犬の常同行動
ずっと同じ行動をしていることを、常同行動と言います。動物園等で、クマがずっと右に左にうろうろしていたり、ゾウがずっと揺れていたりするのも、常同行動です。
犬の主な常同行動
犬の場合、足を舐めたりかじったりし続ける、尻尾を追いかけ続けるなどがあります。
特に尻尾を追いかけてぐるぐる回っている姿は、ほほえましく映るようで、問題行動と認識しない飼い主さんもいます。
犬の常同行動の主な原因
ズバリ一言で表すと、「ストレス」が原因となっています。このように書いてしまうと身も蓋もないのですが、現代社会人間もたくさんのストレスを抱えて生活していますが、犬もまた人間には計り知れないストレスを抱えていることが多いようです。
- 運動不足
- 飼い主にかまってもらえない
- 生活環境の急激な変化
- 飼い主が仕事を始めたことにより、留守番の時間が増えた
- 飼い主に子供が生まれたため、犬に目があまり向かなくなった
- 飼い主が結婚して同居人が増えた
- 多頭飼いの場合、仲の良かった片割れが亡くなった
- 犬がボスになってしまい、家族を守らなきゃと常にピリピリしている
などが考えられます。もちろん、病気が原因の場合もありますので気になる際は獣医さんに相談しましょう。
犬のストレスを解消する方法
運動不足に関しては、まず愛犬の作出された目的を知りましょう。
例えば、最近人気が出てきているボーダーコリー。彼らは牧羊犬です。牧羊犬は仕事で平均1日に30kmは走ります。多い犬ですと100kmを超えることもあるそうです。
また、人気犬種であるダックスフンドも、そもそもは猟犬です。引き綱でふらふら歩かせるだけではなく、たまには思いきり走らせてあげましょう。
鳥猟犬は山一つ平気で走りまわれます。
作出の目的を知れば、運動量は想像できると思います。現代の犬は運動不足の傾向があります。飼い主さんもそれぞれ生活があるので、連日の運動など大変なこともあると思います。そんな時は仕事が休みの日にドッグランなどへ行って、たっぷり走らせてあげましょう。社交性のある犬であれば、他の犬と遊ばせてあげることも大いに有効です。
かまってもらえないで、気をひくためにそのような行動を取る犬もいます。でも、飼い主さんも生活があるので24時間べったり構うのは不可能です。ですから、遊ぶ時間は何をおいても愛犬と、徹底的に遊び、遊ばない時間とのメリハリをしっかりつけてあげてください。
生活環境の急激な変化は、少しずつ慣らしていくほかありません。やはり遊んであげる時間と、そうじゃない時とをはっきり分けてあげてください。遊べないときはおもちゃなどで紛らわせてあげたり、うんと遊んでゆっくり寝かせてあげるのもいいでしょう。
犬がボスになってしまった場合。まず、犬は明確な序列社会で生活しています。一度順位が決まると、それを覆すのは並み大抵のことではありません。しかし、犬がボスであると何かと不都合です。出かけるたびに吠えられたり、触ろうとして噛みつかれたりと、問題行動が起きてしまいます。それを防ぐためにも、幼少の頃からきちっと犬が家族の中で最下位であるということを教育していく必要があります。
また、もう大人の犬で飼い主さんの努力ではどうしようもなくなってしまった場合、もしくは子犬さんを家族に迎え入れた場合、プロに相談してみるのも一つです。適切な施設で適切な訓練をすることによって、犬が良くなって帰ってきます。しかし、帰ってきてからも飼い主さんは努力を怠らないようにしてください。甘やかしてしまうと、また元に戻ってしまいます。
あとは、飼い主さん自身が飼い主さんの環境にあったわんちゃんを選ぶことも大切です。
犬の常同行動の弊害
よくあるのが、足先をなめ続けることによって、よだれで足先の被毛が赤茶色に焼けてしまうことがあります。これは見栄えが悪いだけで、特に問題がないかといえば、とんでもありません。
赤茶色に焼けているだけでしたら、確かに問題はありませんが、なめ続けることによって、細かい傷ができます。そしてそこに雑菌が侵入してただれたり、指が腫れたりなどの炎症が起きてしまいます。そうなると、犬はさらに足先が気になるようになるので、なめ続けます。そして炎症が悪化していくという、悪循環になってしまいます。
まず、エリザベスカラーなどで足先をなめられないようにします。病院へ行き、薬をもらってきましょう。それと同時に、何が原因なのか、場合によっては、細菌や真菌感染、寄生虫やアトピー、アレルギーなどの病気が隠れていることもあります。しっかり診察してもらって、ストレス以外の原因がないのであればストレスの解消になるよう、日常生活を見直してみましょう。
尻尾を追いかけてかじるのも同じです。噛むことによって、毛が抜け、皮膚に小さな傷ができます。そこに雑菌が侵入すると炎症が起きます。そうなると犬は今まで以上に気になって、尻尾を追いかけてかじるようになります。
尻尾の場合も、エリザベスカラーは有効です。病院へ行って薬をもらってきましょう。
まとめ
犬がずっと同じ行動をしている場合、犬からの「暇だよー。」「もっと私を見てよー」というサインの場合が多いです。気を付けていれば病院に行かなくて済みます。そのためにも愛犬をしっかり見てあげてくださいね。