なぜ、犬の歯茎に毛が付くのか?
犬の歯茎に毛が付いていると、まるで歯茎に毛が生えているようにも見えるそうです。
ですが、いくら全身が毛で覆われていても、犬の歯茎から毛が生える、などということは絶対にありません。では、なぜ、犬の歯茎に毛が付いてしまうのでしょうか?
歯茎に毛が絡みついている
歯と歯茎の間には、溝があります。その溝を歯周ポケットと言います。
その歯周ポケットに毛が絡みついていると、まるで、歯茎から毛が生えているように見えます。
では、なぜ、そんな口の中の小さな溝の中に犬の毛が絡みつくのでしょうか?
歯茎と歯の間の溝が広がり、深くなっているから
どんなに清潔にしていても、口の中は細菌だらけです。
良い働きをする菌もいれば、歯周病を引き起こす悪い菌もいます。その悪い菌の中には、空気に触れるのが大嫌いな菌がいます。その菌の種類を「嫌気性細菌」と言います。
空気に触れるのが嫌いなので、この「嫌気性細菌」は空気のない、狭い場所を探して歯茎と歯の間の溝の奥へと潜り込もうとします。
歯周ポケット奥へと侵入した細菌によって、歯肉に炎症が起きます。これが歯肉炎です。
歯肉炎が進めば進むほど、歯周ポケットは大きくなり、最悪、歯茎を支えられなくなって、歯が抜けてしまうこともあります。
自分の毛が歯茎に絡みついている、ということは、それほど歯周ポケットが大きくなっている、と言えます。
口臭がしていませんか?
歯周ポケットが広がっているということは、歯周病が進行しつつあることも考えられます。
愛犬の口からイヤなニオイがしないかどうか、一度、チェックしてみましょう。
口臭は、内臓の不調から来ることもあるので、一概に口臭がするからと言って歯が悪いと決めつけるわけにはいきません。
けれども、もし、犬の口からイヤな臭いがして、なおかつ、歯茎に毛が付いているのなら、歯周病の可能性が大きいと思われます。
歯磨きに挑戦!
最近は、愛犬の健康のために歯磨きを習慣づけて行う飼い主さんも増えています。
こまめに歯磨きすれば、愛犬の口内をチェックして、健康状態に気を配ることもできます。当然、歯茎に毛が付いていたら、それを取り除くこともできます。
歯磨きの仕方は、素材、方法など、小型犬、大型犬、シニア、幼犬、性格によってやり方も様々です。
ご自分の愛犬にあったやり方を調べてみましょう。
体のどこかが痒くてたまらない
犬の歯茎に毛が付いているもう一つ考えられるのは、犬が自分の口で自分の体の毛を掻きむしっているのでは?という可能性です。
後ろ足では掻けない部分を、自分の口を使って掻いたり、舐めたりしていませんか?
例えば、お腹、後ろ足の腿付近、お尻付近などの皮膚に異常がないかを調べてみましょう。
考えられる皮膚疾患と対処法
内分泌性皮膚炎
ホルモン性皮膚炎とも言います。
なんらかの原因で、ホルモンが正常に分泌されなくなることが原因で起こる皮膚炎です。
血液検査をし、分泌異常を起こしているホルモンを確定してから、治療方針が決まります
アレルギー性皮膚炎
ノミ、ダニによるもの、食べ物によるもの、外的な茂樹によるものなど、アレルギー性皮膚炎も原因はさまざまです。
まずは、獣医さんを受診して、血液検査をし、アレルゲンを突き止めます。
アレルゲンが特定されたら、それを除くための対処をします。
食べ物であれば、食事から除く、ノミ、ダニであれば駆除し、お薬を塗ったり、投薬したりしてアレルギーを抑えていきます。
膿皮症
ブドウ球菌や連鎖球菌の感染によっておこる化膿性の皮膚炎です。
獣医さんに診て貰い、指示に従って、投薬、幹部へ塗る、薬用シャンプーで洗う、などの対処をします。
ストレス、精神的な要因からくる痒みの可能性も
留守番がちだったり、引っ越したばかりで環境が変わったりと言ったことが原因のストレスから、自分の体を掻いている気持ちを沈めているのかもしれません。
体のどこにも異常がなく、しきりに体を舐めたり、掻きむしったりしている時は、散歩に連れ出したり、一緒に遊んだり声をかけたりして、寂しさを忘れるようなコミュニケーションを試してみましょう。
まとめ
「どうして歯茎に毛が付いているんだろう?」と気が付いた飼い主さんは、とても愛犬のことを大切に想い、しっかりと観察している飼い主さんだと思います。普通、口の中に毛があること自体、異常なことですよね。私たち飼い主は、愛犬達が言葉を話せない分、行動や仕草、歩き方、ごはんの食べ方などを健康でなんの異常もない時から気にかけていなければいけません。そうすれば、愛犬の異常に気づくことができるはずです。自分や家族の健康を気遣うように、愛犬の健康状態にも、口の中から全身までくまなく、毎日、気を配ってあげたいものです。