愛犬がフラフラしていたら
私たち人間にも、突然フラフラとして、気分が悪くなってしまう事がありますよね。犬にも同じようにフラフラし、思うように歩く事ができなくなってしまったり、倒れこんでしまったりする事があります。
大事なことは、焦らず冷静に判断すること、獣医さんに連絡すること、病院へ連れて行き適切な診察と治療を受けさせることです。様子を見てみるのも良いのですが、病院が診察時間内である場合にはすぐに診察を受けてみた方が良いと思います。診察時間外である場合も決して焦ることなく冷静に対応し、診察をしてくれる病院がないか探してみてください。
犬がフラフラしているときに考えられる病気についてご紹介しますので、もしもの時の参考になると嬉しいです。
突発性前庭疾患
もし、愛犬が突然フラフラしてしまった場合、突発性前庭疾患という病気を疑うことができます。
「前庭」とは、内耳にあり、平衡感覚を司っている部分です。
前庭の機能によってカラダのバランスを保つことができているのですが、突発性前庭疾患によってカラダのバランスを上手く取ることができなくなり、フラフラしてしまっている可能性があります。犬種に関係なく、中年から高齢に犬に起こりやすい病気です。
どんな症状が起こるのか
歩く際にフラフラとする、フラつき転んでしまう、倒れこんでしまう、歩けなくなってしまう、立ち上がれなくなってしまうなど、軽度な場合も重度な場合も、カラダのバランスを上手く取る事ができなくなっているということを発見することができます。中には眼振が起こっているケースもあるのでフラフラしているときには眼球の動きがおかしくないか確認したほうがよいでしょう。
老犬の場合、首の筋肉の収縮力が低下することで「捻転斜頚」が起こり、首が曲がって傾いた状態のままフラフラと歩き回ることがありますが、突発性前庭疾患の症状が回復した後も首の曲がりや傾きは残ってしまうことがあります。
どんな治療法があるのか
突発性前庭疾患は原因不明の病気であり、確実な治療法がありません。また、自然と回復する可能性がある病気であるため、経過観察を行う場合もあります。
吐き気を伴い食欲がなく水も飲めない場合には脱水症状が起こる可能性があるので、点滴を行うこともあります。神経機能改善薬などを投与することで症状が改善することもあります。
回復するまでの時間には個体差がありますが、カラダのバランスを上手く取ることができないため、回復までは補助や介護が必要になります。転んでしまったときや、倒れてしまったとき、ケガをしてしまわないよう注意が必要です。
前庭神経炎
脳神経のひとつである前庭神経に炎症が引き起こり、平行バランス感覚に障害が引き起こされている状態です。耳の奥にある内耳には蝸牛と呼ばれている器官と三半規管という器官がありますが、蝸牛には蝸牛神経が繋がっており、脳に音を伝える働きをしています。
三半規管には前庭神経が繋がっており、カラダの位置情報を脳へと伝える働きをしています。脳に音を伝える働きとカラダの位置情報を伝える働きの2つを合わせたものが内耳神経であり、2つのうちの前庭神経に炎症が引き起こされた場合、カラダの位置情報を脳へと伝える働きに異常が起き、正常にコントロールする事ができなくなってしまいます。
前庭神経炎の原因
外耳炎・中耳炎・内耳炎・耳腫瘍などが原因となり、前庭神経に炎症が引き起こされてしまうことがあります。また、前庭神経炎の原因は不明であることも多くあり、飼育環境やストレスや外気圧が原因となることもあるようです。
また、老犬に多く発症していることから老化現象のひとつなのではないかとの考えもあります。
前庭神経炎の治療法
副腎皮質ホルモン薬・ビタミン薬・抗めまい薬などによって症状を軽減させる治療が行われます。
フラフラするという症状があるため、転んだり倒れたりなどの危険があることから、完全に回復するまでは目を離さないよう注意しましょう。
外耳炎・中耳炎・内耳炎・耳腫瘍などが原因となり、前庭神経に炎症が引き起こされている場合には、原因となっている病気の治療が行われます。
まとめ
犬がフラフラしてしまう原因として、突発性前庭疾患と前庭神経炎の2つの病気についてご紹介しました。この2つ以外にも犬がフラフラしてしまう原因や病気はたくさんあると思いますし、適切な治療を受けるためにも、愛犬のフラつきに気づいたらすぐに獣医さんに診てもらいましょう。