがありますし、下痢をすることもあります。
獣医さんに相談し、自宅に常備薬を用意しており、必要に応じて与えるようにしています。季節の変わり目や気温の変化によって胃腸に炎症を起こしやすい犬もおり、下痢の原因になることがありますが、とくに子犬や中年齢や老齢の犬に多いようです。