犬の反応から読み取れる8つの病気

犬の反応から読み取れる8つの病気

言葉を喋ることのできないわんこは、体調が悪くても直接飼い主さんに訴えることはできません。今回は、わんこの反応や仕草を見ることで読み取れる病気をご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

触ると嫌がるとき

頭上を警戒している犬

頭や身体を撫でようとすると嫌がる、いつもはさせてくれるブラッシングやマッサージをさせてくれない、抱っこしようとすると逃げて行ってしまう等、触られることを嫌がっている場合には、その部分に痛みを感じている可能性があります。

骨折

特に手足の特定の箇所を触ったときに嫌がる場合には、まず骨折の可能性を疑いましょう。手足を骨折している場合には、びっこを引いたり、特定の手足をかばうような仕草をあわせて見られたりするはずです。

骨折した直後に痛みが出なくても、しばらくしてから痛みが出てくる場合もあるので、「骨折するようなことは何もなかったはずだけど」と思っても、異常を感じたら確認してあげましょう。

緑内障

頭を撫でられるのを嫌がる場合、意外かもしれませんが、眼の病気が関係していることがあります。緑内障は眼の強い痛みを伴う病気のため、発症するとその激しい痛みで頭を触られることを嫌がる場合があります。

他にも、まぶたのけいれんや涙を流す、目やにが増えるといった症状を伴います。早急に治療しないと、最悪は失明に至る病気なので、おかしいと思ったらすぐに動物病院を受診しましょう。

椎間板ヘルニア

背中や腰を触られるのを嫌がるようになったり、抱っこを嫌がるようになったりする場合には、椎間板ヘルニアの疑いがあります。椎間板ヘルニアは、背骨の軟骨や椎間板の組織の損傷等により、神経や脊髄が圧迫される病気です。強い痛みや麻痺症状を伴います。

遺伝性の要因もありますが、ソファからの飛び降りや階段の上り下りが負担となって発症してしまうこともあるので、注意が必要です。緑内障と同様に、早期発見・早期治療がとても重要な病気です。

食べ物を片方のみで噛んでいるとき

フードを食べている子犬

ごはんやおやつを食べるときに、片方の歯のみを使って食べているようなようすがある場合には、使うことを避けている側の歯もしくは口腔内に何らかの異常がある可能性があります。

歯周病

人間と同様に、わんこも歯と歯茎の間に歯垢が溜まることで歯周病を発症します。症状は歯茎の腫れや出血、歯のグラつき等、人間と同じですが、わんこの場合、気づかずに放置してしまうとマズルに穴が開いて膿が出てきたり、顎の骨が骨折してしまったりするような、大きなトラブルに発展してしまいます。日常の歯みがきでしっかり予防してあげることが大切です。

身体を丸めて寝ているとき

丸くなって寝る犬

気温が低く寒いところで身体を丸めて寝るのは普通のことですが、夏場やしっかり暖房の効いた部屋等、暖かいにもかかわらず身体をきゅっと丸めて寝ている場合には、お腹に痛みを抱えていてそれに耐えていたり、お腹を守ろうとしている可能性があります。

腹腔の病気

お腹の痛みを伴う病気はたくさんあるので、ここで一口には言えませんが、腹腔の何らかの病気の可能性があります。急性のものであれば、異物を飲み込んでしまったことによる腸閉塞や、食後に胃にガスが溜まって捩じれてしまう胃捻転等が疑われます。

逆に、知らない間に発生していた悪性腫瘍(がん)が悪化して痛みを感じはじめている可能性もあります。他にも何か症状が発生していないかを確認したうえで、動物病院で獣医師に相談することをおすすめします。

身体をペロペロ舐めつづけているとき

身体を舐めている子犬

何か付いているわけでもないのに身体の一部をずっと舐めつづけている場合には、皮膚炎を発症している可能性や、常同障害を発症している可能性があります。

皮膚炎

特に手足を舐めている場合は、皮膚炎による痒みを感じていることが多いです。皮膚炎の場合には、患部が赤くなっているので見ればすぐにわかります。

患部を舐めることを続けてしまうと、より炎症が悪化してしまいますので、見つけた場合にはすぐに動物病院を受診し、塗り薬や皮膚炎用のシャンプーの処方を受けたうえで、エリザベスカラー等を装着して患部を舐めない対策をとることになります。

分離不安症

飼い主さんと長時間離れている等のストレスにより、分離不安症を発症している場合にも、身体を舐めつづける行動が見られます。分離不安症の場合には、他にも物を壊したり無駄に吠えたりする、問題行動や、食欲不振等の症状もあわせて見られることが多いです。

いつも後ろをくっついてくるわんちゃんや、飼い主さんにべったりなわんこが発症する症状ですので、心当たりがある場合には動物病院で相談しましょう。

歩くときに足が地面に着いていない

散歩中の犬

歩くときに特定の足が地面に着かなかったり、スキップをするような感じで歩いていたりする場合には、足の病気を発症している可能性があります。

膝蓋骨脱臼

後ろ足に異常が見られる場合には、膝蓋骨脱臼を発症している疑いがあります。膝蓋骨脱臼とは、ひざの関節の骨が正常な位置から外れてしまう病気で、軽度の場合は外れっぱなしになるのではなく、勝手に外れたり入ったりを繰り返します。

重症になると、常に外れっぱなしになり、ひざを曲げたままの状態で歩くようになります。特に小型犬に発症の多い疾患ですので、注意が必要です。

まとめ

病院の犬

いかがでしたでしょうか?わんこは基本的に痛みに強いうえ、野生で生きていた頃の本能から体調不良をあからさまに表すことを嫌うので、症状が目に見えたときには病気が進んでいるということも少なくありません。

わんこのわずかな反応の変化を飼い主さんが敏感に察知してあげることはもちろん、あわせて動物病院で定期的な健康診断を受けることで、わんこの健康を維持してあげたいですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 男性 匿名

    飼っていたラブラドールは時々左脚ももの部分を触られると、痛そうに鳴いていました。
    その頻度が日に日に増していったので獣医に診てもらった結果、骨肉腫でもう手遅れの状況でした。
    ほんとにわずかなことでも受診させてあげることが大切だと思います。
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